『不如帰』・・・第二章
『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。
第二章
そして二人は結婚した。
佳珠子は過去を清算して、平凡なサラリーマンの妻に納まったのだった。
ところが結婚して一年もすると、克哉は派手な女遊びを始めた。
会社のつきあいだと言い訳したが、毎夜スーツには違った香水の匂いが滲みついていた。
(私では不満だと言うの?)
プライドを傷つけられた佳珠子は、悔しさに堪え切れず克哉を問い詰めた。
「浮気するぐらいなら、どうして私と結婚したのよ?」
「それはお互い様だろう。お前こそ今までに何人の男と寝てきたんだ?」
浮気を咎められると、克哉は佳珠子の過去をなじった。
「ひ、酷い・・だって昔のことでしょう。それを承知で結婚してくれたんじゃないの?」
「ふん、淫乱女くせに・・お前の体には、無数の男の精液が染み込んでいるんだ!」
顔を上気させて興奮した克哉は、抗う佳珠子をレイプまがいに犯したのだった。
それは子供が生まれてからも変わらなかった。
昼は子煩悩で家事も手伝う克哉だが、夜の女遊びと佳珠子への性の仕打ちは続いた。
「こんな恥ずかしい格好で犯されたのか?」
浮気をしておきながら、過去の男達との情事をいたぶり、劣情に任せて佳珠子を執拗に抱いた。
佳珠子は体を蹂躙されるたびに、どす黒い怨嗟を心の奥底へ沈殿させていった。
離婚という選択肢もあった。
だが夜の世界には戻りたくなかったし、傷つけられた女のプライドが、尻尾を巻いて逃げることを許さなかった。
――復讐――
淫乱女とまで蔑まれた佳珠子は、克哉に死よりも過酷な屈辱で贖わせたいと、昼も夜もなく呪い続けた。
そして恐るべき劇薬を手に入れた。
その雫を一滴垂らせば、克哉の築き上げてきた人生が、一瞬のうちにこの世から滅してしまう劇薬だった。
不意に病室の扉が開いた。
「親父の調子はどう?」
一人息子の勇輝だった。二十九歳。
優秀な成績で東大を卒業し、今は国家公務員として国を背負って働いている。
うつらうつらしていた克哉が動いた。
「おお、勇輝・・来てくれたか・・」
克哉は朦朧とした目で病室を見回し、痩せ細った両手を勇輝へ伸ばした。
「具合はどう?」
「ああ・・今日は気分がいい方だ・・」
克哉は勇輝の両手を押し頂くように握り締めた。
「し、仕事は順調か?」
「うん、これからは予算の時期で忙しくなるけどね」
「そうか・・頑張っているんだな・・」
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
応援よろしくお願いいたします
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
にほんブログ村 恋愛小説(愛欲) FC2官能小説 人気ブログランキング~愛と性~
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。
第二章
そして二人は結婚した。
佳珠子は過去を清算して、平凡なサラリーマンの妻に納まったのだった。
ところが結婚して一年もすると、克哉は派手な女遊びを始めた。
会社のつきあいだと言い訳したが、毎夜スーツには違った香水の匂いが滲みついていた。
(私では不満だと言うの?)
プライドを傷つけられた佳珠子は、悔しさに堪え切れず克哉を問い詰めた。
「浮気するぐらいなら、どうして私と結婚したのよ?」
「それはお互い様だろう。お前こそ今までに何人の男と寝てきたんだ?」
浮気を咎められると、克哉は佳珠子の過去をなじった。
「ひ、酷い・・だって昔のことでしょう。それを承知で結婚してくれたんじゃないの?」
「ふん、淫乱女くせに・・お前の体には、無数の男の精液が染み込んでいるんだ!」
顔を上気させて興奮した克哉は、抗う佳珠子をレイプまがいに犯したのだった。
それは子供が生まれてからも変わらなかった。
昼は子煩悩で家事も手伝う克哉だが、夜の女遊びと佳珠子への性の仕打ちは続いた。
「こんな恥ずかしい格好で犯されたのか?」
浮気をしておきながら、過去の男達との情事をいたぶり、劣情に任せて佳珠子を執拗に抱いた。
佳珠子は体を蹂躙されるたびに、どす黒い怨嗟を心の奥底へ沈殿させていった。
離婚という選択肢もあった。
だが夜の世界には戻りたくなかったし、傷つけられた女のプライドが、尻尾を巻いて逃げることを許さなかった。
――復讐――
淫乱女とまで蔑まれた佳珠子は、克哉に死よりも過酷な屈辱で贖わせたいと、昼も夜もなく呪い続けた。
そして恐るべき劇薬を手に入れた。
その雫を一滴垂らせば、克哉の築き上げてきた人生が、一瞬のうちにこの世から滅してしまう劇薬だった。
不意に病室の扉が開いた。
「親父の調子はどう?」
一人息子の勇輝だった。二十九歳。
優秀な成績で東大を卒業し、今は国家公務員として国を背負って働いている。
うつらうつらしていた克哉が動いた。
「おお、勇輝・・来てくれたか・・」
克哉は朦朧とした目で病室を見回し、痩せ細った両手を勇輝へ伸ばした。
「具合はどう?」
「ああ・・今日は気分がいい方だ・・」
克哉は勇輝の両手を押し頂くように握り締めた。
「し、仕事は順調か?」
「うん、これからは予算の時期で忙しくなるけどね」
「そうか・・頑張っているんだな・・」
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
応援よろしくお願いいたします
『紅殻格子メディア掲載作品&携帯小説配信サイト』紹介
にほんブログ村 恋愛小説(愛欲) FC2官能小説 人気ブログランキング~愛と性~