『喝采』・・・第十四章
『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第十四章
この不釣合いな夫婦は社内恋愛だった。
当時弘明と同じ職場にいた美咲は、年若く業務管理部長に昇格した男と社内不倫していた。
出世頭と目される男に興味を持ったからだ。
だがつきあってみると、美咲の眼鏡に適う男ではなかった。
美咲が別れを切り出すと、男は上司の立場を利用して陰湿ないじめを仕掛けてきた。
困った美咲が相談したのが、四つ年上の同僚弘明だった。
親しくも信頼していたわけでもなかったが、職場に友人も少ない寡黙な男に、美咲は怒りの捌け口をぶつけてみたのだった。
「僕と結婚して会社を辞めたらいい」
普段は存在感のない昼行灯の弘明が、その時ばかりはきっぱりと言い切った。
ふしだらな不倫女と知りながら、美咲を嫁にしたいとプロポーズしたのだった。
美咲は感動した。
その一言にほだされ、美咲は半ば衝動的に弘明と結婚した。
結婚式では皆が訝しがった。
ひょろっと貧弱な体躯に分厚い眼鏡をかけた醜男の弘明と、美貌を誇る美咲との結婚は傍目にも不釣合いだったからだ。
だが感動が薄れると、ミスマッチは重く圧し掛かってきた。
プロポーズの一言は奇跡だったのか、結婚してみると、やはり弘明は平凡でつまらない男だった。
ぐいぐいと引っ張ってくれるどころか、自分の我を一切出すことなく、いつもニコニコ笑って執事の如く美咲につき従った。
つづく・・・
『不如帰~永遠の嘘』『色褪せぬ薔薇』 携帯小説サイト配信情報
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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第十四章
この不釣合いな夫婦は社内恋愛だった。
当時弘明と同じ職場にいた美咲は、年若く業務管理部長に昇格した男と社内不倫していた。
出世頭と目される男に興味を持ったからだ。
だがつきあってみると、美咲の眼鏡に適う男ではなかった。
美咲が別れを切り出すと、男は上司の立場を利用して陰湿ないじめを仕掛けてきた。
困った美咲が相談したのが、四つ年上の同僚弘明だった。
親しくも信頼していたわけでもなかったが、職場に友人も少ない寡黙な男に、美咲は怒りの捌け口をぶつけてみたのだった。
「僕と結婚して会社を辞めたらいい」
普段は存在感のない昼行灯の弘明が、その時ばかりはきっぱりと言い切った。
ふしだらな不倫女と知りながら、美咲を嫁にしたいとプロポーズしたのだった。
美咲は感動した。
その一言にほだされ、美咲は半ば衝動的に弘明と結婚した。
結婚式では皆が訝しがった。
ひょろっと貧弱な体躯に分厚い眼鏡をかけた醜男の弘明と、美貌を誇る美咲との結婚は傍目にも不釣合いだったからだ。
だが感動が薄れると、ミスマッチは重く圧し掛かってきた。
プロポーズの一言は奇跡だったのか、結婚してみると、やはり弘明は平凡でつまらない男だった。
ぐいぐいと引っ張ってくれるどころか、自分の我を一切出すことなく、いつもニコニコ笑って執事の如く美咲につき従った。
つづく・・・
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