「それってセクハラ?」 第七章・・・(紅殻格子)
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「それってセクハラ?」
七
三ヶ月前の十月、静岡支店で営業をしていた健太が、
人事部へ異動したのも熟女好きと無縁ではなかった。
どこの企業の同じだが、今は結婚しても寿退社しない女性が多い。
そして『お局様』と化した社員は、
家庭や趣味に追われて仕事への熱意を失いやすい。
そんな彼女達を活性化することが、
業務の生産性を上げる全社的な課題となっている。
特に美容スタッフを抱える化粧品業界にとって、
この『お局様』問題は致命傷になりかねなかった。
美容スタッフとは、店頭で顧客へ美容アドバイスする女性である。
化粧品会社にとって、古参美容スタッフのモチベーションの喪失は、
そのまま業績の悪化へと跳ね返ってくる恐れがあった。
静岡支店時代、熟女キラーだった健太は、
『お局様』達の寵愛を一身に集めて営業成績を上げた。
その実績を買われて本社人事部へ引き抜かれたのだ。
現在健太は会社と社員のつなぎ役を担当している。
インタビュー制度や相談窓口を通じて、
社員の要望や不満、トラブルをくみ上げる仕事である。
気分転換に健太が喫煙室へ行こうとした時、
突然、人事部のフロア奥にある会議室の扉が勢いよく開いた。
つづく・・・