『独りぼっちの部屋』 ・・・第十四章
『独りぼっちの部屋』
第十四章
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隆正は缶ビールを開けた。
(子供の頃に戻ったようだ)
さすがに台所とトイレは共用ではなかったが、この部屋は横浜のアパートを彷彿とさせた。
肩肘を張らなくていい気楽さと安堵感があった。
すっかり部屋に馴染んだ隆正は、これが身の丈に合った暮らしなのかと思い知らされた。
隆正は耳を澄ませた。
「ああん、厭よ・・隣に聞えちゃうわ・・」
「・・もっと挑発してあげれば・・お隣は侘しい単身赴任のサラリーマンだから、色っぽい喘ぎ声がおかずになるんだよ」
偶然、この懐かしいアパートには、もう一つの密かな楽しみがあった。
少年時代に暮らしたアパートと同様、安普請の壁から隣室の声が洩れ聞こえるのだ。
先ほど外廊下で会った女の声は、すでに体を弄られているのか、呼吸を荒げて艶かしさを帯びていた。
隣の大学生は、代わる代わる女を部屋へ連れ込んでいた。
まだあどけなさが残る子供っぽい顔立ちだが、相当なやり手らしく、高校生からOLまで、片手にあまる女の艶声を隆正は聞かされていた。
だが今日初めて会った人妻には隆正も驚いた。
スーパーへ行けばいくらでも見かける平凡な主婦だった。
二の腕がぷよぷよした小太りで、久しぶりの念入りな化粧だったのか、素顔がわからないほど厚く塗りたくっていた。
密やかな会話が続く。
「今日はどうやって家を出てきたの?」
「主婦仲間とランチするって・・ああ、もっと強く・・」
「由紀ちゃんは?」
「ああん・・今日は中学の部活でいないわ・・」
「じゃ、ご主人は独りぼっち?」
「やめて、主人のことなんか・・せっかくユウ君に会いに来たんだから・・」
つづく…
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(子供の頃に戻ったようだ)
さすがに台所とトイレは共用ではなかったが、この部屋は横浜のアパートを彷彿とさせた。
肩肘を張らなくていい気楽さと安堵感があった。
すっかり部屋に馴染んだ隆正は、これが身の丈に合った暮らしなのかと思い知らされた。
隆正は耳を澄ませた。
「ああん、厭よ・・隣に聞えちゃうわ・・」
「・・もっと挑発してあげれば・・お隣は侘しい単身赴任のサラリーマンだから、色っぽい喘ぎ声がおかずになるんだよ」
偶然、この懐かしいアパートには、もう一つの密かな楽しみがあった。
少年時代に暮らしたアパートと同様、安普請の壁から隣室の声が洩れ聞こえるのだ。
先ほど外廊下で会った女の声は、すでに体を弄られているのか、呼吸を荒げて艶かしさを帯びていた。
隣の大学生は、代わる代わる女を部屋へ連れ込んでいた。
まだあどけなさが残る子供っぽい顔立ちだが、相当なやり手らしく、高校生からOLまで、片手にあまる女の艶声を隆正は聞かされていた。
だが今日初めて会った人妻には隆正も驚いた。
スーパーへ行けばいくらでも見かける平凡な主婦だった。
二の腕がぷよぷよした小太りで、久しぶりの念入りな化粧だったのか、素顔がわからないほど厚く塗りたくっていた。
密やかな会話が続く。
「今日はどうやって家を出てきたの?」
「主婦仲間とランチするって・・ああ、もっと強く・・」
「由紀ちゃんは?」
「ああん・・今日は中学の部活でいないわ・・」
「じゃ、ご主人は独りぼっち?」
「やめて、主人のことなんか・・せっかくユウ君に会いに来たんだから・・」
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