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二十三夜待ち 第十八章

二十三夜待ち 第十八章 

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戸籍上の夫はいるが、子供を身籠ったことのない二十五歳の成熟した女である。

行商と農作業で鍛えた薄い褐色の体は、女豹のようなしなやかさを保っていた。

透けた肋骨を守るようにくっきりと迫り出した乳房は、硬く蕾んだ少女の張りと、触れなば融け出す年増の柔餡を兼ね備えている。

そして凛と起った乳首は、まだ十九歳の青年に男の覚悟を強いるように、その尖った銃口を容赦なく向けて脅していた。


「抱いて」


重い足枷を解いた瞬間、暴発した若い男の性は、跳びかからんばかりに小鶴をけば立った畳へ押し倒した。


「好きだ・・好きなんだ・・」


まるで大型犬に圧し掛かられているかのように、寛三は荒い呼吸を繰り返しながら小鶴の体を痛いほど抱き締めた。


「いつかこうなることを・・私も求めていたのかもしれない」


初めて受ける男の熱情に、小鶴も恥ずかしいほど陰部が熱くたぎるのを感じていた。


「小鶴さん」


寛三は乳房に顔を埋めて遮二無二乳首を吸った。

千切れんばかりに乳首を吸う男の直向きさが、またいっそう小鶴の女を燃え上がらせていく。


「あっ、寛三さん・・気持ちいい・・」


寛三の舌先が執拗に乳首を捉えるたび、小鶴は小さく喘いで上半身を震わせる。


寛三は性急に小鶴の両脚を開くと、既に濡れそぼっている陰部に顔を埋めた。


「あっ、そこは・・ダメよ・・頭がおかしくなっちゃう・・」


初めて男に陰部を晒して肉裂を舐め上げられた小鶴は、その経験したことがない強い快楽に身を捩った。

羞恥に両脚を閉じて逃げ出したいが、寛三の逞しい腕で剝き身のように拡げられている。

続く…

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二十三夜待ち 第十七章

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素封家の睦沢家に嫁ぎながら、夫の和馬ではなく、かつての生徒だった画家の下布施清一を愛した千代。

千代は社会が用意してくれた幸福を捨て、清一の心の中に生き続ける道を選んだのだろう。


だが小鶴は、道具としての暮らしに不満を抱えながらも、夫や家族を捨てる勇気が持てずに躊躇っている。

寛三に愛されたい。


一度だけでも抱かれたい。

その想いは真実だが、社会から逸脱してしまう恐怖が小鶴を踏み止まらせていた。


その時、小鶴は千代の声を聞いた。


(小鶴、幸せは自分でつかむものよ)

おそらく子供がいなければ、千代は清一と駆け落ちしていたのかもしれない。

あの激しい情事を目撃した小鶴は、それも至極当たり前のことと今になれば思えた。

たとえ赤貧洗うが如き暮らしに身を落とそうが、男に愛されて生きる幸せは、女にとって無上の西方浄土なのではないだろうか。


愛される幸せ。


愛する幸せ。


男と女の歓びを知らずして、与えられた命を虚しく終えるなら、何のために生まれてきたのかわからないではないか。


小鶴は寛三の手を振り解くと、自分から絣の着物を脱ぎ捨てて全裸になった。


「こ、小鶴さん」


思わぬ小鶴の大胆さに、寛三は後退りしながら血走った目を大きく見開いた。

 

続く…

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二十三夜待ち 第十六章

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二人はみすぼらしい六畳一間の部屋で、卓袱台を挟んでしばらく俯き合っていた。
小綺麗に掃除は行き届いていたが、家財道具は布団一組しかない殺風景な部屋だった。

「な、何か食べる物をつくるわ」

立ち上がって部屋の外にある共同炊事場へ行こうとすると、小鶴は乱暴に背後から抱きすくめられた。

「ず、ずっと好きでした」

「・・・・」

力任せに抱かれながら、小鶴はありきたりな言い訳を何度も頭の中で繰り返した。

私には夫がいるから。

ずっと年上のオバサンだから。

私、男の人に想われるような美しい女じゃないから。

(違う・・そんなの嘘だわ!)

ぶるっと小鶴は身震いした。

体の何処からか突き上げてくる抑え切れない情動に、あざとい詭弁と紙一重の冷徹な理性の鎧が剥げ落ちていく。

容姿と貧しさに対する劣等感。

子供の頃から弱い自分を守るために、ありとあらぬる言い訳を考えてきた。
それが大人達には利発と映ったのだろうが、そうでもしなければ、小鶴自身が己の無価値さに押し潰されてしまいそうだった。

確かに道具として小鶴は優秀なのだろう。
子守りにしても、農家の嫁としても、社会が求める労働力としては重宝されてきた。

だが小鶴は愛されたことがない。
酒浸りの父と愛しみを失った母は、小鶴を避妊しそこねた結果の厄介者として売り払った。

その小鶴を買い取った夫と舅姑は、牛馬よりも安価な道具として手荒く扱き使った。
涙が頬を伝った。

小鶴の負い目や劣等感を知りながら、もっと華やかな結婚ができるかもしれないのに、寛三はみすぼらしい行商に身をやつした女を愛すると告げたのだ。

「・・若奥様」

小鶴は口の中で小さく呟いた。

続く…

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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご挨拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
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