『女帝陥落の淫夜』(十四)
『女帝陥落の淫夜』(十四)
「妄想の囲炉裏端」紅殻格子の呟き入口
FC2 R18官能小説
カーテンを開け放した窓の外は、もうすっかり夜の帳に包まれていた。
昼間ならば太平洋の荒海が一望できるこの部屋も、今は不気味な虚無の闇にすっぽりと覆われている。
南房総の先端に位置する白浜の海岸沿いに建つ高層リゾートマンション。
ここ4LDKの間取りを持つ十五階の一室は、夢創社が従業員の保養施設として保有していた。
月曜日の夜七時、康平は広いリビングのソファで一人煙草を吸っていた。
鍵の掛かっていないドアの開く音がして、忙しい足音とともに恵美が一人で現れた。
「秋葉君、どういうつもりなの? 私を保養所へ呼び出したりして」
「済みません。今日は白浜店の視察に来られていると聞いたものですから」
冷徹な口調でそう答えた康平は、恵美をソファへ誘った。
「それと、一週間も研修で東京へ行くなら、前もって私に連絡して欲しいのよ。代わりの立川室長では要領を得なくて・・」
「申し訳ありませんでした。急に決まったものですから」
康平は深々と頭を下げた。
役員会の後、康平は研修と称して一週間会社へ出勤しなかった。
だがそれは表向きの理由で、裏では立川の密命を受けて動いていたのだった。
濃いグレーのスーツを着た恵美が脚を組んだ。
タイトスカートからむっちりと白い太腿が覗く。
「で、用件は何なのかしら?」
「はい、店舗買収に関して重要な情報を入手しましたので、それをお耳に入れたくてご足労願った次第です」
「それならわざわざ保養所まで来なくてもいいじゃない」
「ちょっと会社ではお聞かせできない話で」
康平は鞄から小さなラジカセを取り出してテーブルの上に置いた。
そして再生ボタンを押すと、さりげなく恵美の隣に腰かけた。
つづく…
皆様から頂く
が小説を書く原動力です
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昼間ならば太平洋の荒海が一望できるこの部屋も、今は不気味な虚無の闇にすっぽりと覆われている。
南房総の先端に位置する白浜の海岸沿いに建つ高層リゾートマンション。
ここ4LDKの間取りを持つ十五階の一室は、夢創社が従業員の保養施設として保有していた。
月曜日の夜七時、康平は広いリビングのソファで一人煙草を吸っていた。
鍵の掛かっていないドアの開く音がして、忙しい足音とともに恵美が一人で現れた。
「秋葉君、どういうつもりなの? 私を保養所へ呼び出したりして」
「済みません。今日は白浜店の視察に来られていると聞いたものですから」
冷徹な口調でそう答えた康平は、恵美をソファへ誘った。
「それと、一週間も研修で東京へ行くなら、前もって私に連絡して欲しいのよ。代わりの立川室長では要領を得なくて・・」
「申し訳ありませんでした。急に決まったものですから」
康平は深々と頭を下げた。
役員会の後、康平は研修と称して一週間会社へ出勤しなかった。
だがそれは表向きの理由で、裏では立川の密命を受けて動いていたのだった。
濃いグレーのスーツを着た恵美が脚を組んだ。
タイトスカートからむっちりと白い太腿が覗く。
「で、用件は何なのかしら?」
「はい、店舗買収に関して重要な情報を入手しましたので、それをお耳に入れたくてご足労願った次第です」
「それならわざわざ保養所まで来なくてもいいじゃない」
「ちょっと会社ではお聞かせできない話で」
康平は鞄から小さなラジカセを取り出してテーブルの上に置いた。
そして再生ボタンを押すと、さりげなく恵美の隣に腰かけた。
つづく…








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