「男の居場所」 第三章・・・(紅殻格子)
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「男の居場所」
三・
水上は唖然とした。
あの海千山千の代理店社長たちが、こんな若造支店長に陥落させられるとは、にわかに信じられなかった。
しかし老練な相手ほど、谷崎のような正論で押す営業に弱いのかもしれない。
(しまった、嵌められた)
谷崎はわざと水上に大言壮語をはかせるよう挑発したのだ。
それを鮮やかに切り返すことで、目の上のたんこぶだった水上を封じ込める狙いだったに違いない。
時すでに遅し。完全な敗北だった。
「……申し訳ない」
水上は谷崎に頭を下げた。
声が震えているのが自分でもわかった。
無論、半分は谷崎への怒りだ。
だが残り半分は谷崎の言う通り、水上の営業が通用しなかった事実への動揺だった。
接待してくれる金があるのなら、その分値段を下げろという世知辛い時代だ。
今は人間関係より、一円でも安いことが美徳の世の中なのかもしれない。
「まあ、水上さん。もう少し時代の流れを見据えられた方がいいですよ」
谷崎は俯いたままの水上へ、嫌味ともとれるアドバイスをした。
福岡への左遷は、自分の能力が衰えたのではなく、派閥のしがらみが原因だと水上は思っていた。
実力さえあれば、すぐに本社へ戻れるだろうと高を括っていた。
しかし今夜の会議で、そんな自惚れは打ち砕かれた。
水上は定年まで約十年を残し、自分の居場所が会社にないことを始めて悟った。
つづく・・・
・・・・・・ お知らせ ・・・・・
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『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)
※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは?
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※
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水上は唖然とした。
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今は人間関係より、一円でも安いことが美徳の世の中なのかもしれない。
「まあ、水上さん。もう少し時代の流れを見据えられた方がいいですよ」
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実力さえあれば、すぐに本社へ戻れるだろうと高を括っていた。
しかし今夜の会議で、そんな自惚れは打ち砕かれた。
水上は定年まで約十年を残し、自分の居場所が会社にないことを始めて悟った。
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