『人外境の花嫁』三.青楼街の偏執狂(十一)
『人外境の花嫁』
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三.青楼街の偏執狂 (十一)
降矢木は続けた。
「実はハプニングバーの系統は、昨今始まったものではなく、五十年前の同伴喫茶から続いているのです」
「同伴喫茶?」
秋月は懐手に唸ったが、その名を初めて聞く月絵は、喫茶店はむしろ一人で行く方が珍しいのにと首を捻った。
同伴喫茶とは、元々ジャズ喫茶や名曲喫茶の同伴席が進化したものである。
暗い店内で背の高いソファが飛行機の座席のように同方向に並ぶだけで、そこにはプライバシーを守る壁もなく、カップルは周囲にいる男女の性愛が垣間見られる仕組みになっていた。
秋月が降矢木を遮った。
「確かに同伴喫茶とハプバーは、どちらもカップル同志で行くところだが・・」
「同伴喫茶、カップル喫茶、そしてハプバーへと続く流れは、複数の男女が性空間の共有を求めるものなのです」
あっと秋月が声を上げた。
「そういうことか・・確かに同伴喫茶へ行くと、他の淫らなカップルが刺激になったものだよ。その窃視癖と露出癖がエスカレートして、今のカップル喫茶やハプバーになったと言うことか」
「秋月さん、人間は乱交に言い知れぬ欲望を持っているのです。それは太古の昔から、人間のDNAに刻み込まれた欲望なのです」
やっと乱交の意味がわかった月絵は、顔を赤らめながら憤然と降矢木を睨んだ。
「先生、それは間違っています。乱交なんて一部のふしだらな人間がする変態行為です」
「せ、先生、私も同感です。乱交が人間の持つ性欲の根源だなんて・・アダムとイヴの昔から、男と女は一対一で愛し合う生き物じゃありませんか」
納得がいかないのか、畠山は月絵の援護射撃をした。
つづく…
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降矢木は続けた。
「実はハプニングバーの系統は、昨今始まったものではなく、五十年前の同伴喫茶から続いているのです」
「同伴喫茶?」
秋月は懐手に唸ったが、その名を初めて聞く月絵は、喫茶店はむしろ一人で行く方が珍しいのにと首を捻った。
同伴喫茶とは、元々ジャズ喫茶や名曲喫茶の同伴席が進化したものである。
暗い店内で背の高いソファが飛行機の座席のように同方向に並ぶだけで、そこにはプライバシーを守る壁もなく、カップルは周囲にいる男女の性愛が垣間見られる仕組みになっていた。
秋月が降矢木を遮った。
「確かに同伴喫茶とハプバーは、どちらもカップル同志で行くところだが・・」
「同伴喫茶、カップル喫茶、そしてハプバーへと続く流れは、複数の男女が性空間の共有を求めるものなのです」
あっと秋月が声を上げた。
「そういうことか・・確かに同伴喫茶へ行くと、他の淫らなカップルが刺激になったものだよ。その窃視癖と露出癖がエスカレートして、今のカップル喫茶やハプバーになったと言うことか」
「秋月さん、人間は乱交に言い知れぬ欲望を持っているのです。それは太古の昔から、人間のDNAに刻み込まれた欲望なのです」
やっと乱交の意味がわかった月絵は、顔を赤らめながら憤然と降矢木を睨んだ。
「先生、それは間違っています。乱交なんて一部のふしだらな人間がする変態行為です」
「せ、先生、私も同感です。乱交が人間の持つ性欲の根源だなんて・・アダムとイヴの昔から、男と女は一対一で愛し合う生き物じゃありませんか」
納得がいかないのか、畠山は月絵の援護射撃をした。
つづく…
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