『闇に抱かれて』 第十六章
『闇に抱かれて』
FC2 R18官能小説
(十六)
智彦は美也子の耳元で囁いた。
「おい、少年を見てみろ。傘もささずに頭からびしょ濡れだぞ。震えているよ」
「え、やっぱり…?大丈夫かしら」
美也子は、晶が来ることを半分期待しつつも、真冬の寒さで風邪をひくのを心配していたらしい。
智彦と抱き合いながらも、終始外の晶が気になって仕方ない様子だった。
コホンと智彦は咳払いをして言った。
「あれじゃ肺炎は間違いなしだ。可哀想だから少年を車に入れてやろうか」
一瞬美也子の体が強ばって瞳が揺れた。
「で、でも…」
「平気だろう。悪い奴じゃないみたいだし、このまま放って置くわけにもいかないよ」
「…し、仕方ないわね。あなたがそうしたいのなら…」
智彦はオートロックを解除して、後部座席に乗るように指で指示した。
ドアがスライドして、ルームライトが緑色の闇を破った。
頭からずぶ濡れの晶は寒さに震えていた。
「も、申し訳ありません…」
再び閉ざされた灰暗い闇の中、後部座席に座った晶は、かちかちと歯を鳴らしながらやっとそれだけを言った。
「まったく…君が僕ら夫婦を覗いているのは知っていたけど、何もこんな夜にまで来なくてもいいんじゃないか。そんなに妻の裸が見たかったのか?」
「あ、あなた、何を言うの?」
美也子は慌てて智彦の言葉を遮った。
「少年、妻のオマンコが見たいだろう?」
「…はい、おっしゃる通りです」
晶は消え入りそうな声で謝り、恥ずかしそうに俯いた。
すると美也子も、今までふしだらな痴態を晒してきた晶の告白に、羞恥の表情を隠すように俯いてしまった。
「おい、何か拭くものを貸してやれよ」
「拭くものって…あ、美彦がサッカーの練習に持っていくバックが積んであるわ」
美也子は助手席から後部座席に移ると、運転席の後ろにあるバックを開け、中からスポーツタオルを取り出した。
「まあ、震えが止まらないじゃないの。本当に凍え死んじゃうわよ」
気が動転しているのか、タオルを渡せばいいだけなのに、美也子は自分の子供を扱うように、晶の隣に座って頭を拭き始めた。
「す、済みません、奥さん」
「もう、本当におバカさんね。体が冷え切っているじゃない」
美也子は悪戯っ子に手を焼く母親に変わっていた。
「あなた、着ている服がずぶ濡れだわ」
「仕方ないな…濡れている服を脱がせろ。後部座席のエアコンをつけるから、濡れている服を乾かしてやってくれ」
「え?ええ…」
躊躇う素振りを見せながらも、隣でがたがた震える晶が放って置けず、美也子は皮ジャンを後部座席の背もたれに広げて干した。
「あら、中のシャツまでびしょ濡れだわ」
「いえ、このぐらい大丈夫です」
「だめだ。濡れた服を着ているのが、風邪をひく一番の原因になるんだ」
智彦は有無も言わさない口調で命じた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
FC2 R18官能小説
(十六)
智彦は美也子の耳元で囁いた。
「おい、少年を見てみろ。傘もささずに頭からびしょ濡れだぞ。震えているよ」
「え、やっぱり…?大丈夫かしら」
美也子は、晶が来ることを半分期待しつつも、真冬の寒さで風邪をひくのを心配していたらしい。
智彦と抱き合いながらも、終始外の晶が気になって仕方ない様子だった。
コホンと智彦は咳払いをして言った。
「あれじゃ肺炎は間違いなしだ。可哀想だから少年を車に入れてやろうか」
一瞬美也子の体が強ばって瞳が揺れた。
「で、でも…」
「平気だろう。悪い奴じゃないみたいだし、このまま放って置くわけにもいかないよ」
「…し、仕方ないわね。あなたがそうしたいのなら…」
智彦はオートロックを解除して、後部座席に乗るように指で指示した。
ドアがスライドして、ルームライトが緑色の闇を破った。
頭からずぶ濡れの晶は寒さに震えていた。
「も、申し訳ありません…」
再び閉ざされた灰暗い闇の中、後部座席に座った晶は、かちかちと歯を鳴らしながらやっとそれだけを言った。
「まったく…君が僕ら夫婦を覗いているのは知っていたけど、何もこんな夜にまで来なくてもいいんじゃないか。そんなに妻の裸が見たかったのか?」
「あ、あなた、何を言うの?」
美也子は慌てて智彦の言葉を遮った。
「少年、妻のオマンコが見たいだろう?」
「…はい、おっしゃる通りです」
晶は消え入りそうな声で謝り、恥ずかしそうに俯いた。
すると美也子も、今までふしだらな痴態を晒してきた晶の告白に、羞恥の表情を隠すように俯いてしまった。
「おい、何か拭くものを貸してやれよ」
「拭くものって…あ、美彦がサッカーの練習に持っていくバックが積んであるわ」
美也子は助手席から後部座席に移ると、運転席の後ろにあるバックを開け、中からスポーツタオルを取り出した。
「まあ、震えが止まらないじゃないの。本当に凍え死んじゃうわよ」
気が動転しているのか、タオルを渡せばいいだけなのに、美也子は自分の子供を扱うように、晶の隣に座って頭を拭き始めた。
「す、済みません、奥さん」
「もう、本当におバカさんね。体が冷え切っているじゃない」
美也子は悪戯っ子に手を焼く母親に変わっていた。
「あなた、着ている服がずぶ濡れだわ」
「仕方ないな…濡れている服を脱がせろ。後部座席のエアコンをつけるから、濡れている服を乾かしてやってくれ」
「え?ええ…」
躊躇う素振りを見せながらも、隣でがたがた震える晶が放って置けず、美也子は皮ジャンを後部座席の背もたれに広げて干した。
「あら、中のシャツまでびしょ濡れだわ」
「いえ、このぐらい大丈夫です」
「だめだ。濡れた服を着ているのが、風邪をひく一番の原因になるんだ」
智彦は有無も言わさない口調で命じた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です