2ntブログ

「肉形見」第二十三章・・・(紅殻格子)

  ※ 小説を読まれる方へ・・・
    更新記事は新着順に表示されますので小説を最初から順追って
    お読みになりたい方は、左のカテゴリー(各小説)を選択していただければ
    第一章からお読みいただけるようになっております

            「肉形見」

二十三・

八畳の和室は兄が生きていた頃のままだった。
由紀が嫁入りで持ってきた桐の和箪笥と化粧台、
智彦が使っていた机、そして寂しく敷かれた一組だけの布団。

しかし布団に由紀はおらず、唯一若夫婦の部屋らしい雰囲気のある、
壁際に置かれたラブ・ソファに座っていた。

武彦は瞬きするのも忘れて、じっと兄嫁の姿に見入った。
由紀は薄いピンク色のパジャマを着ていたが、
上着のボタンは全て外されて乳房が丸見えになっている。

その丸い肉球は、由紀の掌で揉みしだかれて卑猥に歪んでいる。
そして時折指先で乳首を摘んで切ない吐息をつく。

もう一方の手はパジャマのズボンの中に潜っている。
股間でもぞもぞ動く手に合わせて、由紀は両脚を開いたり閉じたりしている。

「あっ、いい・・・」

由紀の声が一際大きくなった。
激しく息を荒げながら、頬をほんのり赤く染めている。

眉間に皺を寄せ、瞳を閉じ、口唇を半開きにした艶かしい表情で喘ぐ。
武彦は足が震えた。 
あの義姉が自慰をしている!
兄に抱かれている姿が想像できないほど、由紀は性の匂いが薄い女だった。

その真面目で実直、控え目で大人しい由紀が、
今、目の前でパジャマをはだけて喘いでいる。
思わず武彦は目を閉じた。
智彦が逝ってから、二年、無理もないかもしれない。

由紀の女盛りの体を鎮めてくれる人はどこにもいないのだ。
しかし由紀はまだ三十歳を過ぎたばかり。

これから先、三十年近い女としての人生を、
その指先だけで誤魔化すつもりだろうか?
不意に武彦の脳裏に兄の言葉が過ぎった。

「親父とお袋を頼む・・・」

智彦は苦しい息の中、武彦を枕元に呼んで遺言した。
そしてその後、じっと潤んだ目でしばらく見つめ、
かすれた小さな声で武彦に言ったのだ。

「・・・・・・由紀を頼む」

武彦は忘れていた智彦の言葉を反芻した。
兄は年老いた両親とともに、愛妻の由紀を委ねようとしていたのだ。

自分が死んだ後、それが平尾家のために、
最良の選択肢だと考えていたのかもしれない。

つづく・・・

       ・・・・・・ お知らせ ・・・・・

『色褪せぬ薔薇』が携帯小説サイトにて配信中です。

『色褪せぬ薔薇』 作品紹介・・・・(電子書籍「遊スタ」より引用)

※ 来年60歳になる秀明は住宅用建材メーカーの重役で、25年前は仙台支社にて営業をしていた。単身赴任で仙台にやってきた秀明は、やがて同僚の葉子と社内不倫の関係を持つようになり、夜毎、互いに体を貪り合い、熱い情事を繰り返した。 だが、秀明が東京の本社へと戻ったことをきっかけに、ふたりは別れ離れになってしまう。 久しぶりに、仙台を訪れた秀明は、彼女に会うことにするが、そこで部下から知らされた葉子の衝撃的な事実とは? 
愛に包まれた感動のエピローグに乞うご期待!※

電子書籍「遊スタ」←携帯電話でご覧頂いている方は、そのままクリックでお入りいだだけます。

パソコンでご覧頂いている方には、大変、申し訳ありませんが電子書籍「遊スタ」は携帯電話からでないと入れません。
お手数ですが携帯電話にて「遊スタ」→カテゴリ「官能小説」→「色褪せぬ薔薇」と検索してください。

[妄想の囲炉裏端]~掲示板~
~にほんブログ村 恋愛小説~(愛欲)
~FC2 人妻・熟女官能~
~愛と官能の美学~
~女たちの性書~
~人気ブログランキング 愛と性~
BlogPeople「芸術・文学/読書中毒」
BlogPeople「恋愛・セックス/大人の話」
エッチな告白体験談ブログ
読み物交差点

theme : 人妻・熟女
genre : アダルト

comment

Secret

プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご挨拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
※ 小説を読まれる方へ・・・   更新記事は新着順に表示されますので、小説を最初からお読みになりたい方は、各カテゴリーから選択していただければ、第一章からお読みいただけます。
最近の記事
FC2カウンター
最近のコメント
データ取得中...
ブログ内検索
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ フィードメーター - 『妄想の座敷牢』~官能小説家、紅殻格子の世界~
アクセスランキング
ご訪問ありがとうございます。
ランダムでブログを紹介
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

携帯からご覧いただけます
QR
FC2ブックマーク
RSSリンクの表示
FC2ブログランキング
 あと一歩のを目指して…
 日々頑張って書いています

応援よろしくお願いします
FC2官能小説ランキング入り口 
FC2官能小説ランキング入り口
にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
PVアクセスランキング にほんブログ村
人気ブログランキング
        
人気ブログランキングへ
ジャンル別リンクサイト様
【夫婦性活ブログ】
 
熟女PUREの冒険
【男性主催ブログ】

寝取られ話ファイル~奥さん寝取られ話集~
相互リンクサイト様
※「妄想の座敷牢」はリンクフリーです。 また相互リンクを希望される方は、メールフォームorコメント欄で連絡をいただければ検討させて頂きます。 ※ただし商用目的だけのサイト及び有料アダルトサイトに誘導する目的のサイトは、こちらにお越しくださる皆様のご迷惑となりますのでお断りさせて頂きます。
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク用バーナー
妄想の座敷牢8

妄想の座敷牢7

妄想の座敷牢9

妄想の座敷牢4

妄想の座敷牢6

妄想の座敷牢5