『風媒花』・・・第十一章
『風 媒 花』
第十一章
男は館内一馬と名乗った。
舘内家は仙台で古くから食料品卸を営む旧家で、一馬はその跡取りとして専務を務めていると言う。
妻の美幸は三十二歳で子供はまだいない。
二人は会津へ旅行で来ると、この鄙びた旅館を定宿にしているらしかった。
「ほう、久喜君は東京の大学生か。うん、若い頃は一人旅するのも大切な勉強だよね」
「え、ええ・・」
「どうだね、久喜君。今夜、この旅館の客は我々だけだ。お近づきの印に、これから僕等の部屋で一献酌み交わさないか?」
「でも折角夫婦水入らずのところを・・」
「関係ないよ。もう十年近く夫婦をやっているんだ。たまには若い人を交えて酒を飲むのも、夫婦の刺激になっていいものさ」
一馬は豪快に笑って知彦の肩を叩いた。
今夜知彦は、清子のことを想いながら一人静かに過ごそうと思っていた。
だが一馬の妻、美幸の白い肌が脳裏にちらついた。
知彦は一馬の誘いを拒み切れず、館内夫婦の部屋へ連れて行かれたのだった。
つづく・・・
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妻の美幸は三十二歳で子供はまだいない。
二人は会津へ旅行で来ると、この鄙びた旅館を定宿にしているらしかった。
「ほう、久喜君は東京の大学生か。うん、若い頃は一人旅するのも大切な勉強だよね」
「え、ええ・・」
「どうだね、久喜君。今夜、この旅館の客は我々だけだ。お近づきの印に、これから僕等の部屋で一献酌み交わさないか?」
「でも折角夫婦水入らずのところを・・」
「関係ないよ。もう十年近く夫婦をやっているんだ。たまには若い人を交えて酒を飲むのも、夫婦の刺激になっていいものさ」
一馬は豪快に笑って知彦の肩を叩いた。
今夜知彦は、清子のことを想いながら一人静かに過ごそうと思っていた。
だが一馬の妻、美幸の白い肌が脳裏にちらついた。
知彦は一馬の誘いを拒み切れず、館内夫婦の部屋へ連れて行かれたのだった。
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