「男の居場所」 第八章・・・(紅殻格子)
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「男の居場所」
八・
翌日、通勤の足取りは重かった。
出社拒否症候群という病気があることは知っていたが、まさか自分がかかるとは思いもよらなかった。
仕事への情熱を奪われた水上は、ただ惰性だけで福岡の街を会社に向かって歩いていた。
オフィスのある地下鉄天神駅の階段を上がっていた水上は、不意に若い女性から声をかけられた。
「水上次長、おはようございます」
振り返ると、経理の澤田美奈が背後から駆け寄ってくる。
「ああ、おはよう」
水上は辛うじて重い口を開いた。
「また二日酔いですか?」
美奈はじっと水上の顔を見ながら、図星だろうと言わんばかりに得意げな表情をした。
美奈は今年の春、短大を卒業したばかりの二十歳の新入社員だ。
今時の娘らしく、ヒールを履くと170センチある水上と背は変わらない。
もっともずんぐりとした水上とは、似ても似つかぬスリムな体型をしている。
キャメル色のタイトスカートから覗く両脚は、同じ人間とは思えないほど長く見える。
「まあね・・・」
水上は寄り添うように隣を歩く奈美を意識して、心持ち背筋を伸ばして胸を張った。
歩道を擦れ違う同年代の男たちが、一様に羨ましそうな眼差しで見る。
それほど奈美は美しかった。
肩まで伸びた明るい栗色の髪、くりっとした大きな瞳、そして可憐な桜貝にも似た口唇。
前髪を上げて額を広く見せているので、女子高生のようなあどけなさを顔立ちに残している。
奈美は屈託のない笑顔で水上の顔を覗き込んだ。
「さてはまた中州ですね?」
「……ふん、余計なお世話だ」
「何がおもしろいのかしら……どうせスナックの女が目当てなんでしょ?」
美奈はおどけた様子で水上をからかった。
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
『色褪せぬ薔薇』携帯小説サイトにて配信中です。
『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
閲覧方法・・・
「どこでも読書」
「どこでも読書」TOP上段にあります総合検索にて「小説」→ジャンル「ハードロマン」↓「色褪せぬ薔薇」と検索いただくか?もしくは著者名にて「降矢木士朗」(ふりやぎしろう)と検索いただければご覧頂けます。
電子書籍「遊スタ」←携帯電話でご覧頂いている方は、そのままクリックでお入りいだだけます。
パソコンでご覧頂いている方には、大変、申し訳ありませんが電子書籍「遊スタ」は携帯電話からでないと入れません。
お手数ですが携帯電話にて「遊スタ」→カテゴリ「官能小説」→「色褪せぬ薔薇」と検索してください。
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翌日、通勤の足取りは重かった。
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振り返ると、経理の澤田美奈が背後から駆け寄ってくる。
「ああ、おはよう」
水上は辛うじて重い口を開いた。
「また二日酔いですか?」
美奈はじっと水上の顔を見ながら、図星だろうと言わんばかりに得意げな表情をした。
美奈は今年の春、短大を卒業したばかりの二十歳の新入社員だ。
今時の娘らしく、ヒールを履くと170センチある水上と背は変わらない。
もっともずんぐりとした水上とは、似ても似つかぬスリムな体型をしている。
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「まあね・・・」
水上は寄り添うように隣を歩く奈美を意識して、心持ち背筋を伸ばして胸を張った。
歩道を擦れ違う同年代の男たちが、一様に羨ましそうな眼差しで見る。
それほど奈美は美しかった。
肩まで伸びた明るい栗色の髪、くりっとした大きな瞳、そして可憐な桜貝にも似た口唇。
前髪を上げて額を広く見せているので、女子高生のようなあどけなさを顔立ちに残している。
奈美は屈託のない笑顔で水上の顔を覗き込んだ。
「さてはまた中州ですね?」
「……ふん、余計なお世話だ」
「何がおもしろいのかしら……どうせスナックの女が目当てなんでしょ?」
美奈はおどけた様子で水上をからかった。
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『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
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