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「それってセクハラ?」 第十三章・・・(紅殻格子)

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              「それってセクハラ?」

十三

健太は使命感がメラメラ燃え立つのを感じた。

密命を言い渡して更衣室を出ようとする葉月に、
やられっ放しの健太は、一矢報いてやろうと疑問をぶつけてみた。

「この写真はどこのサイトに載っていたんですか?」

「確か『盗撮クラブ』って言うサイトだったと思うけど・・どうして?」

「いえ、如月課長ともあろう方が、
そんなサイトをご覧になっているとは思いもしなかったもので」

葉月はかっと顔を赤らめた。

「な、何を言っているの? ち、違うわよ。誤解しないで。
たまたまなの。間違えて検索しちゃったのよ」

むきになって否定する葉月を見て、健太は可笑しさを噛み殺した。

鬼課長と恐れられる葉月だが、三十五歳の独り寝を誤魔化すために、
毎夜猥雑なサイトを見ているのかもしれない。

(癒してあげたい)

典子も気の毒だか、健太は葉月の悶々とする熟肢を哀れに思った。
葉月のヒステリックな態度も、乾き切った心と体を愛で潤せば、
優しく心豊かな女へと戻るかもしれない。

健太は、懸命に言い訳する葉月を前に、
ふと甘酸っぱい想いを抱いている自分に気がついた。

つづく・・・

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紅殻格子のつぶやき①・・・『携帯小説』

紅殻格子のつぶやき①  『携帯小説』

先日、雑誌社の担当者H君より、
小説の携帯配信を始めるとの連絡がありました。

彼の話では、携帯小説の読者は80%が20~30代の女性で、
官能やラブロマンスがほとんどとのことです。

隔世の感がありますね。

おそらく『妄想の座敷牢』を読んで戴いている方も、
半数以上は女性なのではないでしょうか?

でも私はいいことだと思います。

一昔前までは、性の主導権どころか、
拒否権すら女性には与えてられていませんでした。

おそらく性を苦痛だと我慢してきた女性は少なくなかったでしょう。

性とは、男と女が悦びを確かめ合いながら、
二人の形をつくり上げていくものです。

決して一方的に与えられるものではありません。

そのためには女性も恥ずかしがらず、
もっと性を勉強すべきだと思います。

同時に男性も、
マグロ状態の女性が一番つまらないことを知っているのですから、
貞淑神話などに拘らず、二人で性を楽しむ姿勢を持つべきでしょう。

ただH君が間違っているのは、
女性の読者が多いので、
女性官能小説家の作品を多く配信しようとしていることです。

私は逆だと考えます。

女性官能小説家が持て囃されているのは、
男性の読者が、女性の立場から性を知りたいと思うからです。

まあ、どっちの予想が勝つかわかりませんが、
女性が性に興味を持つのは、実にすばらしいことに違いありません。

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「それってセクハラ?」 第十二章・・・(紅殻格子)

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               「それってセクハラ?」

十二

派遣社員は最近でこそ待遇が改善されてきたが、
よほどの特殊な技能がなければ、
まだまだ社員と違ってその立場が弱いのも事実である。

「解雇をちらつかせて肉体関係を迫る。またそれを利用して盗撮を強要する」

葉月はこの盗撮事件の裏に、セクハラの臭いを嗅ぎ取っているようだった。

「もしそうならば、これ以上罪を重ねないうちに、
彼女を救い出さないといけないわ。
罪悪感に苛まれてマスコミにでも訴えられたら、
女性が顧客の化粧品会社なんか、すぐに社会から抹殺されてしまうわよ」

葉月は苦虫を潰したような顔をした。

「それなら池添さんから男の名前を聞き出しましょう」

「でも彼女を呼んだところで、簡単には男の名前を明かさないでしょうね」

「え、どうしてですか?」

「盗撮は犯罪よ。それを強要させられるってことは、
よほどの弱みを握られているってことでしょう。
たぶんハメ撮りぐらいはされているかもね。
そんな写真を盾にされたら、安々と男の名前など口にできないはずよ」

「・・ハ、ハメ撮り、ですか・・ひゃあ、過激な・・」

健太はあらぬ妄想を思い浮かべた。
すると葉月は、赤く上気した健太の耳をぎゅっと引っ張るや、
囁くような小声で悪魔の指令を語り込んできた。

「矢島君、そこで君へのミッションよ。まず彼女に近づいて親密になりなさい。
怯えた心を解きほぐしてあげるの。
そして彼女を安心させたところで男の名前を聞き出すのよ」

「え、僕がですか? そ、そんなの無理ですよ」

「ん、何か言った?」

葉月はぐっと拳を握り締めて上段突きの構えを取った。

「わ、わかりました。彼女を救うため全力で男の名前を聞き出します」

葉月が怖いのも事実だったが、
健太は典子と言う女が可哀想に思えてならなかった。

どんな顔をしているかも知らないが、脅迫されて盗撮する屈辱は、
彼女の心を深く傷つけているに違いない。

健太にとっても、セクハラ男から典子を守ることで、
強い男へと変身するきっかけが得られるかもしれない。

つづく・・・

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「それってセクハラ?」第十一章・・・(紅殻格子)

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             「それってセクハラ?」

十一

葉月は写真をテーブルの上に置き、盗撮のカラクリを解説し始めた。
盗撮写真は、全て高い位置から更衣室を俯瞰するように撮られていた。

しかもどの写真もほぼ背景が一緒で、
明らかに同じ位置から撮影されたと考えられる。

また画質の荒さから、
ホームビデオで撮影した映像を写真にしたものだと思われた。

「つまり犯人は自分も着替えながら、
ビデオカメラを隠したバッグをロッカーの上に置いて撮影したのよ」

「な、なるほど」

「矢島君、ちょっと七十五番のロッカーの前に立ってみて」

葉月は被害者の位置に健太を立たせると、
写真を見ながら撮影位置を探し当てた。

「このあたりだわ」

葉月は並んだロッカーの前に立つと、椅子に乗ってロッカーの上を慎重に調べた。

「矢島君、見て。この八十二番のロッカーの上だけ埃が積もっていないわ。
何かを置いた形跡が残っているでしょう」

「ほ、本当ですね」

頻りに感心する健太をよそに、
葉月は総務に電話してロッカーの持ち主を確認した。

「池添典子、二十五歳独身。営業本部に勤める派遣社員ね」

健太はつかさず口を挟んだ。

「すぐに連れてきて事情聴取しましょうか?」

「待ちなさい。君はそれが短慮だって言うのよ。よく考えてもご覧なさい」

葉月は腕組みして椅子に座ると、明智小五郎並みの推理を健太に聞かせた。

レズならいざ知らず、好んで女子更衣室を盗撮する女がいるだろうか。
世間に出回っている盗撮写真は、
男に命じられて女が撮影しているケースが多いと言う。

もしそうだとすれば、真犯人は社員の男で、
弱みを握られた典子が盗撮を強要されているのかもしれない。

つづく・・・

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「それってセクハラ?」第十章・・・(紅殻格子)

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           「それってセクハラ?」

十 

健太は後退りした。

「そこは女子更衣室じゃないですか」

「そうよ。君みたいなセクハラ男が憧れる聖地よ。早くいらっしゃい」

葉月は厭味っぽくそう言うと、途惑う健太を更衣室へ引っ張り込んだ。
ロッカーが壁一面に並べられた女子更衣室は、
五十人ほどが入れる広さで、中央にテーブルと十脚ばかり椅子が置かれていた。

始業ベルが鳴った後の更衣室は、
女性社員の姿もなくただがらんとするばかりだった。

葉月は椅子に腰を下ろした。

「着替えが見られるって期待していたんじゃないの?」
「い、いえ・・別に・・」

期待していたわけではないが、
そんな光景を漠然と想像していた健太は、虚を突かれて素知らぬ振りをした。

「ったく、どうして男はみんなスケベなの。脳味噌が精液でできているのかしらね」

ぶつぶつ文句をいいながら、葉月は健太を隣に座らせると、
封筒からコピー用紙を取り出して見せた。

そこには写真がカラープリンターで印刷されていた。
画質は悪いが、どれにも着替えをしている女性達が写っていた。

肌蹴たブラウスから覗くブラジャー、スカートを下ろした無防備なヒップ――
だがその下着姿を晒す女性達からは、
そのことに気づいていないような表情が見て取れた。

「こ、これは・・と、盗撮ですか?」

「そうよ。気づいたのはそれだけ?」

「う~む、他には・・ん、この女性は黒のTバックじゃないですか?」

今度は葉月の平手が健太の前頭葉を捉えた。

「お馬鹿! よく見なさい、この制服を」

写真を凝視して健太ははっと気づいた。
女性達が着ているのは、見まがうことのないヴィーナス化粧品の制服だった。
更に驚かされたのは、写真の中に顔見知りの本社女性社員がいたことだった。

「あっ、この更衣室だ!」

健太が思わず声を荒げたのも無理はなかった。
葉月が出した盗撮写真は、今いるこの更衣室が舞台になっていたのだ。

「やっとわかった? わが社の女子更衣室が盗撮魔に狙われているのよ!」

激昂した葉月がテーブルを叩いた。

「昨夜、暇つぶしでネットを見ていたら、偶然この写真を発見したの。
いかがわしい盗撮系サイトで、
『ヴィーナスの鍵穴』と言う名前で投稿されていたわ」

「如月課長、しかし、しかしですよ、どうやってこの写真を撮影したんでしょう。
男が女子更衣室に入れるわけないし、
覗き穴が空いているわけでもないですよ」

健太は部屋の壁や天井を注意深く見回した。

「君は単純ねえ。こんな至近距離で盗撮できるのは、
犯人が女だからに決まっているでしょう」

つづく・・・
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「それってセクハラ?」 第九章・・・(紅殻格子)

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         「それってセクハラ?」



子供はいないが葉月はバツイチである。だがそれも頷けた。
一時は類稀な美貌に迷った男でも、
墓の中までその性格に虐げられたくはないだろう。
それはバツイチと聞いた誰もが、別れた夫に同情するほど暴力的だった。

始業のチャイムが鳴った。

「矢島君、ちょっとつきあって」

「ど、どこへ行くんですか?」

「いいから黙ってついていらっしゃい」

ぼんやり座っていた健太は慌てて葉月の後を追った。
コツコツとヒールの音を立てて廊下を歩く葉月の後姿に、
健太はゴクリと生唾を呑んだ。

スリムな長身の葉月だが、出ているところは遠慮なく出ている。
ぴったりとしたタイトスカートが包むヒップは、
キュッと締まって形のいい逆ハート型を保っている。

そしてスカートから食み出した太腿は、ムッチリと濃密で、
触ればトロトロと溶け出さんばかりに柔らかそうだった。

やがて葉月は階段を下り始めた。
健太が隣に並ぶと、視野の端で葉月の乳房が大きく上下に揺れている。

Dカップは優にある巨乳である。
特に体に密着したセーターを着られると、その豊かなフォルムが、
くっきりとせり上がって浮き出す。
しかもその男を狂わす柔肉が、惜しげもなくブルンブルンと弾んでいるのだ。

(こ、これは反則だよ)

セクハラを予防する立場の課長が、男の劣情を挑発することに疑問を抱きながらも、
健太は揺れる葉月の乳房から目を離せずにいた。

ふと健太は殺気を感じた。

「矢島君、一体どこを見ているのよ」

「い、いえ・・その・・別に・・」

健太は情けないほど動揺した。

「横目で私の胸を覗いていたでしょう。セクハラするなんて十年早いわよ!」

健太の後頭部に平手が飛んだ。

「す、済みません・・つい・・」

「ついじゃないわよ。セクハラに苦しむ社員を救うのが私達の仕事よ。
それなのに率先して君がセクハラしてどうするの?」

「・・・・」

「今朝は疲れ切った顔をしていたわね。
どうせ昨夜は遅くまで女と遊んでいたんでしょう」

「そ、そんな滅相もない」

健太はオロオロと慌てて首を横に振った。

「図星みたいね。ちょっと可愛い顔しているからって、のぼせ上がるんじゃないわよ。
女好きが一番セクハラ事件を起こし易いのよ」

「・・はい」

「いいこと、今度そんな目で私を見たら去勢するわよ!」

健太はしょんぼりと項垂れた。
熟女キラーの健太も葉月だけには形無しだった。

「ほら、いじけていないで早く来なさい!」

葉月はそうヒステリックに命じると、
階段を下りて地下一階にある部屋の扉を開けた。

つづく・・・
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「それってセクハラ?」 第八章・・・(紅殻格子)

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             「それってセクハラ?」



人事部課長、如月葉月が現れた。
派手なピンクのタートルネックのセーターと、黒のタイトスカートを穿いている。

まるで閃光弾が炸裂したように、一瞬フロアが明るく輝いた。
よく目を凝らすと、その光芒の影に小柄な霧山人事部長を従えている。

「では部長、犯人が明らかになったら、厳しい処断をお願いしますね」

「わ、わ、わかりました。努力します」

迫力に圧倒される霧山を尻目に、
葉月は健太と対面する席にどっかりと腰を下ろした。

葉月は健太の直属の上司だった。
職場環境の改善を担当する葉月は、
健太が携わる相談窓口やインタビュー制度の責任者でもあった。

社員の駆け込み寺となる職務の中でも、
葉月はセクハラ問題に異常な執着を持っていた。

先月も、美容スタッフのお尻を触った社員を、
懲罰委員会送りにしたばかりだった。
そのため男性社員からは、性の秩序を正す鬼憲兵と恐れられていた。

だが峻烈で勇猛果敢な性格とは裏腹に、その容貌は艶美にして華麗だった。
三十五歳独身。
熟し切った果実のように、甘く香り立つフェロモンを肢体から放散していた。

緩くウエーブのかかったダークブラウンの髪が、しなやかに背中へと流れている。
細い柳眉と長い睫毛に彩られた瞳は、
潤みがちな鳶色の虹彩を湛えて円らに見開かれている。

そして気品に満ちた鼻梁の下には、濡れた薄桃色の愛らしい口唇が、
これでもかと男の劣情を掻き毟って止まない。

(大人しく座ってさえいれば、どんな男だって放っておかないのに・・)

熟女好きな健太は、葉月の男勝りな性格を惜しんだ。

つづく・・・
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「それってセクハラ?」 第七章・・・(紅殻格子)

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           「それってセクハラ?」 

七 

三ヶ月前の十月、静岡支店で営業をしていた健太が、
人事部へ異動したのも熟女好きと無縁ではなかった。

どこの企業の同じだが、今は結婚しても寿退社しない女性が多い。
そして『お局様』と化した社員は、
家庭や趣味に追われて仕事への熱意を失いやすい。

そんな彼女達を活性化することが、
業務の生産性を上げる全社的な課題となっている。

特に美容スタッフを抱える化粧品業界にとって、
この『お局様』問題は致命傷になりかねなかった。

美容スタッフとは、店頭で顧客へ美容アドバイスする女性である。
化粧品会社にとって、古参美容スタッフのモチベーションの喪失は、
そのまま業績の悪化へと跳ね返ってくる恐れがあった。

静岡支店時代、熟女キラーだった健太は、
『お局様』達の寵愛を一身に集めて営業成績を上げた。
その実績を買われて本社人事部へ引き抜かれたのだ。

現在健太は会社と社員のつなぎ役を担当している。
インタビュー制度や相談窓口を通じて、
社員の要望や不満、トラブルをくみ上げる仕事である。

気分転換に健太が喫煙室へ行こうとした時、
突然、人事部のフロア奥にある会議室の扉が勢いよく開いた。
 
つづく・・・

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「それってセクハラ?」 第六章・・・(紅殻格子)

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           「それってセクハラ?」

六・

会社の朝は慌しい。
会議スケジュールを確認する者、仕事の進行状況を上司に報告する者、
はたまた溜まった稟議書類を決裁する者と、
職場には活気溢れる緊張感がみなぎっている。

それはここ、東京大手町にあるヴィーナス化粧品の本社とて例外ではなかった。
ヴィーナス化粧品は、売上一千億円弱、パートを含めた従業員は三千人、
業界でも五指に入る大手化粧品会社である。

女性の美へ奉仕することをモットーに、研究、生産は元より、
販売網を全国津々浦々へと展開していた。

朝の気忙しい本社人事部のオフィスで、矢島健太は、
呆けた表情をして一人蚊帳の外にいた。

目はパソコンの画面を見ているものの、腐った魚のようにどんよりと濁っている。

(ダメだ・・体がだるい・・)

昨夜、健太は明け方までホテルで女に拘束されていた。
女と言っても、二十八歳の健太より一回り年上の人妻である。

出会い系サイトで知り合ってから三ヶ月、週一回のペースで呼び出され、
持て余した熟肉のお相手をさせられていた。

最初は同情からだった。
子供がなく、亭主は海外出張が多いため、
茶飲み友達が欲しいとサイトで募集していたのだ。

ところが一度会うや、喫茶店どころかホテルへ連れ込まれ、
とめどなく溢れる淫蜜を啜らされたのだった。

不思議と健太は熟女にもてる。
決してイケ面ではないが、あどけない顔立ちが母性本能をくすぐるらしい。

「健ちゃんって本当に可愛いわね。もう食べちゃいたい」

それは物の喩えではなく、昨夜も彼女は貪欲に肉茎をくわえて離さなかった。

夫の出張をいいことに、彼女は何時間にも亘って健太を責め続けた。
いくら健太が独身でも、何十CCもの精液をお持ち帰りされれば、
翌日は疲労困憊で足腰が立たなくなる。

だが健太も熟女が嫌いではなかった。
子供の頃から乳母日傘で育てられたせいか、
甘えたがりの性分が今もって抜け切らないのだ。

だから逆に年下の女にはからきしもてなかった。
男として頼りないらしい。

その性格が災いしてか、人妻のセックスフレンドはいても、
結婚を前提につきあう本命の女は今もって皆無だった。

つづく・・・
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「それってセクハラ?」第五章・・・(紅殻格子)

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          「それってセクハラ?」



はい、これで大丈夫。では話の続きね。

東京へ戻ってからも、私は鮫島を拒めなかった。
鮫島の欲情が赴くまま、会社の帰りにホテルへ呼び出されたわ。

そして私の体は鮫島の性技に溺れていったの。
それは悪いことだとわかっていたわ。

でも夫に抱かれる回数より多かったし、鮫島のテクニックは老練だった。
セックスの良さがわかり始めた二十代半ばの女が、
性の魔力を拒めないとしても仕方ないでしょう。

でもね、半年ぐらい続いた頃かしら、さすがに仕事馬鹿の主人も、
妻の不実に気がついていたみたい。

はっきりとは言わないけど、些細なことで怒ったり、
いらいらして暴力を振るったりしたわ。

私は家庭を壊そうとは思わなかったから、鮫島に事情を話して、
関係を清算したいと申し出たわ。

鮫島は渋々ながらOKしてくれたけど、
それから私に対する猛烈なセクハラが始まったのよ。

愛人にできない女性社員は用なしってことだったのね。

早速新しい女性事務員を採用したの。
まだ高校を卒業したばかりの若い女の子だったわ。

鮫島は私の仕事を取り上げて全て彼女に任せた。
そして私が大企業へリクルートするみたいだって、
裏でこっそり社員達に噂を流していたのよ。

仕事がないって辛いわよ。
会社へ行っても一日机に座っているだけ。

今まで仲良くしてくれた社員達も、若い彼女をチヤホヤして私を無視するの。

もちろん鮫島には抗議したわ。
でも関係をばらされたくなければ、大人しく会社を退職しろの一点張りだった。

結局、私は会社を辞めるしかなかったわ。
ところが家庭に戻っても私の居場所はなかった。

主人が新しい女をつくっていたのよ。
すぐに私へ離婚を迫ってきたわ。本当にエリートって陰湿よね。

主人は密かに興信所で私の浮気調査をしていたの。
それで私は、無一文で家庭からもほっぽり出されちゃったわけ。

あら、泣いてくれるの。 優しいとこあるじゃない。

え、違うって。
眠くなって欠伸を噛み殺したって?このお馬鹿、いい加減にしなさいよ!

つづく・・・
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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご挨拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
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