「肉形見」 最終章・・・(紅殻格子)
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「肉形見」
二十六・
兄嫁の由紀と結ばれてから数日が経った。
毎夜泰治と絹江が寝静まるのを見計らって、由紀は武彦の体を求めて部屋に忍んで来た。
まだ二人は表向き兄嫁と弟の関係のままだったが、熟れきった由紀の体は、不貞な肉茎でも食らわずにはいられないようだった。
武彦も由紀の肉体に溺れることで、東京に戻りたい気持ちを徐々に殺ぎ落としていった。
その夜も、由紀は武彦の部屋を訪れた。
早くも抱きすがる由紀を置いて、尿意を催した武彦はトイレへ向かった。
途中、泰治と絹江の寝室の前を通ると、照明の消えた部屋からヒソヒソ声が聞こえた。
「今夜も乳繰り合っているのか」
と泰治の声。
「ええ、若いですからね」
絹江がのんびりした声で答える。
「どうやら二人の相性はいいみたいじゃな。万事お前の計算通りだ」
「由紀はよくできた嫁です。あの娘以外に平尾家の嫁は考えられませんからね」
「それと武彦を東京から呼び戻すには、二人を結婚させるしか方法がないからの。武彦の友達の浅沼君に相談したのが良かったわ。武彦に由紀の入浴姿を覗かせるとは考えつかなかった」
「そうですねぇ。その後この家で二人きりにされれば、なるようにしかなりませんから」
「だが結果的に母さんの電話が効いたんだと思うがな」
「由紀も可哀想ですからね。 智彦が亡くなってから、毎晩のようにあの娘は寝る前に独りで体を慰めていましたから。その声が聞こえるたびに私は切なくて心苦しくてね。 だから由紀が寝る間際に武彦を台所へ行かせれば、廊下越しに由紀の声を聞くと確信していたんですよ」
「まあ、上手くことは運んだが、これで武彦は帰ってくるのかな?」
「ええ、あの子もきっかけが欲しかったんですよ。 これで家も由紀も一番いい形に収まったわけですから、智彦も浮かばれると思いますよ」
武彦はそっと両親の部屋の前を離れた。
(これが種明かしか……)
武彦は一人心の中で苦笑いした。
両親に心の中まで見透かされ、武彦は己の幼さを改めて思い知らされた。
確かに武彦は心のどこかでこうなることを待ち望んでいたのかもしれない。
明日、泰治と絹江に全てを打ち明けようと武彦は決心した。
ならば今夜が由紀を兄嫁として抱ける最後である。
武彦は部屋で待っている由紀を、夜を徹して責めてやろうと考え、薄く笑った。
閉 幕。
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
『色褪せぬ薔薇』が携帯小説サイトにて配信中です。
『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
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兄嫁の由紀と結ばれてから数日が経った。
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まだ二人は表向き兄嫁と弟の関係のままだったが、熟れきった由紀の体は、不貞な肉茎でも食らわずにはいられないようだった。
武彦も由紀の肉体に溺れることで、東京に戻りたい気持ちを徐々に殺ぎ落としていった。
その夜も、由紀は武彦の部屋を訪れた。
早くも抱きすがる由紀を置いて、尿意を催した武彦はトイレへ向かった。
途中、泰治と絹江の寝室の前を通ると、照明の消えた部屋からヒソヒソ声が聞こえた。
「今夜も乳繰り合っているのか」
と泰治の声。
「ええ、若いですからね」
絹江がのんびりした声で答える。
「どうやら二人の相性はいいみたいじゃな。万事お前の計算通りだ」
「由紀はよくできた嫁です。あの娘以外に平尾家の嫁は考えられませんからね」
「それと武彦を東京から呼び戻すには、二人を結婚させるしか方法がないからの。武彦の友達の浅沼君に相談したのが良かったわ。武彦に由紀の入浴姿を覗かせるとは考えつかなかった」
「そうですねぇ。その後この家で二人きりにされれば、なるようにしかなりませんから」
「だが結果的に母さんの電話が効いたんだと思うがな」
「由紀も可哀想ですからね。 智彦が亡くなってから、毎晩のようにあの娘は寝る前に独りで体を慰めていましたから。その声が聞こえるたびに私は切なくて心苦しくてね。 だから由紀が寝る間際に武彦を台所へ行かせれば、廊下越しに由紀の声を聞くと確信していたんですよ」
「まあ、上手くことは運んだが、これで武彦は帰ってくるのかな?」
「ええ、あの子もきっかけが欲しかったんですよ。 これで家も由紀も一番いい形に収まったわけですから、智彦も浮かばれると思いますよ」
武彦はそっと両親の部屋の前を離れた。
(これが種明かしか……)
武彦は一人心の中で苦笑いした。
両親に心の中まで見透かされ、武彦は己の幼さを改めて思い知らされた。
確かに武彦は心のどこかでこうなることを待ち望んでいたのかもしれない。
明日、泰治と絹江に全てを打ち明けようと武彦は決心した。
ならば今夜が由紀を兄嫁として抱ける最後である。
武彦は部屋で待っている由紀を、夜を徹して責めてやろうと考え、薄く笑った。
閉 幕。
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※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
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