2ntブログ

『闇に抱かれて』  第四章

『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説

(四)

智彦は煙草の火を消すと、美也子の乳房を鷲づかみにした。

「あっ、何をするの!」

美也子は小さく叫んで手を振り解こうとした。それには構わず智彦は、助手席の美也子を横から覆い被さるように押さえ込み、機先を制して口唇を重ねた。

「う、んんん…」

口唇を吸ううちに、美也子は抗う力を失っていった。
智彦は再び柔らかな乳房を掌中に収めると、セーターの上から丹念に揉みしだいた。

「ううん」

舌先を絡めたまま、美也子が小さな喘ぎを漏らした。
それを見計らっていた智彦は、名残惜しげにゆっくりと口唇を離した。

うっとりと潤んだ美也子の瞳に、緑色にしたパネルの光が滲んでいる。

「もう、こんなところで…他人に見られたらどうするの?」

美也子は声を甘く潤ませて言う。

「大丈夫だよ。深夜こんなところに来る人はいないさ。車もほとんど通らないしね」

「でも、家の方がゆっくりできるのに」

「たまには刺激が必要なんだよ」

智彦はそう言い訳をして、美也子のセーターを捲り上げた。
車に乗るだけだと思っていたからか、美也子はノーブラだった。

豊かな膨らみがブルンと震え出た。
緑色の光を浴びた乳房は、滑らかな球面をエメラルドのように輝かせていた。

かつては巨乳グラビア・アイドルさながら、重力に反してぐっと迫り上がっていた美乳も、子供を産んだ今は、やや垂れ気味でしゃくれた形に変わっていた。

だが智彦には、完璧な半球形の乳房よりも、生活感が滲み出た今の乳房の方が魅力的に思えた。
先端につんと突き出した大きめな乳首が、いじましいほど愛らしかった。
つづく…

皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2官能小説集結 にほんブログ村 恋愛・愛欲小説 人気ブログ「官能小説」ランキング 

「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る

関連記事

theme : 本格官能小説 
genre : アダルト

『闇に抱かれて』 第三章

『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説

(三)

家から十分ほど走ると、幹線道路を外れて横浜港の埠頭へ続く道に入った。
車はオレンジ色の照明が夜空を焦がす埠頭を掠め、暗く殺風景な倉庫街へと進んで行く。
通行人はもとより行きかう車もない。

「ドライブにしては寂しいところね」

「たまには二人きりになれるところもいいだろう」

「二人きり?嫌だ、美彦が寝ればいつも二人きりじゃない。何か変よ…」

美也子は訝しげな顔をして呟いた。

倉庫街の裏手にこんもりとした木々が見えた。
無人の倉庫に囲まれた五百坪ほどの小さな公園だった。

周囲は人の背丈ぐらいの垣根に覆われ、街灯が四本ばかり心寂しく滑り台とブランコを照らしている。

「あら、住宅もないこんなところに公園があるわ」

「ほう、珍しいな。でも倉庫で働く人が、昼の弁当を食べるのには良さそうだな」

すでに何度か下見をしていたのだが、あたかも偶然を装うように驚き、智彦は、公園の入り口に近い暗がりの道に、助手席側を夾竹桃の垣根に接して車を停めた。

「…あなた?」

美也子の問いかけには答えず、智彦は気づかれないように周囲を確認した。

公園に人影はなかった。近くに停まっている車もない。
倉庫街なので道幅は広いが、裏通りに当たるため、まず他の車が通行する可能性も薄い。

また三百メートルほど走れば、幹線道路に通じており、もし暴走族が現れたとしても、すぐに逃げ出すことができる。
エンジンをかけたままの状態で、智彦はヘッドライトを消した。

社内は仄暗い闇に包まれた。

公園の明かりは垣根に遮られ、エアコンの操作パネルとオーディオだけが、冷たい緑の蛍光色を車内に燈していた。
智彦は再び煙草に火をつけた。

「こんなところで車を停めてどうするの?」

美也子は辺りを見回しながら、責めるような口調で聞いた。
闇の中、小さな緑の燈火が、不安そうな美也子の表情を浮かび上がらせている。

同時に、豊かな乳房が深い陰翳の中で緑の光りを浴び、柔らかなセーターを誇らしげに隆起させていた。
つづく…

皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2官能小説集結 にほんブログ村 恋愛・愛欲小説 人気ブログ「官能小説」ランキング 

「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る

関連記事

theme : 妄想の座敷牢
genre : アダルト

『闇に抱かれて』 第二章

『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説

(二)

澄み切った月の光が、深夜の住宅街に冷たく降りそそいでいる。
寝静まった家々と人通りのない舗道が、幽かに青白く浮かび上がって見える。

都築智彦は、フロントガラスに冴えた月を映しながら、ワンボックスカーを走らせていた。
普段と変わらない安全運転だが、口にくわえた煙草は忙しく火球が踊っている。

住宅街から幹線道路へ抜ける交差点で、智彦は車を停めて信号が変わるのを待った。

「ねえ、ちょっと寒いわ」

助手席の妻、美也子が言った。

「ああ、さすがに夜は冷えるな」

操作パネルに手を伸ばしてエアコンを付けた智彦は、横目でちらっと美也子を見た。

結婚して十二年。
飽きるほど長く夫婦を続けているが、意識して妻の顔を見るのは久しぶりだった。

出会った頃には幼く見えた童顔も、三十路の半ばに至って、遅咲きの色香を放ち始めている。
くりくりした円らな瞳とちょっと低めの鼻梁、そしてピンクのミニバラにも似た愛らしい口唇が、肩まで伸びた栗色の髪に映えている。

車はネオンが残る幹線道路へ滑り出した。
午前零時。外食チェーン店とコンビニばかりが、路上に店内の明かりを映している。

「あなた、コンビニ通り過ぎたわよ」

美也子が後ろを振り向きながら言った。

「…いいんだ、別に」

「いいんだって、コンビニへ煙草を買いに来たんでしょ?」

小学五年生になる息子の美彦が寝た後、智彦は煙草を買いに行くのにつきあえと、美也子を誘ったのだった。

「コンビニは逃げたりしないさ。明日は会社も休みだし、たまには夫婦で深夜のドライブとしゃれこむのもいいだろう?」

「若いカップルじゃあるまいし…変な人」

少しはにかんだ表情をして、美也子は首を傾けてクスクスと笑った。
満更でもない妻の態度に智彦は安堵した。

煙草を買うのは深夜のドライブに連れ出す口実に過ぎない。
智彦の胸中に秘めた真の目的は、この車の中で美也子に裸身を晒させることだった。
つづく…

皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2官能小説集結 にほんブログ村 恋愛・愛欲小説 人気ブログ「官能小説」ランキング 

「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る

関連記事

theme : 今夜のおかず
genre : アダルト

『闇に抱かれて』 第一章 

 闇に抱かれて

欲望を我慢していたのか、口唇を重ねると狂ったように舌先を押し込んできた。
(これが美也子か)智彦は心中でうめいた。

『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説

(一)

『夫婦交際♂♀出会いのホームページ』
― カップルからの掲示板 ―

NO.3510  2003年11月××日
★妻の痴態を覗いてください
投稿者 中年夫婦

『初めまして。横浜に住む♂三十八歳(会社員)♀三十五歳(専業主婦)の平凡な夫婦です。
子供が小学校高学年に上がり、慌しかった子育てもやっと一段落しました。

しかしふと気がつくと、肝心な夜の夫婦生活はセックスレス寸前。
そこで新しい刺激を求めて投稿を決意しました。

いつか3Pを、と熱望する私ですが、今はまだ真面目な妻を説得できずにいます。
少しずつ時間をかけて、妻を淫らな女にしていこうと思っています。

そこで第一弾。
初めての試みなのですが、妻を車で外に連れ出し、カーセックス(最後までは無理でしょうが…)こっそり覗いてくれる単独男性を募集します。

妻は子供を産んで体の線は多少崩れていますが、乳房が大きいぽっちゃりタイプの熟女です。
なにぶんにも初心者ですので、焦らず末永くお付き合いくださる近隣の方、ご返信を宜しくお願いします。』

NO.3510-1  2003年11月××日
返信―優しくリードします
投稿者 浜っ子

『横浜在住の四十二歳独身です。何度か3Pの経験があります。
お任せ戴ければ、必ず奥様を淫らな女に変身させてみせます。

ペニスは大きく、体力には自信があります。ご主人の目の前で、奥様を悶え狂わせることをお約束します。
ちなみに身長一八○センチ・体重八十キロです。宜しく。』

NO.3510-2  2003年11月××日
返信―覗き大好き男です
投稿者 壁の穴

『川崎に住む三十三歳既婚者です。
結婚後も妻の体に見向きもせず、趣味の覗きに精進しています。

暗闇・遠距離にも対応できる超望遠赤外線カメラで、ご夫婦の営みをあますところなく盗み撮りします。
宜しくお願いします。』

NO.3510-3  2003年11月××日
返信―熟女に憧れる大学生です。
投稿者 晶

『横浜市に住む十八歳の大学生です。
田舎から上京して寂しいアパート暮らしをしています。

母親に甘やかされて育ったせいか、一人暮らしを始めてからは、年上の女性への憧れが募るばかりです(マザコン?)

身長一七五センチ・体重六十キロ。趣味はテニスですが、体力的にはあまり自信がありません。
女性経験は風俗だけです。

勿論、覗きも3Pも経験したことがありません。
書けば書くほど頼りない感じですが、一生懸命がんばりますのでお誘い下さい。』

つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2官能小説集結 にほんブログ村 恋愛・愛欲小説 人気ブログ「官能小説」ランキング 

「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る

関連記事

theme : 今夜のおかず
genre : アダルト

『再びの夏』 最終章

『再びの夏』(二十三)
FC2 R18官能小説

(二十三)

邦彦は、ワインを飲みながら由紀子の話を聞いてくれた。

「ふ〜ん、ご主人が早期退職するの」

「ええ、聞いた途端に目の前が真っ暗になっちゃった」

「まあ、早期退職しなくても、いつかは会社をリタイアする日はくるけどね」

「でもこれから死ぬまで、あの人とずっと一緒にいるのかと思うと地獄よりつらいわ」

由紀子はほうっと大きくため息をついた。
邦彦はしばらく考え込んでいたが、にっこり笑って思いがけないことを言った。

「それなら由紀子も早期退職すれば?」

「え?」

「つまりさ。ご主人の妻としての仕事を、二十年ばかり早めに辞めさせてもらえばいいじゃないか」

「それって熟年離婚しろってこと?それも考えたけど、老後の生活が…」

邦彦はチッチッと舌打ちして指を振った。

「馬鹿だなぁ。早期退職っていうのは、会社の本音はリストラだけど、建前はご主人が言った通り、第二の人生のスタートを早めに切ることだろう」

「でも第二の人生なんて…ないわ」

「鈍いな。つまりご主人と別れて、僕と一緒に暮らそうってプロポーズしているんだよ」

由紀子はポカンとして邦彦を見つめた。

「…だ、だって、あなたにも奥さんがいるじゃない」

「心配しなくていい。いつかこんな日が来るだろうと思って、妻が浮気している証拠を握っているんだ」

「浮気?」

「ああ、結婚した当初から怪しいと思っていたんだが、妻は声楽の師匠にあたる爺さんの妾みたいなものだったんだ。興信所を雇って調べたら、爺さんとホテルの部屋に入る妻の写真を送って来たよ」

「まあ、酷い」

「でもそれはお互い様だろう。もう両親も死んだし、子供もいないから、誰に気兼ねなく離婚できるってわけだ」

邦彦はワインをグラスから飲み干すと、由紀子の手を握った。

「結婚してくれるだろう?」

「で、でも、私、あなたより十一も年上のお婆さんだし…」

「そんなことは二十六年も前からわかっている。今までは日陰で愛し合ってきたけど、残りの人生は日向で一緒に過ごしたい。明日、ご主人に退職届けを出してくれるね?」

「…はい」

涙で邦彦の顔が歪んで見えた。
向いの部屋で熟睡中の郁夫にはすまないが、これから一緒に邦彦と暮らせるという喜びがこみ上げてきた。

邦彦は由紀子をベッドに誘った。
由紀子は、恥じらう新妻のように、邦彦の胸に顔を埋めた。

「ところで、今夜は元亭主に抱かれたの?」

「え?ええ…まあ…」

「僕を裏切って浮気したんだ」
「浮気だなんて…のしかかってきて、勝手に一人でいっちゃっただけよ」

「でも浮気は浮気だ。妻には最初の躾が肝心だ。今夜は厳しいお仕置きをしてやるから覚悟しろよ」
そう笑いながら言うと、邦彦は由紀子の上に覆い被さってきた。
終わり

皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2官能小説集結 にほんブログ村 恋愛・愛欲小説 人気ブログ「官能小説」ランキング 

「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に戻る
関連記事

theme : 18禁・官能小説
genre : アダルト

プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご挨拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
※ 小説を読まれる方へ・・・   更新記事は新着順に表示されますので、小説を最初からお読みになりたい方は、各カテゴリーから選択していただければ、第一章からお読みいただけます。
最近の記事
FC2カウンター
最近のコメント
データ取得中...
ブログ内検索
あわせて読みたい
あわせて読みたいブログパーツ フィードメーター - 『妄想の座敷牢』~官能小説家、紅殻格子の世界~
アクセスランキング
ご訪問ありがとうございます。
ランダムでブログを紹介
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

携帯からご覧いただけます
QR
FC2ブックマーク
RSSリンクの表示
FC2ブログランキング
 あと一歩のを目指して…
 日々頑張って書いています

応援よろしくお願いします
FC2官能小説ランキング入り口 
FC2官能小説ランキング入り口
にほんブログ村
いつも応援ありがとうございます。
PVアクセスランキング にほんブログ村
人気ブログランキング
        
人気ブログランキングへ
ジャンル別リンクサイト様
【夫婦性活ブログ】
 
熟女PUREの冒険
【男性主催ブログ】

寝取られ話ファイル~奥さん寝取られ話集~
相互リンクサイト様
※「妄想の座敷牢」はリンクフリーです。 また相互リンクを希望される方は、メールフォームorコメント欄で連絡をいただければ検討させて頂きます。 ※ただし商用目的だけのサイト及び有料アダルトサイトに誘導する目的のサイトは、こちらにお越しくださる皆様のご迷惑となりますのでお断りさせて頂きます。
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク用バーナー
妄想の座敷牢8

妄想の座敷牢7

妄想の座敷牢9

妄想の座敷牢4

妄想の座敷牢6

妄想の座敷牢5