『妻は官能小説家』・・・第七章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第七章
雄士は心の中で毒づいた。
(お前が女に戻ったら、毎晩でも早く帰って来てやるよ)
一人残された雄士は、冷蔵庫から缶ビールを出して苦々しくあおった。
元々美佳は性に淡白で、不感症までは行かないが、結婚する前から性に乱れることがなかった。
あまり男性経験がなかったのか、年上の女にしてはそれが雄士には初々しかった。
生来女好きな雄士は、結婚してから美佳を開発するつもりでいた。
ところが美玖が生まれると、そんな情熱もすっかり醒めてしまった。
そして夫婦は、半年に一度、義理で淡々と体を合わせるセックスレスに転落した。
美佳が育児に忙しい事情もあったが、雄士は母親となった美佳に女を感じなくなったのだ。
(美佳は女であることを諦めたのだ)
妊娠の安定期に入った時、雄士は嫌がる美佳の体を求めた。
異様に迫り出した腹部と真っ黒で巨大な乳首に、雄士は一瞬にして昂ぶりを失った。
雄士は出産後も試みたが、すっかり弾力を失った乳房と妊娠線が残る下腹部を前にすると、どうしても性欲が萎えてしまうのだった。
元々姉さん女房とは、年下の夫にとって母親の役割をも担っている。
さらに身も心も聖母へと変化した美佳に、雄士は性欲を催すこと自体、生理的にできなくなっていたのだった。
つづく・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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