『女帝陥落の淫夜』(一)
『女帝陥落の淫夜』(一)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
熱く火照った肌が覆いかぶさってきた。
秋葉康平は、ベッドで仰向けに寝たまま、森川瀬奈の上気した体を胸で抱きとめた。
発情した雌の甘酸っぱい匂いが、むせ返るほど鼻腔の奥まで浸み込んでくる。
「ああ・・気持ち良かった・・」
荒い呼吸の中、瀬奈は喘ぐように耳元へ囁いた。
康平は背中伝いに、情事の余韻にくねる瀬奈のヒップへ掌を這わせた。
きゅっと引き締まった弾力のある双丘は、きめ細かい肌と柔らかな産毛が天鵞絨のような触感を醸している。
「きれいだ」
康平は瀬奈の体を仰向けに横たえると、スリムな裸身を添い寝する格好で鳥瞰した。
ブルーのシーツに浮かぶ瀬奈の若い肌は、エーゲ海に臨む白壁の家よりも眩かった。
瀬奈二十二歳――康平が勤める夢創社で受付嬢をしている。
人材会社からの派遣社員だが、一ヶ月前からこうして情事を楽しむ間柄になっていた。
明るい茶色のストレートな髪、切れ長な瞳と高い鼻梁、そして端正な口許は、受付嬢の職責を果たすに十分な美しさを備えていた。
うっすらと浮き出した肋骨に浮かぶ乳房は、小ぶりながらも、平皿に割った新鮮な卵黄のように高く隆起している。
その頂には、淡い鳶色の粟粒立った乳暈と、小さく反り立った乳首が愛らしく震えている。
そして贅肉のない白磁にも似た下腹部には、綺麗に整えられた漆黒の逆毛が彩りを添えていた。
康平はそっと指先で尖った乳首を摘んでみた。
「あん・・また感じてきちゃう・・」
スタイルの見事さだけなく、瀬奈の体は男の愛撫を鋭敏に感受した。
まるで遊びのないハンドルのように、僅かな指先の動きで瞬時に反応する淫らなFIマシンだった。
だが康平は、抜群のボディを誇る瀬奈にそれほど魅力を感じていなかった。
そもそもこの交際自体も、瀬奈が強引に康平を飲みに誘ったことから始まったのだ。
(若い女の体はつまらない)
来年三十歳になる康平は、瀬奈の煌めくような肢体に味気なさを感じていた。
それはピカピカした新品の仏像より、くすんだ古仏の方が趣き深いのと似ているかもしれない。
つづく…
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発情した雌の甘酸っぱい匂いが、むせ返るほど鼻腔の奥まで浸み込んでくる。
「ああ・・気持ち良かった・・」
荒い呼吸の中、瀬奈は喘ぐように耳元へ囁いた。
康平は背中伝いに、情事の余韻にくねる瀬奈のヒップへ掌を這わせた。
きゅっと引き締まった弾力のある双丘は、きめ細かい肌と柔らかな産毛が天鵞絨のような触感を醸している。
「きれいだ」
康平は瀬奈の体を仰向けに横たえると、スリムな裸身を添い寝する格好で鳥瞰した。
ブルーのシーツに浮かぶ瀬奈の若い肌は、エーゲ海に臨む白壁の家よりも眩かった。
瀬奈二十二歳――康平が勤める夢創社で受付嬢をしている。
人材会社からの派遣社員だが、一ヶ月前からこうして情事を楽しむ間柄になっていた。
明るい茶色のストレートな髪、切れ長な瞳と高い鼻梁、そして端正な口許は、受付嬢の職責を果たすに十分な美しさを備えていた。
うっすらと浮き出した肋骨に浮かぶ乳房は、小ぶりながらも、平皿に割った新鮮な卵黄のように高く隆起している。
その頂には、淡い鳶色の粟粒立った乳暈と、小さく反り立った乳首が愛らしく震えている。
そして贅肉のない白磁にも似た下腹部には、綺麗に整えられた漆黒の逆毛が彩りを添えていた。
康平はそっと指先で尖った乳首を摘んでみた。
「あん・・また感じてきちゃう・・」
スタイルの見事さだけなく、瀬奈の体は男の愛撫を鋭敏に感受した。
まるで遊びのないハンドルのように、僅かな指先の動きで瞬時に反応する淫らなFIマシンだった。
だが康平は、抜群のボディを誇る瀬奈にそれほど魅力を感じていなかった。
そもそもこの交際自体も、瀬奈が強引に康平を飲みに誘ったことから始まったのだ。
(若い女の体はつまらない)
来年三十歳になる康平は、瀬奈の煌めくような肢体に味気なさを感じていた。
それはピカピカした新品の仏像より、くすんだ古仏の方が趣き深いのと似ているかもしれない。
つづく…
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