『妻は官能小説家』・・・第八章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第八章
深夜だと言うのに、雄士は目が冴えるばかりだった。
テレビ番組に飽きた雄士は、暇つぶしにパソコンの電源を入れた。
(そう言えばさっき美佳が使っていたようだが)
雄士は首をひねった。
美佳がパソコンに向かう姿をあまり見たことがない。
パソコンが立ち上がると、雄士はまずインターネットの履歴をチェックした。
『女性のための官能小説教室』
見たこともないサイトが、今日訪れた履歴の中に含まれていた。
仕事の延長で気が進まなかったが、雄士は首をひねりながらサイトを開いてみた。
女性官能小説家を発掘するホームページだった。
自分で書いた小説を応募して、批評してもらうコーナーがあった。
(何故美佳がこんなサイトを・・まさか)
慌てて雄士は『最近使ったファイル』を調べた。
するとそこには、見たこともないワードのファイル履歴が表示された。
『クリスマスローズ』
俄かに雄士は信じられなかった。
美佳に小説を書く趣味があるなど、七年連れ添ったが初耳だった。
しかも官能小説など、性に淡白な美佳に書けるはずがないと思った。
ふと雄士はテーブルの花へ目を遣った。
(この花は確か・・クリスマスローズ)
白い花弁をじっと見つめていた美佳の顔が瞼を過ぎった。
不安が雄士の心にもやもやと湧き立った。
雄士は恐る恐るその文書ファイルをクリックした。
ワードが開いて原稿が現れた。
小説は美佳の旧姓で書かれていた。
つづく・・
※ お知らせ ※
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