『人外境の花嫁』三.青楼街の偏執狂 (十七)
『人外境の花嫁』
FC2 Blog Ranking
三.青楼街の偏執狂 (十七)
降矢木はにっこり秋月に微笑んだ。
「簡単ですよ。秋月さんが経営しているソープで、五回以上同じソープ嬢を指名したお客さんに、VIPルームへの入室権を与えればいいんです」
「VIPルーム?」
「ええ、そこは衝立や壁もない、如何なる性欲でさえも衆目に曝される場なのです」
しばらくぼんやりと降矢木を見ていた秋月は、そうかと叫んで膝を叩いた。
降矢木はメモ帳を出して、さらさらとVIPルームの間取りを書き始めた。
ソープの最上階フロアの壁をぶち抜き、巨大なオープン・スペースをつくる。
中央には健康ランドにも負けない浴槽を設え、カウンターバーやホームシアター、ヒリヤード台などの娯楽設備を周囲に設える。
「でも照明はやや暗くして、ちょっとした秘密クラブのような内装がいいでしょうね」
むろんソファとベッドは、仕切りもなくお互いから見えるアングルで無造作に置く。
秋月が唸った。
「うちのソープ嬢を抱くのに、個室ではなくオープンルームを使うわけか・・」
「そうです。これなら離婚覚悟で女房を口説かなくても、手軽に乱交の雰囲気を楽しむことができます」
「しかし五回以上指名する意味は?」
「乱交の面白さは、そのもの以外に、他人に女を寝取られるマゾヒズムが必要です。だからソープ嬢と親密さがないと、なかなか長続きしないと思います」
「そうか、疑似恋人を寝取られることで、逆に嫉妬という本物に近い恋愛感情を彼女達に抱くんだね」
秋月は感心したように頷くと、設備投資にかかる費用を計算し始めた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。
FC2 Blog Ranking
三.青楼街の偏執狂 (十七)
降矢木はにっこり秋月に微笑んだ。
「簡単ですよ。秋月さんが経営しているソープで、五回以上同じソープ嬢を指名したお客さんに、VIPルームへの入室権を与えればいいんです」
「VIPルーム?」
「ええ、そこは衝立や壁もない、如何なる性欲でさえも衆目に曝される場なのです」
しばらくぼんやりと降矢木を見ていた秋月は、そうかと叫んで膝を叩いた。
降矢木はメモ帳を出して、さらさらとVIPルームの間取りを書き始めた。
ソープの最上階フロアの壁をぶち抜き、巨大なオープン・スペースをつくる。
中央には健康ランドにも負けない浴槽を設え、カウンターバーやホームシアター、ヒリヤード台などの娯楽設備を周囲に設える。
「でも照明はやや暗くして、ちょっとした秘密クラブのような内装がいいでしょうね」
むろんソファとベッドは、仕切りもなくお互いから見えるアングルで無造作に置く。
秋月が唸った。
「うちのソープ嬢を抱くのに、個室ではなくオープンルームを使うわけか・・」
「そうです。これなら離婚覚悟で女房を口説かなくても、手軽に乱交の雰囲気を楽しむことができます」
「しかし五回以上指名する意味は?」
「乱交の面白さは、そのもの以外に、他人に女を寝取られるマゾヒズムが必要です。だからソープ嬢と親密さがないと、なかなか長続きしないと思います」
「そうか、疑似恋人を寝取られることで、逆に嫉妬という本物に近い恋愛感情を彼女達に抱くんだね」
秋月は感心したように頷くと、設備投資にかかる費用を計算し始めた。
つづく…
皆様から頂くが小説を書く原動力です
人気ブログランキング~愛と性~
紅殻格子の日記は「黄昏時、西の紅色空に浮かぶ三日月」に記載しています。