「男の居場所」 第二章・・・(紅殻格子)
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「男の居場所」
二・
支店長の谷崎がテーブルにつき、営業会議が始まった。
「客のニーズをサーチする感性を磨け!」
「ビジネスは交渉力だ。客を説得しろ!」
43歳の若さで支店長に抜擢された谷崎は、精力的に会議を進めていく。
マーケティング理論を前面に押し出し、厳密な論理性を酷使してタスクを詰める。
そんなアメリカ人の猿真似をする谷崎に、水上は異動して半年経った今でも馴染めずにいた。
煙草に火をつけようとした時、谷崎の視線が鋭く水上を捕らえた。
「ところで水上さん、新製品発表企画で、代理店の協力は取りつけられたのですか?」
役職は谷崎の方が上だが、さすがに先輩の水上に対しては言葉遣いは丁寧だった。
「いや、支店長。もう少し時間がかかりそうだよ。待てば海路の日和ありってね。」
水上が煙草の煙を吐きながら答えると、谷崎は少し表情を強張らせ、ドンと拳でテーブルを叩いた。
「いつまで待たせるつもりですか!どうせまた酒と女で代理店の社長を懐柔する手でしょう?もうそんな古い接待営業は通用しませんよ。これからのビジネスは交渉力です。相手を説得する能力が、これからの営業には必要なんです」
「……そう怒りなさんなって……確かにアメリカの教科書にはそう書いてあるかもしれないが、ここは日本だ。日本の商売は昔から信頼が第一だ。そんな頭でっかちな考えじゃ、代理店は一歩も動いてくれないよ」
水上は若い支店長に啖呵を切った。
昔取った杵柄とは言え、今も水上は流通政策の第一人者だという自負があった。
いかに支店長であろうと、水上の意向を無視できるはずがない、そう思っていた。
しかし谷崎は、フンと鼻を鳴らして口元に冷笑を浮かべた。
「もう結構です。どうせそんなことだろうと思って、昼、私が代理店を訪問して協力を取りつけてきました。酒の力を借りなくても、情熱で相手を説得できるんですよ」
「……」
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
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『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
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「いや、支店長。もう少し時間がかかりそうだよ。待てば海路の日和ありってね。」
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「いつまで待たせるつもりですか!どうせまた酒と女で代理店の社長を懐柔する手でしょう?もうそんな古い接待営業は通用しませんよ。これからのビジネスは交渉力です。相手を説得する能力が、これからの営業には必要なんです」
「……そう怒りなさんなって……確かにアメリカの教科書にはそう書いてあるかもしれないが、ここは日本だ。日本の商売は昔から信頼が第一だ。そんな頭でっかちな考えじゃ、代理店は一歩も動いてくれないよ」
水上は若い支店長に啖呵を切った。
昔取った杵柄とは言え、今も水上は流通政策の第一人者だという自負があった。
いかに支店長であろうと、水上の意向を無視できるはずがない、そう思っていた。
しかし谷崎は、フンと鼻を鳴らして口元に冷笑を浮かべた。
「もう結構です。どうせそんなことだろうと思って、昼、私が代理店を訪問して協力を取りつけてきました。酒の力を借りなくても、情熱で相手を説得できるんですよ」
「……」
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※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
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