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『喝采』・・・第十一章

      『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
       
第十一章

美咲は低く呻いた。

「お、お願い・・もうベッドへ連れて行って・・」

「駄目だ。お前が俺の性奴隷であることを世間に教えてやる」

そう冷たく言い放った逸見は、背後から美咲のヒップを引き寄せて抱えた。
そして両手を窓ガラスに突いてヒップを掲げる美咲へ、すでにいきり立った男性をいきなり押し入れてきた。
美咲は上半身を仰け反らせた。

「ああっ、そんな・・」

逸見がぐいぐいと激しく腰を突き上げてくる。淫蜜は溢れているが、いきなり男性を迎えた秘宮はギシギシと軋んだ。

「あ、いいっ・・いいの・・お、奥まで当たるうぅ!」

大きく開かされた両脚の頂点で、逸見の逞しい男性が淫蜜の光沢をまとって躍動する。
立ったまま背後から逸見に犯され、豊かな乳房が千切れんばかりに上下に揺れている。

窓ガラスに反射した美咲の顔は、眉間に皺を寄せて懸命に湧き上る悦楽に堪えていた。
美咲は激しく吼えた。

「あ、愛している・・うぐぅ、あなたを愛しているのよっ!」

堪えきれず、美咲は深く逸見に杭打たれたヒップを左右に揺すった。

「あっ、あっ、あっ・・だ、だめぇ・・」

鋼のように屹立した男性で秘宮を掻き回され、額を窓に押し当てたまま、美咲は狂ったように身悶えた。

「ま、守って・・お願い・・私をずっと守っていて・・」

つづく・・・

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『喝采』・・・第十二章

      『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
       
第十二章

立ったままの不安定な姿勢の美咲は、無意識に逸見の体を捜して、鳥が羽ばたくように両腕を背中へ伸ばした。
いくらマスコミに持ち上げられようが、女にとって社長業は精神的に激務だった。

船の舳先に立って暗闇の海を航海するが如く、美咲は日夜不安とストレスに襲われていた。
そんな美咲の羅針盤が逸見にほかならなかった。

厳しいビジネスの世界で、逸見だけが美咲を理解してくれた。
ただの女でいられるのは逸見の前でだけだった。

美咲は逸見に犯されながら、従える男がいる喜びと安堵を感じていた。
逸見は美咲の両腕をつかんだ。

「見ろ、まるで二人で東京の夜を飛んでいるみたいだ」

美咲の両腕を後ろに引っ張ったまま、逸見は激しく腰を突き上げた。

「だ、だめっ・・も、もういっちゃう・・ああっ!」

背後から逸見に抱きかかえられ、ふっと意識が遠退いていくのを覚えた。

つづく・・・

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『喝采』・・・第十三章

      『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
       
第十三章

さいたま市にある鉄道博物館。
言わずと知れた鉄道マニアの聖地だが、今や入場規制が行われるほど、幅広い見学者を集める観光スポットになっている。

蒸気機関車から新幹線まで、各時代の名車が三十六輌展示保存されているほか、運転シミュレーターや日本最大の模型鉄道ジオラマもある。

初めて不思議な空間に足を踏み入れた美咲は、くらくらと目眩に近い途惑いを感じた。

「凄いだろう、大志。これは特急『あいづ』のクモハ481。こっちは中央線仕様でオレンジ色のクモハ101だ!」

隣を歩く夫の三浦弘明が、興奮した表情で幼稚園年中組の大志に指差して説明する。大志はやや怯えた顔をして、いつもは大人しい父親の変貌ぶりをポカンと見上げた。

十二月の休日、美咲はたまの休みが取れ、家族で鉄道博物館へ遊びに来ていた。
むろん弘明の提案である。

弘明は筋金入りの鉄道好きで、本人が語るところでは、『撮り鉄』と分類される写真撮影を重視するマニアらしい。

本人は何度も一人で訪れているらしいが、美咲と大志を連れてくるのは初めてだった。
弘明は大志の手を引いて博物館を所狭しと歩き回った。

「大志、あれが蒸気機関車のC57だ。かっこいいだろう」

何が楽しいのか、鉄道音痴の美咲にはまったくわからなかった。
ただ家庭サービスと割り切って、呆れながら夫と子供の後をついて見学した。

弘明は三十九歳、以前美咲もいた大手食品会社で、今も業務管理部の係長を勤めている。
特に仕事ができるわけでもなく、取り立てて何の取り柄もない平凡なサラリーマンだった。

社交的で活発な美咲とは正反対に、普段は家に閉じこもって、撮り溜めた鉄道写真を整理するのを楽しみにしていた。

つづく・・・

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『喝采』・・・第十四章

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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
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第十四章

この不釣合いな夫婦は社内恋愛だった。
当時弘明と同じ職場にいた美咲は、年若く業務管理部長に昇格した男と社内不倫していた。

出世頭と目される男に興味を持ったからだ。
だがつきあってみると、美咲の眼鏡に適う男ではなかった。

美咲が別れを切り出すと、男は上司の立場を利用して陰湿ないじめを仕掛けてきた。
困った美咲が相談したのが、四つ年上の同僚弘明だった。

親しくも信頼していたわけでもなかったが、職場に友人も少ない寡黙な男に、美咲は怒りの捌け口をぶつけてみたのだった。

「僕と結婚して会社を辞めたらいい」

普段は存在感のない昼行灯の弘明が、その時ばかりはきっぱりと言い切った。
ふしだらな不倫女と知りながら、美咲を嫁にしたいとプロポーズしたのだった。

美咲は感動した。
その一言にほだされ、美咲は半ば衝動的に弘明と結婚した。
結婚式では皆が訝しがった。

ひょろっと貧弱な体躯に分厚い眼鏡をかけた醜男の弘明と、美貌を誇る美咲との結婚は傍目にも不釣合いだったからだ。
だが感動が薄れると、ミスマッチは重く圧し掛かってきた。

プロポーズの一言は奇跡だったのか、結婚してみると、やはり弘明は平凡でつまらない男だった。
ぐいぐいと引っ張ってくれるどころか、自分の我を一切出すことなく、いつもニコニコ笑って執事の如く美咲につき従った。
 
つづく・・・

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『喝采』・・・第十五章

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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
       
第十五章

美咲は結婚を後悔した。
だがそれは、逸見が現れるまでは過ぎた望みだった。

この世に美咲を服従させる男など、そう易々といるはずもない。
ならば平凡でぼんやりした男の方が、美咲にとっては何かと扱いやすいと考え直したのだった。

関東製薬に再就職して、逸見の東京妻になってからも、弘明は疑いもせず美咲を応援してくれた。
接待で帰りが遅くても、逸見とホテルで外泊しても、大変だねとニコニコ笑って家へ迎えてくれた。

家事や育児を積極的に助けてくれる弘明は、恋と仕事で寝る間もない美咲にとって、結果的にこの上ない好都合な夫だった。

屋外の気動車キハ11の前で弘明が呼んだ。

「ここで写真を撮ろう」

弘明は大志を立たせると、巨大なレンズを装着したカメラを構えた。

「ママ、早く」

美咲ははしゃぐ大志を背後から抱き締めた。
家庭には収まらない美咲だが、大志は目の中に入れても痛くないほど可愛かった。

片時も離れていたくなかった。
大志をこうして抱いていると、社長業や逸見の東京妻をも擲ってもいいさえ思えた。

「大志、笑って」

サラサラとした大志の髪を撫でながら、美咲は眩しい弘明のフラッシュを浴びた。
昼過ぎ、まだ弘明は鉄道博物館を飛び回っていたが、興味のない美咲はいい加減にうんざりしてきた。

つづく・・・

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『喝采』・・・第十六章

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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
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第十六章

時間が惜しかった。
大志と一緒にいるのは楽しいが、ビジネスのことが頭から離れなかった。
あの夜、美咲は逸見に十億円の増資を持ちかけた。

「私、エターナルをもっと大きくしたいの」

「・・・・」

「今のままでは、大手化粧品会社に太刀打ちできないし、黒字にするためには高級化粧品が必要なの」

「しかし時期尚早じゃないか?」

「逆にチャンスだと思うの。あなたが言う通り、私はエターナルの広告塔よ。もっと主婦層に知名度を高めて、一気に高級化粧品分野へも進出するべきだわ」

「・・しばらく考えさせてくれ。最近会社のルールも厳しくなってね。俺の一存では決められないことも増えてきたんだ」

苦りきった顔をつくった逸見は、そう答えて美咲を家に帰したのだった。
美咲は焦った。

十億円程度の投資など、独裁者である逸見の力を以ってすれば、大した金額ではないはずだった。
にもかかわらず、美咲の申し出に即決しないのは、何か理由でもあるのか気がかりになっていた。

屋外のベンチに腰かけたまま、美咲は逸見の態度を思い悩んだ。
大志が心配そうに美咲の顔を覗き込んだ。

「ママ、疲れちゃったの?」

「うん、大丈夫よ。ごめんね」

気丈さを大志に見せると、美咲は弘明がうろついている館内へ戻ろうとした。
突然携帯が鳴った。

「はい、三浦ですが」

「休日でお休みのところ申し訳ありません。私、エターナルの馬場です」

電話の主は専務の馬場守だった。

「あら、どうしたんですか?」

「いえ、電話で恐縮ですが、私ごとでお願いがありまして・・実は、会社を辞めさせて戴きたいのです」
 
つづく・・・

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『喝采』・・・第十七章

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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
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第十七章

美咲は吃驚して大声を出した。

「ど、どうして・・高級化粧品が気に入らないから?」

「そんなことはありません。あくまで私的な都合でして・・」

「考え直してよ。今、馬場さんに辞められたら、会社がどうなると思っているの?」

「本当に勝手で済みませんが・・」

「ねえ、今から会社へ来て! ちゃんと話しましょう」

美咲はそう念押しして携帯を切った。
大志が不安そうな顔で美咲を見上げた。

「ママ、どうしたの? 恐い顔して・・」

美咲は強張った顔で必死に笑顔をつくった。

「ごめんね。ママこれから会社へ行かないといけなくなっちゃったの・・ほら、あそこにパパがいるから、言うことを聞いていい子にしているのよ」

大志を弘明の許へ連れて行くと、美咲は事情を話して急ぎ鉄道博物館を後にした。
美咲はぎゅっと口唇を噛んだ。

馬場がいなければ、高級化粧品への進出どころか、エターナル社の売上が激減するのは明らかだった。
社員も動揺するに違いない。

美咲は東京へ向かう列車の中で、じっと瞼を閉じて馬場を引き止める手立てを考えた。
だが瞼に浮かんだのは、別れ際に見せた大志の哀しそうな顔だけだった。

つづく・・・

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『喝采』・・・第十八章

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第十八章

険しい箱根の山道を車は登って行く。
後部座席の窓からは、立ち枯れた木々に彩られた山々が、闇を孕んだ空に同化して黒ずんでいくのが見える。
美咲は運転手に尋ねた。

「会食に間に合うかしら?」

「はい。逸見社長とお客様は五時頃に到着しております。会食は六時半からです」

「そう・・」

時計に目を遣ると、針は五時半を指していた。強羅へはあと十五分もあれば着くだろう。
今日の午後、美咲は逸見から箱根へ来るように命じられた。

全国展開する大手ドラッグの会長である鮫洲久永を、関東製薬が保有する箱根の保養所で接待すると言う。
薬局向けの大衆薬を持つ関東製薬にとって、ドラッグストアは医療機関と並んで重要な得意先である。

それはエターナル社にとっても同じだった。
もし鮫洲のドラッグストアに化粧品を置いてもらえれば、売上は現在の何倍に増えるか想像もつかない。

そのコネづくりのために、逸見は美咲を会食に同席させるつもりなのだろう。
美咲は流れていく車窓の闇をぼんやりと眺めた。

エターナル社は危機的状況にあった。
説得も虚しく、結局馬場は会社を辞めた。

すると今まで取り扱ってくれていたドラッグストアは、掌を返したように、店頭からエターナル社の化粧品を外し始めたのだ。

つづく・・・

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『喝采』・・・第十九章

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だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
       
第十九章

売上が激減して社内は動揺した。
今日も午前中、美咲はトイレの中で女性社員のヒソヒソ話を聞いた。

「馬場専務を辞めさせたのは三浦社長らしいわよ」

「何様のつもりかしら。有名人気取りのお神輿社長じゃ、この会社もいよいよ危ないかもね」

「三浦社長って関東製薬社長の愛人でしょう?」

「そうよ、偉そうに女性起業家とかテレビで言っているけど、パトロンに店を持たせてもらったホステスと同じよ」

ボックスの中に美咲がいるとも知らず、女性社員達は経営能力ゼロの淫売社長と嘲笑った。
美咲は社内で針の筵に座らされていた。

会社を維持する重責に胃はキリキリと痛み、社員の不信に捌け口のないストレスは溜まる一方だった。
今となって頼れるのは逸見しかいない。

鮫洲を接待するのも重要だが、今夜は宙に浮いた十億円の増資を再度頼み込むつもりでいた。
やがて車は保養所の門を潜った。

厚生施設の看板を掲げているが、実際は関東製薬が総力をつぎ込んで建設した迎賓館だった。
風情のある日本庭園に、数寄屋造りの大きな母屋がどっしりと構えている。

そして超VIP用には、瀟洒な温泉つきの離れが用意されていた。
ライトアップされた庭園に面した離れで、三人だけの会食が始まった。

お雇いの和食料理人の手で、京都でもなかなか味わえない繊細な懐石が饗される。
漆塗りの座卓を挟んで鮫洲と逸見が向かい合い、美咲は来賓の隣に酌婦として座らされた。

つづく・・・

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『喝采』・・・第二十章

      『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
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第二十章

浴衣に褞袍姿の鮫洲は、満足そうに舌鼓を打った。

「こら、ええ隠れ家や、逸見君」

「有難うございます。先輩に喜んで戴けて嬉しい限りです」

普段は頭など下げることのない逸見が、でっぷりと太った禿頭の老人に媚びへつらった。
鮫洲は六十二歳、一代で巨大ドラッグチェーンを立ち上げた立志伝中の人物である。

鮫洲は大阪の出身で、逸見が出た高校柔道部のOBに当たる。
関東製薬が大きく発展できたのも、鮫洲との人脈が大きく影響していると言われていた。
美咲は浴衣の袖を手繰って鮫洲へ徳利を傾けた。

「しかも美しいご婦人のお酌つきとは極楽浄土や」

「あら、もう姥桜ですわ」

「いやいや、テレビで見るよりずっと美しい。こんな女性に惚れられる逸見君が羨ましい限りや」

鮫洲は、美咲が東京妻であることを知っているらしい。
だが真っ赤に茹で上がった顔で美咲を見つめると、大胆にも鮫洲は座卓の下から太腿へ手を伸ばしてきた。

年を取っても、その目にはまだ男の欲望が燃え盛っていた。
蠢く手を知ってか知らずか、逸見は愛想よく鮫洲のご機嫌を窺った。

「先輩のお望みと伺いまして、すぐに三浦君を東京から呼び寄せました。彼女も先輩にお会いできて光栄でしょう」

「うん、そうかね・・確かあんたは化粧品会社の社長をしているじゃったな」

「はい、小さな会社ですが、エターナル・コスメティックスと申します」

「わしの店でも化粧品は扱っておる。相談があれば何でも聞いてやるぞ」

「宜しくお願い致します」

つづく・・・

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プロフィール

紅殻格子 

Author:紅殻格子 
紅殻格子は、別名で雑誌等に官能小説を発表する作家です。

表のメディアで満たせない性の妄想を描くためブログ開設

繊細な人間描写で綴る芳醇な官能世界をご堪能ください。

ご挨拶
「妄想の座敷牢に」お越しくださいまして ありがとうございます。 ブログ内は性的描写が多く 含まれております。 不快と思われる方、 18歳未満の方の閲覧は お断りさせていただきます。               
児童文学 『プリン』
  
『プリン』を読む
臆病で甘えん坊だった仔馬は、サラブレッドの頂点を目指す名馬へと成長する。
『プリン』
だが彼が探し求めていたものは、 競走馬の名誉でも栄光でもなかった。ちまちました素人ファンタジーが横行する日本の童話界へ、椋鳩十を愛する官能作家が、骨太のストーリーを引っ提げて殴り込みをかける。
日本動物児童文学賞・環境大臣賞を受賞。
『プリン』を読む

作 品 紹 介
※ 小説を読まれる方へ・・・   更新記事は新着順に表示されますので、小説を最初からお読みになりたい方は、各カテゴリーから選択していただければ、第一章からお読みいただけます。
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