『妻は官能小説家』・・・第六章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第六章
結婚後、美佳は専業主婦となり、姉さん女房の喩え通りに良妻賢母ぶりを発揮した。
年上と言う負い目もあるのか、美佳は常に雄士を立てて従順に仕えた。
そして五年前に娘の美玖を授かってからは、家事と育児を一人で切り盛りしてきた。
深夜のお笑い番組が白々しく流れている。
雄士は罪悪感に苛まれた。
浮気して帰ってきた夜、妻と顔を合わせるほど気まずいことはない。
「美玖は明日も幼稚園だろう。朝、弁当をつくるんだから早く寝た方がいいよ」
雄士は本心を隠して、妻を労わるように優しく声をかけた。
だが美佳は、逆に雄士の罪悪感を逆立てすることを訴えた。
「あ、あなた・・なるべく早く家へ帰ってきて・・体を壊したら大変だし、美玖もあなたがいない夜は寂しそうだし・・」
「何を言うんだ。好きで遅くなっているわけじゃない。会社のつきあいで仕方なく飲んでいるんだ」
苛々した雄士は表情を曇らせた。
「ご、ごめんなさい・・そんなつもりじゃ・・」
「そう聞えるんだよ。不愉快だな。もういいから早く寝ろ」
雄士は声を荒げた。
美佳は泣きそうな顔をして、とぼとぼと寝室への階段を上がって行った。
つづく・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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