「それってセクハラ?」 第六章・・・(紅殻格子)
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「それってセクハラ?」
六・
会社の朝は慌しい。
会議スケジュールを確認する者、仕事の進行状況を上司に報告する者、
はたまた溜まった稟議書類を決裁する者と、
職場には活気溢れる緊張感がみなぎっている。
それはここ、東京大手町にあるヴィーナス化粧品の本社とて例外ではなかった。
ヴィーナス化粧品は、売上一千億円弱、パートを含めた従業員は三千人、
業界でも五指に入る大手化粧品会社である。
女性の美へ奉仕することをモットーに、研究、生産は元より、
販売網を全国津々浦々へと展開していた。
朝の気忙しい本社人事部のオフィスで、矢島健太は、
呆けた表情をして一人蚊帳の外にいた。
目はパソコンの画面を見ているものの、腐った魚のようにどんよりと濁っている。
(ダメだ・・体がだるい・・)
昨夜、健太は明け方までホテルで女に拘束されていた。
女と言っても、二十八歳の健太より一回り年上の人妻である。
出会い系サイトで知り合ってから三ヶ月、週一回のペースで呼び出され、
持て余した熟肉のお相手をさせられていた。
最初は同情からだった。
子供がなく、亭主は海外出張が多いため、
茶飲み友達が欲しいとサイトで募集していたのだ。
ところが一度会うや、喫茶店どころかホテルへ連れ込まれ、
とめどなく溢れる淫蜜を啜らされたのだった。
不思議と健太は熟女にもてる。
決してイケ面ではないが、あどけない顔立ちが母性本能をくすぐるらしい。
「健ちゃんって本当に可愛いわね。もう食べちゃいたい」
それは物の喩えではなく、昨夜も彼女は貪欲に肉茎をくわえて離さなかった。
夫の出張をいいことに、彼女は何時間にも亘って健太を責め続けた。
いくら健太が独身でも、何十CCもの精液をお持ち帰りされれば、
翌日は疲労困憊で足腰が立たなくなる。
だが健太も熟女が嫌いではなかった。
子供の頃から乳母日傘で育てられたせいか、
甘えたがりの性分が今もって抜け切らないのだ。
だから逆に年下の女にはからきしもてなかった。
男として頼りないらしい。
その性格が災いしてか、人妻のセックスフレンドはいても、
結婚を前提につきあう本命の女は今もって皆無だった。
つづく・・・
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「それってセクハラ?」
六・
会社の朝は慌しい。
会議スケジュールを確認する者、仕事の進行状況を上司に報告する者、
はたまた溜まった稟議書類を決裁する者と、
職場には活気溢れる緊張感がみなぎっている。
それはここ、東京大手町にあるヴィーナス化粧品の本社とて例外ではなかった。
ヴィーナス化粧品は、売上一千億円弱、パートを含めた従業員は三千人、
業界でも五指に入る大手化粧品会社である。
女性の美へ奉仕することをモットーに、研究、生産は元より、
販売網を全国津々浦々へと展開していた。
朝の気忙しい本社人事部のオフィスで、矢島健太は、
呆けた表情をして一人蚊帳の外にいた。
目はパソコンの画面を見ているものの、腐った魚のようにどんよりと濁っている。
(ダメだ・・体がだるい・・)
昨夜、健太は明け方までホテルで女に拘束されていた。
女と言っても、二十八歳の健太より一回り年上の人妻である。
出会い系サイトで知り合ってから三ヶ月、週一回のペースで呼び出され、
持て余した熟肉のお相手をさせられていた。
最初は同情からだった。
子供がなく、亭主は海外出張が多いため、
茶飲み友達が欲しいとサイトで募集していたのだ。
ところが一度会うや、喫茶店どころかホテルへ連れ込まれ、
とめどなく溢れる淫蜜を啜らされたのだった。
不思議と健太は熟女にもてる。
決してイケ面ではないが、あどけない顔立ちが母性本能をくすぐるらしい。
「健ちゃんって本当に可愛いわね。もう食べちゃいたい」
それは物の喩えではなく、昨夜も彼女は貪欲に肉茎をくわえて離さなかった。
夫の出張をいいことに、彼女は何時間にも亘って健太を責め続けた。
いくら健太が独身でも、何十CCもの精液をお持ち帰りされれば、
翌日は疲労困憊で足腰が立たなくなる。
だが健太も熟女が嫌いではなかった。
子供の頃から乳母日傘で育てられたせいか、
甘えたがりの性分が今もって抜け切らないのだ。
だから逆に年下の女にはからきしもてなかった。
男として頼りないらしい。
その性格が災いしてか、人妻のセックスフレンドはいても、
結婚を前提につきあう本命の女は今もって皆無だった。
つづく・・・