『妻は官能小説家』・・・第一章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
ピチャ、ピチャ・・
唾液が触れる音が窓のない密室に木霊する。
甘い香水の匂いが時折ふっと鼻腔をくすぐる。
東京のラブホテル。
荒木雄士は、全裸のままベッドで仰向けに寝そべっていた。
「んぐぅ・・荒木さん、気持ちいい?」
「ああ・・最高だよ」
やはり一糸まとわぬ安部由希が、四つん這いになって、雄士の下腹部辺りに顔を埋めていた。
瞳を伏せて頬を窄め、屹立した肉茎を無心にくわえている。
ルージュに彩られた形の良い口唇から、赤黒く醜悪な肉茎が食み出しているのが見える。
「うふ、奥さんはこんなことしてくれないんでしょ?」
「するはずがないだろう」
雄士の答えに微笑んだ由希は、髪を掻き上げて肉茎の根元近くまで呑み込んだ。
雄士は三十三歳、東京の中堅出版社で文芸雑誌の編集者をしている。
由希は二十四歳、同じ会社で経理を担当する派遣社員である。
由希は独身だが雄士には妻子がいる。
二人は俗に言う社内不倫カップルだった。
半月前の夏、神保町の居酒屋で会社の暑気払いがあった。
隣同士に座った二人は意気投合した。
雄士が二次会へ誘うと、由希はあっけらかんとホテルへ行きたいとねだった。
以来二人は週二三回のペースで、会社が退けた後に情事を重ねている。
つづく・・・
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