『女帝陥落の淫夜』(十一)
『女帝陥落の淫夜』(十一)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
立川の話では、由紀夫の没後、岡平は経営コンサルタントとして夢創社に乗り込んできた。
事実かどうかわからないが、生前から由紀夫が懇意にしていた言う触れ込みだった。
スーパー業界に暗い主婦上がりの恵美は、以後何ごとも岡平に相談するようになった。
もちろん今回の買収話も、岡平が恵美に持ち込んだものだった。
康平は恵美の隣で買収案件の説明を聞きながら、岡平の胡散臭さを拭うどころか、いっそうその思いを深めていった。
「・・そういうわけで正式な契約は、売り手の整理もありますから、七月一日ということにしましょう」
「わかりました」
恵美が承諾すると、再び岡平は手を取って愛撫を施すかのように摩った。
康平はかっと頭に血が上るのを覚えた。
(くそっ、こいつ殴ってやろうか)
そう思いかけて康平ははっとした。
恵美の手を握る岡平を嫉妬する自分に気づいたからだった。
康平は慌てて感情を掻き消した。
いくら秘書として毎日仕えているとは言え、恵美は八歳も年上で、昨年夫を亡くしたばかりの未亡人だ。
いくら熟女マニアの康平でも、それだけは許されない想いだった。
打ち合わせが終わると、岡平は恵美を食事へ誘った。
恵美は切なげな瞳で何故か康平を見た。
だがすぐに瞳を閉じると、少女のように顔を赤らめて岡平の申し出に小さく頷いた。
恵美は康平の顔を見ずに命じた。
「秋葉君、車を使っていいから先に帰りなさい」
「し、しかし・・」
「いいから、言う通りにしなさい」
「・・はい」
康平は、岡平に恵美を委ねることに焦燥感を覚えた。
だが社長命令には逆らえない。
岡平の顔を睨みつけると、恵美を残して渋々と事務所を後にした。
つづく…
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スーパー業界に暗い主婦上がりの恵美は、以後何ごとも岡平に相談するようになった。
もちろん今回の買収話も、岡平が恵美に持ち込んだものだった。
康平は恵美の隣で買収案件の説明を聞きながら、岡平の胡散臭さを拭うどころか、いっそうその思いを深めていった。
「・・そういうわけで正式な契約は、売り手の整理もありますから、七月一日ということにしましょう」
「わかりました」
恵美が承諾すると、再び岡平は手を取って愛撫を施すかのように摩った。
康平はかっと頭に血が上るのを覚えた。
(くそっ、こいつ殴ってやろうか)
そう思いかけて康平ははっとした。
恵美の手を握る岡平を嫉妬する自分に気づいたからだった。
康平は慌てて感情を掻き消した。
いくら秘書として毎日仕えているとは言え、恵美は八歳も年上で、昨年夫を亡くしたばかりの未亡人だ。
いくら熟女マニアの康平でも、それだけは許されない想いだった。
打ち合わせが終わると、岡平は恵美を食事へ誘った。
恵美は切なげな瞳で何故か康平を見た。
だがすぐに瞳を閉じると、少女のように顔を赤らめて岡平の申し出に小さく頷いた。
恵美は康平の顔を見ずに命じた。
「秋葉君、車を使っていいから先に帰りなさい」
「し、しかし・・」
「いいから、言う通りにしなさい」
「・・はい」
康平は、岡平に恵美を委ねることに焦燥感を覚えた。
だが社長命令には逆らえない。
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