「それってセクハラ?」 第十六章・・・(紅殻格子)
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「それってセクハラ?」
十六
しばらく世間話に花を咲かせ、典子の頬がほんのりと赤みを増したところで、
健太はいよいよ本題を切り出した。
「池添さん・・実は、今夜こうして誘ったのは、
あなたの口から真実を聞きたかったからです」
「・・し、真実?」
急に典子の顔が曇った。
「女子更衣室での盗撮です」
「・・・・」
典子は俯いて小刻みに肩を震わせた。
「隠さないで下さい。僕はあなたを守りたいんです。
あなたは社内の男に脅かされ、嫌々盗撮をさせられているんですよね」
典子は沈黙した。
すっかり顔から血の気が引き、瞳が落ち着きなく揺れている。
「・・も、申し訳ありませんでした。ある社員の方から命令されて・・
最初は私を裸にして写真を・・でもどんどんエスカレートして・・
いくら拒んでも関係をばらすって・・会社で働けないようにしてやるって・・」
俯いた典子の顔から一滴の涙がこぼれた。
「泣かないで。本来ならこちらが謝罪すべきことです。
不埒な社員に池添さんは苦しめられてきたのですから」
健太はハンカチを典子に差し出した。
「でも罪は罪です・・派遣会社に報告されたら、私、二度と働けなくなる・・」
「大丈夫。その男の悪事が証明できれば、
会社は池添さんを罰することはできません。
池添さんは決して悪くない。
あなたを脅したのが誰なのか教えて下さい。
僕は人事部の人間ですが、一人の男としてあなたを助けたいんです」
典子はしばらく無言で泣いていたが、俯いたまま首を横に振った。
「でも言えない・・」
「ど、どうして?」
「だって・・その男を裏切ったら、どんな復讐をされるかわからない・・」
典子の不安は杞憂ではなかった。
男が懲戒免職になって会社とは縁が切れたとしても、
彼女個人には、逆恨みでストーカー行為をされない保証は何もないのだ。
「池添さん、僕を信じて欲しいんだ」
典子は涙に潤んだ瞳を健太に向けた。
「それなら矢島さんが私を守ってくれるの?」
「も、もちろんだよ」
「・・それなら・・その証拠を見せて・・」
典子はいきなり健太の腕に額を押し当ててきた。
小さな嗚咽が漏れる。
典子はよほど辛かったに違いない。
信じられる男をずっと待ち続けていたに違いない。
健太の正義感は、典子の温もりに触れ、
何故か性欲とともにメラメラと燃え上がった。
つづく・・・
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あなたの口から真実を聞きたかったからです」
「・・し、真実?」
急に典子の顔が曇った。
「女子更衣室での盗撮です」
「・・・・」
典子は俯いて小刻みに肩を震わせた。
「隠さないで下さい。僕はあなたを守りたいんです。
あなたは社内の男に脅かされ、嫌々盗撮をさせられているんですよね」
典子は沈黙した。
すっかり顔から血の気が引き、瞳が落ち着きなく揺れている。
「・・も、申し訳ありませんでした。ある社員の方から命令されて・・
最初は私を裸にして写真を・・でもどんどんエスカレートして・・
いくら拒んでも関係をばらすって・・会社で働けないようにしてやるって・・」
俯いた典子の顔から一滴の涙がこぼれた。
「泣かないで。本来ならこちらが謝罪すべきことです。
不埒な社員に池添さんは苦しめられてきたのですから」
健太はハンカチを典子に差し出した。
「でも罪は罪です・・派遣会社に報告されたら、私、二度と働けなくなる・・」
「大丈夫。その男の悪事が証明できれば、
会社は池添さんを罰することはできません。
池添さんは決して悪くない。
あなたを脅したのが誰なのか教えて下さい。
僕は人事部の人間ですが、一人の男としてあなたを助けたいんです」
典子はしばらく無言で泣いていたが、俯いたまま首を横に振った。
「でも言えない・・」
「ど、どうして?」
「だって・・その男を裏切ったら、どんな復讐をされるかわからない・・」
典子の不安は杞憂ではなかった。
男が懲戒免職になって会社とは縁が切れたとしても、
彼女個人には、逆恨みでストーカー行為をされない保証は何もないのだ。
「池添さん、僕を信じて欲しいんだ」
典子は涙に潤んだ瞳を健太に向けた。
「それなら矢島さんが私を守ってくれるの?」
「も、もちろんだよ」
「・・それなら・・その証拠を見せて・・」
典子はいきなり健太の腕に額を押し当ててきた。
小さな嗚咽が漏れる。
典子はよほど辛かったに違いない。
信じられる男をずっと待ち続けていたに違いない。
健太の正義感は、典子の温もりに触れ、
何故か性欲とともにメラメラと燃え上がった。
つづく・・・
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