『闇に抱かれて』 第十五章
『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説
(十五)
雨の降りしきる深夜、智彦はいつも通りに倉庫裏の公園近くに車を停めた。
灰暗い蛍光緑色の闇の中、遠く港を照らすオレンジ色の照明が、フロントガラスに滲んで幻想的な雰囲気を醸し出している。
助手席の美也子が、窓の曇りを指でなぞりながら言った。
「この雨、明け方には雪になるみたいよ」
グレイのトレーナーと、両脚にフィットしたベージュ系のパンツを穿いた美也子は、どこか落ち着かない表情をしていた。
「今夜はこの冬一番の冷え込みらしいよ。でも年の暮れはこんなもんだよ」
クリスマスにちなんだ歌のフレーズを口ずさみながら、智彦は早速トレーナーの裾から手を滑り込ませた。
美也子の肌は温かくて心地よかった。
重みのある乳房を掌に載せると、小さくたわんでゼリーのように震えた。
「ねえ、あなた」
いつもならここで吐息を漏らすはずの美也子だが、今夜はまだ悦楽の波に身を委ね損なっているようだった。
「どうした具合でも悪いのか?」
「ううん、あの、別に変な意味じゃないんだけど、今夜も彼は来るのかしら?」
美也子は頻りに窓の外を気にした。
晶の存在に美也子が気づいてから、今回でもう三回目の野外夫婦生活になる。
そのいずれにも晶はかぶりつきで参加した。
晶が危害を加えないとわかると、美也子も彼を挑発するかの如く大胆に振る舞うようになった。
助手席でお尻を付き出して自慰をしたり、晶が覗いている窓ガラスに秘唇を押し当てたりもした。
智彦は煙草に火を点けた。
「来ないだろう。こんな天気じゃ、覗く前に凍死してしまうよ」
「それならいいんだけど…」
美也子はほっとしたような、それでいて少し寂しそうな顔をした。
その時、雨音に混じってバイクのエンジン音が聞こえた。
車の後ろにバイクを停め、駆け寄ってくる人影がルームミラーに写った。
「あの子、来たんじゃないの?」
「ああ、お前の体を拝めるなら凍死も辞せずか…まるで覗きの決死隊だな」
「もう、あなたったら…」
女子中学生のように恥じらいつつ、美也子は智彦に抱きついて口唇を重ねて来た。
晶は助手席の窓から智彦に会釈した。
智彦は美也子に気づかれないように、右手を少し持ち上げて親指を立てた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
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雨の降りしきる深夜、智彦はいつも通りに倉庫裏の公園近くに車を停めた。
灰暗い蛍光緑色の闇の中、遠く港を照らすオレンジ色の照明が、フロントガラスに滲んで幻想的な雰囲気を醸し出している。
助手席の美也子が、窓の曇りを指でなぞりながら言った。
「この雨、明け方には雪になるみたいよ」
グレイのトレーナーと、両脚にフィットしたベージュ系のパンツを穿いた美也子は、どこか落ち着かない表情をしていた。
「今夜はこの冬一番の冷え込みらしいよ。でも年の暮れはこんなもんだよ」
クリスマスにちなんだ歌のフレーズを口ずさみながら、智彦は早速トレーナーの裾から手を滑り込ませた。
美也子の肌は温かくて心地よかった。
重みのある乳房を掌に載せると、小さくたわんでゼリーのように震えた。
「ねえ、あなた」
いつもならここで吐息を漏らすはずの美也子だが、今夜はまだ悦楽の波に身を委ね損なっているようだった。
「どうした具合でも悪いのか?」
「ううん、あの、別に変な意味じゃないんだけど、今夜も彼は来るのかしら?」
美也子は頻りに窓の外を気にした。
晶の存在に美也子が気づいてから、今回でもう三回目の野外夫婦生活になる。
そのいずれにも晶はかぶりつきで参加した。
晶が危害を加えないとわかると、美也子も彼を挑発するかの如く大胆に振る舞うようになった。
助手席でお尻を付き出して自慰をしたり、晶が覗いている窓ガラスに秘唇を押し当てたりもした。
智彦は煙草に火を点けた。
「来ないだろう。こんな天気じゃ、覗く前に凍死してしまうよ」
「それならいいんだけど…」
美也子はほっとしたような、それでいて少し寂しそうな顔をした。
その時、雨音に混じってバイクのエンジン音が聞こえた。
車の後ろにバイクを停め、駆け寄ってくる人影がルームミラーに写った。
「あの子、来たんじゃないの?」
「ああ、お前の体を拝めるなら凍死も辞せずか…まるで覗きの決死隊だな」
「もう、あなたったら…」
女子中学生のように恥じらいつつ、美也子は智彦に抱きついて口唇を重ねて来た。
晶は助手席の窓から智彦に会釈した。
智彦は美也子に気づかれないように、右手を少し持ち上げて親指を立てた。
つづく…
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