『女帝陥落の淫夜』(四)
『女帝陥落の淫夜』(四)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
重要ポストと言っても社長秘書室には、役員である室長の立川義男と康平の二人しかいない。
立川は夢創社の経営戦略を担当しているが、駆け出しの康平は、名実ともに社長秘書、悪く言えばかばん持ちだった。
青いシーツの上で、海老のように背を丸めた瀬奈のヒップを康平は軽く撫でた。
「怒るなよ、仕事なんだから仕方ないだろう」
「私と仕事とどっちが大事なの?」
(仕事だよ)
喉まで出かかった言葉を康平は懸命に呑み込んだ。
康平は興ざめした気持ちを奮い立たせて瀬奈を慰めた。
「社運を賭けた重要議案が、明日の役員会で検討されるんだ」
「ふ~ん、東京の店舗買収の話ね」
「良く知っているね。五億円の投資話だ。下手をすれば会社の屋台骨が揺らぐ」
「でも噂では、社長は買う気でいるんでしょう?」
「だが役員は全員反対だ。立川室長も首を傾げている」
社長秘書でありながら、康平もこの投資話には少なからず胡散臭さを感じていた。
物件は、東京都葛飾区の新小岩駅付近にある中型店舗で、経営再建のために埼玉のスーパーが手放すものだった。一度社長について康平も現地へ視察に行ったが、とても五億円の価値がある店舗とは思えなかった。
やや機嫌を直した瀬奈は、康平の胸に顔を埋めて言った。
「でもあの女社長は、こうと決めたら梃子でも動かないでしょうね」
「・・ああ、たぶんね」
女の勘は鋭い。
いくら役員全員が反対しても、ワンマン女社長の椎名恵美は、強引に投資案件を通してしまうだろう。
つづく…
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青いシーツの上で、海老のように背を丸めた瀬奈のヒップを康平は軽く撫でた。
「怒るなよ、仕事なんだから仕方ないだろう」
「私と仕事とどっちが大事なの?」
(仕事だよ)
喉まで出かかった言葉を康平は懸命に呑み込んだ。
康平は興ざめした気持ちを奮い立たせて瀬奈を慰めた。
「社運を賭けた重要議案が、明日の役員会で検討されるんだ」
「ふ~ん、東京の店舗買収の話ね」
「良く知っているね。五億円の投資話だ。下手をすれば会社の屋台骨が揺らぐ」
「でも噂では、社長は買う気でいるんでしょう?」
「だが役員は全員反対だ。立川室長も首を傾げている」
社長秘書でありながら、康平もこの投資話には少なからず胡散臭さを感じていた。
物件は、東京都葛飾区の新小岩駅付近にある中型店舗で、経営再建のために埼玉のスーパーが手放すものだった。一度社長について康平も現地へ視察に行ったが、とても五億円の価値がある店舗とは思えなかった。
やや機嫌を直した瀬奈は、康平の胸に顔を埋めて言った。
「でもあの女社長は、こうと決めたら梃子でも動かないでしょうね」
「・・ああ、たぶんね」
女の勘は鋭い。
いくら役員全員が反対しても、ワンマン女社長の椎名恵美は、強引に投資案件を通してしまうだろう。
つづく…
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