「それってセクハラ?」 第十四章・・・(紅殻格子)
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「それってセクハラ?」
十四
金曜日の夜ともなれば、上野から御徒町にかけての歓楽街には、
雑多な人々が洪水のように押し寄せてくる。
サラリーマンや若者、そして寒空に肌を晒す金髪の美女達が、
原色の看板が氾濫する路地裏に溢れ出す。
その人ごみの中、健太は安い河豚を食べさせる小料理屋の前に立っていた。
「おう、俺はもう帰るぞ」
勘定を終えた井沢俊正が、暖簾を捲って店から出てきた。
井沢は、ヴィーナス化粧品の営業本部で流通部長を務めている。
五十四歳、恰幅がよくて親分肌の井沢は、
この先執行役員間違いなしと社内で目されていた。
健太が静岡支店に配属された時の支店長が井沢だった。
入社当初から井沢は健太を可愛がってくれた。
また健太も井沢の人となりを尊敬していた。
一足先に本社勤務となった井沢は、
暇があると健太を飲みに誘ってくれるのだった。
健太は井沢に頭を下げた。
「ご馳走様でした。でも部長、もう一軒つき合って下さいよ」
「いいよ、俺は。今夜は若い者同士で楽しんで来いよ」
「いや、でも・・」
「いいって。熟女キラーのお前も、やっと身を固める気になったんだろう」
井沢はにやけた顔で言うと、健太のわき腹を指先で突いた。
「ち、違いますよ」
「彼女は美人だからな・・でも・・」
「・・でも?」
健太が井沢を問い詰めようとした時、
再び小料理屋の引き戸が開き、ベージュのコートを羽織った女が出てきた。
「済みません、お待たせしました」
池添典子だった。
つづく・・・
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金曜日の夜ともなれば、上野から御徒町にかけての歓楽街には、
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原色の看板が氾濫する路地裏に溢れ出す。
その人ごみの中、健太は安い河豚を食べさせる小料理屋の前に立っていた。
「おう、俺はもう帰るぞ」
勘定を終えた井沢俊正が、暖簾を捲って店から出てきた。
井沢は、ヴィーナス化粧品の営業本部で流通部長を務めている。
五十四歳、恰幅がよくて親分肌の井沢は、
この先執行役員間違いなしと社内で目されていた。
健太が静岡支店に配属された時の支店長が井沢だった。
入社当初から井沢は健太を可愛がってくれた。
また健太も井沢の人となりを尊敬していた。
一足先に本社勤務となった井沢は、
暇があると健太を飲みに誘ってくれるのだった。
健太は井沢に頭を下げた。
「ご馳走様でした。でも部長、もう一軒つき合って下さいよ」
「いいよ、俺は。今夜は若い者同士で楽しんで来いよ」
「いや、でも・・」
「いいって。熟女キラーのお前も、やっと身を固める気になったんだろう」
井沢はにやけた顔で言うと、健太のわき腹を指先で突いた。
「ち、違いますよ」
「彼女は美人だからな・・でも・・」
「・・でも?」
健太が井沢を問い詰めようとした時、
再び小料理屋の引き戸が開き、ベージュのコートを羽織った女が出てきた。
「済みません、お待たせしました」
池添典子だった。
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