『風媒花』・・・第十二章
『風 媒 花』
第十二章
知彦が泊まる安部屋とは違い、新館にある館内夫婦の部屋は、豪華な和洋折衷の造りになっていた。
扉を開けると、正面にツインベッドが横に並び、その足元側には襖を隔てて畳敷きの和室が設えてある。
その和室で宴が始まった。
一馬が手を回したのか、知彦の夕餉の膳が部屋に届けられていた。
「お、いける口じゃないか」
「いえ、そんなには飲めません」
館内夫婦と知彦は、向かい合って膳を並べた。
山の幸を肴に、徳利の熱燗を差しつ差されつ、会話は和やかに進んだ。
だが知彦は、一馬と杯を重ねたものの、まだ美幸の顔を正面から見られずにいた。
浴場で見た白い肢体が、青年の羞恥心を必要以上に煽り立てていた。
「美幸も久喜君に注いでもらいなさい」
一馬が肘で美幸の腕を突いた。
「・・ええ」
浴衣姿の美幸は、恥ずかしそうにお猪口を知彦へ差し出した。
緩い浴衣の合わせから、真っ白な乳房の谷間が覗いている。
徳利を持つ知彦の手が震えた。
「東京の学生さんにお酌してもらうなんて、なかなか体験できることではないよ」
「そうね・・」
淡い桃色の口唇を杯につけると、美幸は艶かしく体を斜めに傾けて呑み干した。
つづく・・・
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知彦が泊まる安部屋とは違い、新館にある館内夫婦の部屋は、豪華な和洋折衷の造りになっていた。
扉を開けると、正面にツインベッドが横に並び、その足元側には襖を隔てて畳敷きの和室が設えてある。
その和室で宴が始まった。
一馬が手を回したのか、知彦の夕餉の膳が部屋に届けられていた。
「お、いける口じゃないか」
「いえ、そんなには飲めません」
館内夫婦と知彦は、向かい合って膳を並べた。
山の幸を肴に、徳利の熱燗を差しつ差されつ、会話は和やかに進んだ。
だが知彦は、一馬と杯を重ねたものの、まだ美幸の顔を正面から見られずにいた。
浴場で見た白い肢体が、青年の羞恥心を必要以上に煽り立てていた。
「美幸も久喜君に注いでもらいなさい」
一馬が肘で美幸の腕を突いた。
「・・ええ」
浴衣姿の美幸は、恥ずかしそうにお猪口を知彦へ差し出した。
緩い浴衣の合わせから、真っ白な乳房の谷間が覗いている。
徳利を持つ知彦の手が震えた。
「東京の学生さんにお酌してもらうなんて、なかなか体験できることではないよ」
「そうね・・」
淡い桃色の口唇を杯につけると、美幸は艶かしく体を斜めに傾けて呑み干した。
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