『不如帰』・・・第七章
『不 如 帰』 (永遠の嘘)
長年に亘り妻を苦しめてきた夫の裏切り行為に対し、
執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。
第七章
――復讐――
それは克哉を愚かだと笑ったウグイスに貶めることだった。
今夜、義兄を誘惑して身ごもり、生まれた子を偽って克哉に育てさせるのだ。
膨らんだ妄想に佳珠子は身震いした。
ありふれた浮気ではない。
義兄との不義なのだ。
ましてやその子種を受け入れるなど、人の道を外れた許されぬ所業だった。
しかも無謀な企みである。
幸い兄弟の血液型は同じだが、妊娠した日を逆算すれば、克哉の子供でないことは明らかになってしまう。
だが佳珠子の決意は鈍らなかった。
このまま籠の鳥として過去を嬲られ続けるぐらいなら、例え失敗したとしても、女の意地と恐ろしさを知らしめ、克哉を戦慄させてやりたかったからだ。
それに、佳珠子の下腹部に熾った女の情念は、もう鎮められぬほど燃え盛っていた。
浴槽の中で、いつの間にか佳珠子は指で小さな肉芽を弄んでいた。
(ああっ、義兄に犯されるのね・・)
克哉への復讐、そして人として許されない背徳に、佳珠子は湯船の水面を揺らして身悶えるのだった。
夕食は武彦手作りの田舎料理だった。
釣ってきた岩魚と畑で採れた野菜、山菜の和え物などが並んでいる。
不器用そうなわりに、一人暮らしが長いからか、料理の腕前はかなりのものだった。
佳珠子と欣哉は、囲炉裏を間に置いて対座していた。
「義兄さん、この煮物も美味しいです」
「・・そうか」
途切れ途切れにぎこちない会話が続く。
佳珠子を前にして、武彦は所在なさそうに髭ばかり撫でている。
一つ屋根の下に、男と女が二人きりでいるのを意識しているのだろう。
ざっと夕立が降り出した。
微かに遠雷が響いてくる。
武彦はのっそりと座を立つと、雨が吹き込む縁側の窓を閉め始めた。
「閉めると蒸し暑いですね」
佳珠子はそう言うと、着ていたジャケットを脱いでTシャツ姿になった。
座に戻った武彦は、ちらっと佳珠子へ目を遣って顔を強張らせた。
体にぴったりと貼りついた薄手のTシャツには、ブラジャーをつけていない乳房が、くっきりと豊かな膨らみを写していた。
尖った乳首はもちろん、乳暈の色まですっかり布地に浮き出している。
「・・・・」
つづく…
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執念の復讐が実行に移される時がきた。
だが妻の復讐心を覆す衝撃の真実が今、明かされる。
第七章
――復讐――
それは克哉を愚かだと笑ったウグイスに貶めることだった。
今夜、義兄を誘惑して身ごもり、生まれた子を偽って克哉に育てさせるのだ。
膨らんだ妄想に佳珠子は身震いした。
ありふれた浮気ではない。
義兄との不義なのだ。
ましてやその子種を受け入れるなど、人の道を外れた許されぬ所業だった。
しかも無謀な企みである。
幸い兄弟の血液型は同じだが、妊娠した日を逆算すれば、克哉の子供でないことは明らかになってしまう。
だが佳珠子の決意は鈍らなかった。
このまま籠の鳥として過去を嬲られ続けるぐらいなら、例え失敗したとしても、女の意地と恐ろしさを知らしめ、克哉を戦慄させてやりたかったからだ。
それに、佳珠子の下腹部に熾った女の情念は、もう鎮められぬほど燃え盛っていた。
浴槽の中で、いつの間にか佳珠子は指で小さな肉芽を弄んでいた。
(ああっ、義兄に犯されるのね・・)
克哉への復讐、そして人として許されない背徳に、佳珠子は湯船の水面を揺らして身悶えるのだった。
夕食は武彦手作りの田舎料理だった。
釣ってきた岩魚と畑で採れた野菜、山菜の和え物などが並んでいる。
不器用そうなわりに、一人暮らしが長いからか、料理の腕前はかなりのものだった。
佳珠子と欣哉は、囲炉裏を間に置いて対座していた。
「義兄さん、この煮物も美味しいです」
「・・そうか」
途切れ途切れにぎこちない会話が続く。
佳珠子を前にして、武彦は所在なさそうに髭ばかり撫でている。
一つ屋根の下に、男と女が二人きりでいるのを意識しているのだろう。
ざっと夕立が降り出した。
微かに遠雷が響いてくる。
武彦はのっそりと座を立つと、雨が吹き込む縁側の窓を閉め始めた。
「閉めると蒸し暑いですね」
佳珠子はそう言うと、着ていたジャケットを脱いでTシャツ姿になった。
座に戻った武彦は、ちらっと佳珠子へ目を遣って顔を強張らせた。
体にぴったりと貼りついた薄手のTシャツには、ブラジャーをつけていない乳房が、くっきりと豊かな膨らみを写していた。
尖った乳首はもちろん、乳暈の色まですっかり布地に浮き出している。
「・・・・」
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