『喝采』・・・第十七章
『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第十七章
美咲は吃驚して大声を出した。
「ど、どうして・・高級化粧品が気に入らないから?」
「そんなことはありません。あくまで私的な都合でして・・」
「考え直してよ。今、馬場さんに辞められたら、会社がどうなると思っているの?」
「本当に勝手で済みませんが・・」
「ねえ、今から会社へ来て! ちゃんと話しましょう」
美咲はそう念押しして携帯を切った。
大志が不安そうな顔で美咲を見上げた。
「ママ、どうしたの? 恐い顔して・・」
美咲は強張った顔で必死に笑顔をつくった。
「ごめんね。ママこれから会社へ行かないといけなくなっちゃったの・・ほら、あそこにパパがいるから、言うことを聞いていい子にしているのよ」
大志を弘明の許へ連れて行くと、美咲は事情を話して急ぎ鉄道博物館を後にした。
美咲はぎゅっと口唇を噛んだ。
馬場がいなければ、高級化粧品への進出どころか、エターナル社の売上が激減するのは明らかだった。
社員も動揺するに違いない。
美咲は東京へ向かう列車の中で、じっと瞼を閉じて馬場を引き止める手立てを考えた。
だが瞼に浮かんだのは、別れ際に見せた大志の哀しそうな顔だけだった。
つづく・・・
『不如帰~永遠の嘘』『色褪せぬ薔薇』 携帯小説サイト配信情報
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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第十七章
美咲は吃驚して大声を出した。
「ど、どうして・・高級化粧品が気に入らないから?」
「そんなことはありません。あくまで私的な都合でして・・」
「考え直してよ。今、馬場さんに辞められたら、会社がどうなると思っているの?」
「本当に勝手で済みませんが・・」
「ねえ、今から会社へ来て! ちゃんと話しましょう」
美咲はそう念押しして携帯を切った。
大志が不安そうな顔で美咲を見上げた。
「ママ、どうしたの? 恐い顔して・・」
美咲は強張った顔で必死に笑顔をつくった。
「ごめんね。ママこれから会社へ行かないといけなくなっちゃったの・・ほら、あそこにパパがいるから、言うことを聞いていい子にしているのよ」
大志を弘明の許へ連れて行くと、美咲は事情を話して急ぎ鉄道博物館を後にした。
美咲はぎゅっと口唇を噛んだ。
馬場がいなければ、高級化粧品への進出どころか、エターナル社の売上が激減するのは明らかだった。
社員も動揺するに違いない。
美咲は東京へ向かう列車の中で、じっと瞼を閉じて馬場を引き止める手立てを考えた。
だが瞼に浮かんだのは、別れ際に見せた大志の哀しそうな顔だけだった。
つづく・・・
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