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『不如帰』…第一章

   不如帰(永遠の嘘)

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第一章

病室は明るい茜色に染まっていた。
西に開いた窓からは、丹沢山系へ遠く沈もうとする夕陽が差し込んでいる。

黄昏時の懐かしい色に埋もれながら、平野佳珠子は、子供の頃に遊んだ寺の境内を思い出していた。
どこにあるかは知らないが、きっと西方浄土は、こんな色の世界だろうと佳珠子は勝手に夢想した。

病室の真ん中には、ぽつんと鉄パイプのベッドが置かれている。
枕元に吊り下げられた点滴からは、余命を刻む砂時計のように、ぽたりぽたりと水滴が落ち続けている。
ベッドには、夫の平野克哉が、鎮痛薬の作用でうつらうつら寝ていた。

末期の肺癌だった。
顔はどす黒く痩せ衰え、体も一回り小さくなっていた。
医師からは、あと半月もつかどうかと宣告されていた。

克哉は六十二歳。
一昨年、製造機械メーカーを定年退職したばかりだった。
第二の人生を迎えてすぐに、病魔は容赦なく克哉に牙を剥いた。

「これからご夫婦で人生を楽しむ矢先に」

見舞いに来た知人達は、帰り際、皆一様に佳珠子を気の毒がった。

佳珠子は六十歳。
日本人の寿命からすれば、後二十年は夫婦で老後を過ごせる年齢でしかない。
佳珠子は窓ガラスに顔を近づけ、心の中で毒々しく吐き捨てた。

(病死なんか生温いわ・・私の手で地獄へ突き落としてやるから・・)

夕日を浴びた佳珠子の顔は、まるで不動明王のような憤怒の表情をしていた。
結婚して三十三年、傍目には仲睦まじい老夫婦に見えるかもしれない。
だが佳珠子にとっての夫婦生活は、克哉への憎しみだけで支えられてきた。

結婚前、佳珠子は銀座のラウンジでホステスをしていた。
艶やかな夜の蝶。派手な世界が好きで、容姿に自信のある佳珠子には、まさに打ってつけの職場だった。

生来の美貌を脂粉で飾った佳珠子は、豊満な肉体で多くの男達を魅惑した。
また女の喜びを知り始めた女肉は、男なしでは夜も眠れぬほどに成熟していた。

佳珠子は奔放な性に溺れた。
毎夜、異なる男に乳房を吸わせ、異なる男を秘肉に迎え入れた。
だが肉体は満たされても、ふしだらな生活は佳珠子の心を消耗させていった。

そんな時に現れたのが克哉だった。
金もなく、地位もなく、大人しい人柄だけが取り柄のサラリーマンだった。

心疲れた佳珠子は克哉に惹かれた。
男狂いに厭きて、まっとうな結婚生活を送りたいと願った。
つづく…
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『不如帰』・・・第二章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第二章
そして二人は結婚した。
佳珠子は過去を清算して、平凡なサラリーマンの妻に納まったのだった。

ところが結婚して一年もすると、克哉は派手な女遊びを始めた。
会社のつきあいだと言い訳したが、毎夜スーツには違った香水の匂いが滲みついていた。

(私では不満だと言うの?)

プライドを傷つけられた佳珠子は、悔しさに堪え切れず克哉を問い詰めた。

「浮気するぐらいなら、どうして私と結婚したのよ?」

「それはお互い様だろう。お前こそ今までに何人の男と寝てきたんだ?」

浮気を咎められると、克哉は佳珠子の過去をなじった。

「ひ、酷い・・だって昔のことでしょう。それを承知で結婚してくれたんじゃないの?」

「ふん、淫乱女くせに・・お前の体には、無数の男の精液が染み込んでいるんだ!」

顔を上気させて興奮した克哉は、抗う佳珠子をレイプまがいに犯したのだった。
それは子供が生まれてからも変わらなかった。
昼は子煩悩で家事も手伝う克哉だが、夜の女遊びと佳珠子への性の仕打ちは続いた。

「こんな恥ずかしい格好で犯されたのか?」

浮気をしておきながら、過去の男達との情事をいたぶり、劣情に任せて佳珠子を執拗に抱いた。

佳珠子は体を蹂躙されるたびに、どす黒い怨嗟を心の奥底へ沈殿させていった。
離婚という選択肢もあった。
だが夜の世界には戻りたくなかったし、傷つけられた女のプライドが、尻尾を巻いて逃げることを許さなかった。

――復讐――

淫乱女とまで蔑まれた佳珠子は、克哉に死よりも過酷な屈辱で贖わせたいと、昼も夜もなく呪い続けた。
そして恐るべき劇薬を手に入れた。

その雫を一滴垂らせば、克哉の築き上げてきた人生が、一瞬のうちにこの世から滅してしまう劇薬だった。
不意に病室の扉が開いた。

「親父の調子はどう?」

一人息子の勇輝だった。二十九歳。
優秀な成績で東大を卒業し、今は国家公務員として国を背負って働いている。
うつらうつらしていた克哉が動いた。

「おお、勇輝・・来てくれたか・・」

克哉は朦朧とした目で病室を見回し、痩せ細った両手を勇輝へ伸ばした。

「具合はどう?」

「ああ・・今日は気分がいい方だ・・」

克哉は勇輝の両手を押し頂くように握り締めた。

「し、仕事は順調か?」

「うん、これからは予算の時期で忙しくなるけどね」

「そうか・・頑張っているんだな・・」
つづく…
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『不如帰』・・・第三章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第三章

上半身を起こした克哉は、勇輝の顔を見てうっすらと涙を浮かべた。
克哉にとって勇輝は人生そのものだった。
持てるすべてを勇輝に注いだと言っても過言ではない。

会社を万年課長で終えたのも、自分の出世よりも勇輝の教育を選んだからだった。
孟母三遷の教えとは逆に、勇輝を中高一貫の進学校へ通わせるため、栄転話を拒んだのも一度や二度ではなかった。

死期を悟った克哉は、毎日病床で勇輝の話ばかり繰り返した。
まるで自慢の作品を誇るかのように、勇輝との思い出を佳珠子に何度も語って聞かせた。
たまに勇輝が見舞いに来ると、普段は無愛想な顔に満面の笑みを浮かべて喜んだ。

父と子の会話を聞きながら、佳珠子はにんまりとほくそ笑んだ。
この勇輝こそが復讐の劇薬だった。
たった一言でいい。

(勇輝はあなたの子供じゃないの)

そう耳元で囁くだけで、一人息子に心血を注いできた克哉は、悶え死ぬほどの懊悩に苛まれるだろう。
それも死を前にして、積み重ねてきた人生が、ガラガラと音を立てて崩れ去るのを知るだろう。

目を虚ろに見開き、口唇を戦慄かせる克哉の表情が目に浮かぶ。
その苦悶こそが、澱のように沈んだ佳珠子の怨嗟を晴らしてくれるのだ。

克哉への死の執行は、病魔によってではなく、佳珠子の一言によって下されるべきなのだ。
佳珠子は屈辱の半生を振り返った。

(あの夜からもう三十年が経つ・・)

劇薬は死の間際にこそ著効がある。
若くして使えは、すぐに離婚されて他に子供を作られてしまうからだ。
だから復讐劇の幕が上がるこの日まで、プライドを傷つけられても、淫乱女と蔑まれても、佳珠子はひたすらじっと堪え忍んできたのだ。

夕陽は明るさを失いつつあった。
茜色に溢れていた病室は、ゆっくりと地の底へ沈んでいくように、暗い闇が支配しようとしていた。
つづく…
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『不如帰』・・・第四章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第四章

一九七七年、夏。
奥会津の深い山々を縫うように、只見川が悠々と蛇行して流れて行く。
その古代鏡にも似た緑青色の滑らかな川面に、のんびりと走る二輌編成のローカル列車が、クリーム色と朱色の車体を映している。

眺望を鳥瞰できる険しい山の中腹に、僅か二十戸ばかりの小さな集落があった。
平家の落人伝説が残る隠れ里で、険しい山塊によって世間から隔絶されてきた。
会津若松からは車で三時間、最寄りの集落からでも半時間はかかる陸の孤島だった。

山にへばりつくように、古めかしい民家が並んでいる。
だがその半分は朽ち果てた廃屋になっていた。土壁はぼろぼろに剥げ落ち、萱葺きの屋根は雑草が茂っている。
猫の額ほどの畑は耕す人もなく、荒れ果てて再び森に戻ろうとしていた。

哀しげにヒグラシが鳴いている。

「・・・・」

夜の闇に呑み込まれていく集落を、佳珠子は放心したように縁側から眺めていた。
薄茶色に日焼けした団扇を扇ぐと、蚊取り線香の立ち上る細い白煙がゆらゆら揺れた。

お盆休み、佳珠子は克哉の実家に帰省していた。
平野家は由緒ある本家として、今も寂れた集落に君臨していた。

だが克哉の両親はすでにいない。
父親は克哉が中学生の時に、母親は三年前に病気で亡くなっていた。
この帰省も母親の墓参りを兼ねてのことだった。
だが肝心の克哉は家にいなかった。

「出かけて来る。今夜は帰らない」

「で、出かけるって・・どこへ?」

「会津若松の温泉で女を待たせている」

車に乗り込む克哉を、佳珠子は呆然と見送るしかなかった。
あろうことか妻を実家へ置き去りにして、堂々と呼び寄せた愛人の許へ外泊しに行ったのだ。

結婚して三年、克哉の浮気は今に始まったことではない。
佳珠子に愛情の欠片もないことも、過去の男関係を憎んでいることもわかっていた。

(く、悔しい・・)

今更愛して貰おうとは思っていない。
佳珠子の目が届かないところで、隠れて浮気するなら何も咎めはしない。
だが面と向かって女を抱きに行くとは、女として屈辱以外の何物でもなかった。
つづく…
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『不如帰』・・・第五章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
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執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第五章

すでに日は山影に沈んでいた。
西の空だけが、まだ茜色の残光を僅かに灯している。

(この恨み・・)

ぽつんと縁側に座った佳珠子は、ひたひたと押し寄せる暗闇に溶け込んでいった。
だがその影からは、オーラのように怨嗟の炎が青白く燃え盛っていた。

その時、背後の障子が開いて明かりが差し込んだ。
克哉の実兄、平野武彦だった。

「風呂が沸いたから先に入れ」

「いえ、私は最後で構いませんから・・」

「あんた、長旅で疲れているだろう」

髭だらけの顔を佳珠子と合わさず、武彦はぼそぼそと小声で呟いた。
弟の克哉とは一回り年が違う武彦は、今年四十四歳になるこの家の主だった。

痩せ型の克哉に比べて、熊と見紛うような巨躯をしている。
そしてその朴訥とした言動は、佳珠子にどこか近づき難い畏怖を与えた。

(これでは女性は寄りつかないわ)

佳珠子の印象通り、武彦は未だに独り身のままこの家で暮らしていた。
佳珠子は武彦から逃げるように、着替えの入ったバッグを手に風呂場へ向かった。

昔ながらの小さなタイルを敷き詰めた風呂だった。
磨硝子が古びた木の窓枠に嵌められた壁には、掃除が行き届かないのか、所々黒黴が不快な模様を描いている。
薄暗い蛍光灯の下で、佳珠子は裸身へ熱い湯をかけた。

(私のどこが気に入らないの?)

仄かに桜色に染まった胸元には、豊かな乳房が美しいフォルムを保っていた。
その頂を飾る愛らしい乳首が、淡い葡萄色に粟立った乳暈から顔を覗かせている。

かつて乳房に顔を埋めた男達は、佳珠子の肢体を宝石に喩えて跪いた。
くびれたウエストを抱き締め、白桃のようなヒップを愛おしげに撫で回してくれた。

(過去が許せないなら、別れてくれればいいのに・・それとも飼い殺しにして男遍歴の罪を償わせたいの?)

答えの出ない疑問を繰り返しながら、佳珠子は両手で乳房を揉みしだいてみた。
キュンと全身を悦びが貫いた。愛情に飢えた熟肉が切ない悲鳴をあげている。

不意に外で不如帰が切なく鳴いた。
佳珠子が窓へ目を遣ると、外でカタッと物音がした。

「誰?」

慌てて佳珠子は声をあげた。
つづく…
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『不如帰』・・・第六章

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第六章

建てつけが悪いのか、目を凝らすと磨硝子と窓枠の間に細い隙間がある。

(覗かれていた?)

風呂場の外は山の斜面に通じる暗闇で、例え覗かれていたとしても、明るい風呂からは全く人影すら見えない。

(一体誰が・・)

答えは自ずと決まっていた。
克哉は会津若松の温泉で愛人を抱いている。この家にいるのは義兄の武彦だけだった。

思い当たる節はあった。
無口で無表情、何を考えているかわからない武彦だが、佳珠子を見る目に、体の隅々まで覗かれているような好色さを感じることがあった。

考えてみれば、老人ばかりの過疎集落で、生身の若い女などめったに目にすることはない。
男盛りで独り身の武彦にすれば、義妹とは言え、淫欲を抱くのは無理からぬことなのかもしれない。
佳珠子は湯船に裸身を沈めると、両腕を胸で交差させて乳房を覆った。

(いやらしい・・)

そう軽蔑しながらも、克哉が満たしてくれない佳珠子の女が疼いた。
かつて男達をひれ伏せさせた女のプライドが、再び佳珠子の体の奥で蠢き始めていた。

瞳を閉じた佳珠子は夢想した。
獲物を狙う獣のような武彦の目が、幾十幾百と増殖して佳珠子の裸身を覗いている。
邪な淫欲の視線が、真っ白い乳房やヒップ、淡い秘毛に隠された陰部を執拗に舐め回す。

(・・ああ)

下腹部の奥が疼くのを佳珠子は感じた。
そっと陰部へ指を滑らせてみた。

そこは熱い淫蜜がねっとりと絡みついていた。
好色な眼で蹂躙された佳珠子の体は、あろうことか武彦を迎え入れようと潤っているのだった。
子宮の疼きは佳珠子の理性を昏睡させた。

(ふしだらな女と蔑むなら、ふしだらな女に相応しい復讐をしてあげるわ)

佳珠子の邪悪な妄想は、どす黒い血の色を帯びて膨張していった。

(そう、さっき鳴いた不如帰のように・・)

婚約してこの集落を訪れた時、夜克哉と山道を歩いていて、やはり不如帰が鳴くのを聞いたことがあった。
克哉は都会育ちの佳珠子に不如帰の話をしてくれた。
托卵と言って、不如帰はウグイスやホオジロの巣に卵を産みつけ、ヒナを育てさせる習性がある。

孵化の早い不如帰のヒナは、親鳥の卵を全て巣の外へ放り出し、自分だけを育てさせるのだと言う。
不如帰は残酷な鳥だと佳珠子が憤ると、自分の卵を見分けられない鳥が愚かなのだと克哉は笑った。
つづく…
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『不如帰』・・・第七章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
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執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第七章

――復讐――

それは克哉を愚かだと笑ったウグイスに貶めることだった。
今夜、義兄を誘惑して身ごもり、生まれた子を偽って克哉に育てさせるのだ。
膨らんだ妄想に佳珠子は身震いした。

ありふれた浮気ではない。
義兄との不義なのだ。
ましてやその子種を受け入れるなど、人の道を外れた許されぬ所業だった。

しかも無謀な企みである。
幸い兄弟の血液型は同じだが、妊娠した日を逆算すれば、克哉の子供でないことは明らかになってしまう。

だが佳珠子の決意は鈍らなかった。
このまま籠の鳥として過去を嬲られ続けるぐらいなら、例え失敗したとしても、女の意地と恐ろしさを知らしめ、克哉を戦慄させてやりたかったからだ。

それに、佳珠子の下腹部に熾った女の情念は、もう鎮められぬほど燃え盛っていた。
浴槽の中で、いつの間にか佳珠子は指で小さな肉芽を弄んでいた。

(ああっ、義兄に犯されるのね・・)

克哉への復讐、そして人として許されない背徳に、佳珠子は湯船の水面を揺らして身悶えるのだった。

夕食は武彦手作りの田舎料理だった。
釣ってきた岩魚と畑で採れた野菜、山菜の和え物などが並んでいる。

不器用そうなわりに、一人暮らしが長いからか、料理の腕前はかなりのものだった。
佳珠子と欣哉は、囲炉裏を間に置いて対座していた。

「義兄さん、この煮物も美味しいです」

「・・そうか」

途切れ途切れにぎこちない会話が続く。
佳珠子を前にして、武彦は所在なさそうに髭ばかり撫でている。
一つ屋根の下に、男と女が二人きりでいるのを意識しているのだろう。

ざっと夕立が降り出した。
微かに遠雷が響いてくる。
武彦はのっそりと座を立つと、雨が吹き込む縁側の窓を閉め始めた。

「閉めると蒸し暑いですね」

佳珠子はそう言うと、着ていたジャケットを脱いでTシャツ姿になった。
座に戻った武彦は、ちらっと佳珠子へ目を遣って顔を強張らせた。

体にぴったりと貼りついた薄手のTシャツには、ブラジャーをつけていない乳房が、くっきりと豊かな膨らみを写していた。
尖った乳首はもちろん、乳暈の色まですっかり布地に浮き出している。

「・・・・」
つづく…
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『不如帰』・・・第八章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第八章

武彦は目を真ん丸く見開き、凍りついたように凝り固まった。
血走った白目に、虹彩が落ち着きなくゆらゆらと揺れている。
そんな武彦の動揺を無視して、佳珠子は平然を装って食事を続けた。

(ああ・・獣欲の目に犯されている・・)

箸を上げ下ろしするたびに、ブラの締めつけから解放された乳房が、ゼリーのようにふるふると震える。
視姦されていると夢想しただけで、佳珠子の乳首は痛いほど屹立した。
堪りかねたように、武彦は座を立って小さく吐き捨てた。

「ふ、ふしだらな・・」

部屋を出ようとする武彦の前に佳珠子は立ちはだかった。

「ふしだらですって?」

「そ、そんな、格好は、ひ、非常識だ」

興奮しているのか、武彦はぶるぶると口許が痙攣させた。

「義兄さん、私を非常識呼ばわりするんですか? それなら風呂場で覗き見する方がよほど非常識じゃないんですか?」

図星だったのか、佳珠子の激しい口調に武彦は黙ったまま俯いた。
大男をすっかり掌中に納めた佳珠子は、勝ち誇ったような口調で命じた。

「卑怯な真似をしないで、堂々と見たいなら見たいとおっしゃい」

そう啖呵を切ると、佳珠子はTシャツの裾を威勢よく首まで捲り上げた。
豊かな乳房が波打って弾け出した。

ごくんと武彦の生唾を呑み込む音がした。
近づいてきた雷が青い閃光を縁側の窓に映し、轟音が山深い里を響き揺るがせた。
佳珠子の体がふっと宙に浮いた。

「あっ」

小さい声をあげた佳珠子は、武彦の巨躯に押し倒されていた。
強い力だった。
佳珠子の両手を畳に押さえつけた武彦は、無防備な乳房に顔を埋めて貪り吸った。

「ううっ・・」

全身を駆け巡る甘痒い微電流に、佳珠子は上半身をよじった。
過去の男達や克哉に比べると、強引で痛いほどの愛撫だった。
だがその不器用さが、レイプされているような愉悦を佳珠子にもたらした。

「ひ、酷い・・義理の妹を手篭めにしようとするなんて・・ああっ・・」

悪態をつきながらも、尖った乳首に歯を立てられた佳珠子は、下腹部へと続くであろう次の愛撫を待ち焦がれた。
つづく…
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『不如帰』・・・第九章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第九章

地響きのような雷音とともに、閃光が禁断の不義を眩しく曝し出す。

「義兄さん、私を犯したいんでしょう?」

「う、うう・・」

飢えた獣のように乳房へしゃぶりつく武彦は、言葉を失うほどに息を荒げ、満たされなかった淫欲を果たそうと必死だった。
佳珠子は武彦を乳房から突き放すと、犬を仕込むように待てと命じた。

「ここが欲しいのよね」

仰向けに寝たまま、佳珠子はスカートとショーツを下ろすと、這いつくばった武彦の前で、両脚をストリッパーのように開脚した。
阿呆面した武彦が、秘毛の向こうで目をギラギラさせて覗き込む。

「舐めてもいいのよ」

お預けを解かれた武彦は、ハアハアと息を荒げて佳珠子の陰部に顔を埋めた。

「あっ・・」

ざらざらした熱い舌先が敏感な内肉を舐った。
稲妻にも似た全身を貫く鋭利な悦楽が、ピクッと佳珠子の内腿を痙攣させた。

「そ、そこ・・もっと舐めて・・」

はしたなく浮かせた腰を突き上げながら、佳珠子は無骨な武彦の愛撫を導いた。
外の雨は激しさを増していた。
暴風は庭の木々をざわめかせ、縁側のガラス戸を激しく叩いた。

(今ならまだ引き返せる)

淫蜜と唾液に塗れた陰部は、武彦を迎え入れんばかりに火照っていた。
だが最後に残された理性の欠片が、佳珠子に人の道を外すなと警告した。

(でもあの人も今頃・・女を・・)

黒い嫉妬が心の底から湧き上ってくる。
そして萎えかけた佳珠子の心を、復讐と言う悪魔が再び煽り立てるのだった。
佳珠子は昂ぶった気持ちを抑え、執拗な武彦の愛撫を一度遮った。

「もう入れたいんでしょう?」

無言のまま武彦は頷いた。

「弟の妻なのに?」

「・・ずっと・・克哉が羨ましかった」

それだけ呟くと、武彦は立ち上がって服を脱ぎ始めた。
逞しい体をしていた。

(ああ、すごい・・)

佳珠子は心の中で喘いだ。
まるで熊のように、胸板の黒々とした密毛が下腹部へと続いている。
そしてそこには、見たこともない巨大な異物が隆々と鎌首をもたげていた。
つづく…
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『不如帰』・・・第十章

   『不 如 帰』 (永遠の嘘)
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だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。

第十章

武彦が仰向けに寝る佳珠子に覆い被さってきた。
むっとする男の匂いが鼻腔を満たし、発情した犬のような荒い呼吸が耳元に響く。

「そう・・そこよ」

両脚を高く掲げられ、剥き出しになった陰部へ武彦は腰を分け入ってきた。
そして巨茎の先端で佳珠子の秘芯を探り、その窪みにゆっくりと侵入してきた。

「ああっ!」

初めて体験する大きさに、佳珠子は上半身を仰け反らせた。
それは女を狂わせるに十分な逸物だった。

そして義兄に犯されると言うタブーが、佳珠子の淫靡な本能を厭が上にも掻き立てた。
淫蜜が馴染んだと知るや、武彦は猛然と巨茎を陰部に突き立てた。

「い、いやっ・・壊れちゃう・・」

堪らず佳珠子は頭を左右に振った。
巨茎を出し入れされるたびに、子宮が激しく揺さぶられるのがわかる。
その揺らぎが、無上の悦楽を佳珠子の脳細胞へと浸潤させていく。

「こ、こんなの初めて・・あ、あぐぅ・・」

両脚を欣哉の肩に担がれた佳珠子は、されるがままに武彦の欲望を受け入れるしかなかった。
単調で衒いのない武彦の動きが、海千山千の男達を知る佳珠子に、却って強く鮮烈な悦びをもたらすのだった。
訥々と子宮を撞かれるたび、佳珠子の乳房は上下にゆさゆさとたわんだ。

「いいっ、いいの・・もう義兄さんのことしか考えられない・・ううっ、私は義兄さんの女・・義兄さん・・」

「・・うう・・も、もう・・」

武彦は口を結んで体を仰け反らせ、激しく巨茎を子宮へ撃ち当ててきた。

「あっ、ああっ・・す、すごい・・だめ、だめよ・・いくっ、私もいっちゃう・・」

佳珠子は武彦の背中に腕を回してしがみついた。

「むうう・・」

武彦は佳珠子の首を抱いてガクガクと体を震わせた。

「いいわ・・中に出して・・ああっ、中にいっぱい出してぇ!」

佳珠子は体の中で熱い火花が弾けるのを感じた。
その逞しい巨茎から発した禁断の子種は、紛うことなく義妹の淫芯に注ぎ込まれたのだった。
時が止まった古民家の部屋には、義兄妹の妖しい息づかいだけが残った。

とてつもない雷音が轟いた。
目が潰れんばかりの青光りが、重なり合う義兄妹の背徳を再び照らし出した。
つづく…
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紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

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児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

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