『風媒花』・・・第十三章
『風 媒 花』
第十三章
知彦は美幸の顔を上目遣いに見た。
綺麗に整えられた柳眉と長い睫毛に彩られた瞳、仄かな色気を浮かべた口許が、成熟した女のフェロモンを漂わせている。
浴場で見たあの白い裸身が、また知彦の脳裏に蘇ってきた。
(・・清子)
慌てて知彦は、淫らな妄想を振り払うように、清子の純真な笑顔を想い浮かべた。
まだ青く酸っぱい果実にも似た清子は、初々しい清冽な美しさを煌かせていた。
だがそんな清子に愛おしさを覚えながらも、知彦は目の前に置かれた甘く熟した果実に、裏切りの蠱惑を抱かずにはいられなかった。
一馬は、何度も美幸に目配せしながら、根掘り葉掘り知彦のことを尋ねてきた。
「久喜君、恋人はいるの?」
「あ、いえ、まだ・・」
ふと清子を思い浮かべたが、まだ恋人と呼ぶのはおこがましいかと堪えた。
「じゃあ、まだ童貞かな?」
「えっ・・ええ・・まあ・・」
そう一馬に図星をつかれた知彦は、赤面してちらっと美幸の表情を窺った。
「あなたったら久喜さんに失礼よ」
美幸は一馬を叱りながらも、艶っぽい微笑を口唇の端に浮かべている。
「あはは、ごめんよ、久喜君。でも覚えておいた方がいい。女を聖なるものとして憧れられるのは、女を知らない童貞の間だけだぞ」
「・・はあ」
「一度女のアソコを見たら、百年の恋も一遍に冷めてしまうからな」
「あなた!」
一馬の膝を叩いた美幸は、身の置きどころがないようにもじもじと体をよじった。
つづく・・・
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知彦は美幸の顔を上目遣いに見た。
綺麗に整えられた柳眉と長い睫毛に彩られた瞳、仄かな色気を浮かべた口許が、成熟した女のフェロモンを漂わせている。
浴場で見たあの白い裸身が、また知彦の脳裏に蘇ってきた。
(・・清子)
慌てて知彦は、淫らな妄想を振り払うように、清子の純真な笑顔を想い浮かべた。
まだ青く酸っぱい果実にも似た清子は、初々しい清冽な美しさを煌かせていた。
だがそんな清子に愛おしさを覚えながらも、知彦は目の前に置かれた甘く熟した果実に、裏切りの蠱惑を抱かずにはいられなかった。
一馬は、何度も美幸に目配せしながら、根掘り葉掘り知彦のことを尋ねてきた。
「久喜君、恋人はいるの?」
「あ、いえ、まだ・・」
ふと清子を思い浮かべたが、まだ恋人と呼ぶのはおこがましいかと堪えた。
「じゃあ、まだ童貞かな?」
「えっ・・ええ・・まあ・・」
そう一馬に図星をつかれた知彦は、赤面してちらっと美幸の表情を窺った。
「あなたったら久喜さんに失礼よ」
美幸は一馬を叱りながらも、艶っぽい微笑を口唇の端に浮かべている。
「あはは、ごめんよ、久喜君。でも覚えておいた方がいい。女を聖なるものとして憧れられるのは、女を知らない童貞の間だけだぞ」
「・・はあ」
「一度女のアソコを見たら、百年の恋も一遍に冷めてしまうからな」
「あなた!」
一馬の膝を叩いた美幸は、身の置きどころがないようにもじもじと体をよじった。
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