『あやかしの肌』・・・第十三章
『あやかしの肌』
第十三章
ネット小説ランキング>【R18官能部門】>あやかしの肌
(おや?)
竹の湯で働いて一五年、流しを頼む客の背中はたいがい覚えている。
ところが木札の前には見慣れない背中があった。
「お待たせしました」
「あら、済まないわね」
その女客と顔を見合わせて、思わず辰二は一歩後退りした。
昼間会った小料理屋の女将だった。
「まあ、昼間の・・お湯屋の三助さんだったのね」
「ど、どうも」
「厭ねえ、恥ずかしいわあ・・神田へ越してきて初めて頼んだ三助さんが、昼間顔を合わせた兄さんだなんて」
辰二の視線を警戒するように、女将はそっと手拭いで乳房を隠した。
だが鏡に映る顔には、男を挑発する妖婦の媚笑を含んでいた。
垢すりに石鹸をつけた辰二は、女将の背中をゆっくりと流し始めた。
一点の染みもない白い背中。
昼間陽射しの中で見た時よりも、乳白色の肌は深みのある青を湛えている。
それが垢すりで擦るたびに、ふわっと薄い紅を注したように色づく。
(こ、これは・・)
艶めかしさに辰二はごくっと生唾を呑み込んだ。
薄く肌理細かい肌から、熱い女の血潮が脈動とともに伝わってくる。
辰二は動揺を隠しながら、背中へざっと熱めの湯を流した。
そしてほんのり薄桃色に上気した肩に手拭いをかけ、上から指の腹でぐいぐいと揉み始めた。
(・・こんな肌があるのか)
軽く押せばとろけるような軟らかさ、そして強く押せばきゅっと引き締まった弾力がある。
その融通無碍な深みが、この世のものとは思えない法悦を肌に潜ませている。
つづく・・・
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(おや?)
竹の湯で働いて一五年、流しを頼む客の背中はたいがい覚えている。
ところが木札の前には見慣れない背中があった。
「お待たせしました」
「あら、済まないわね」
その女客と顔を見合わせて、思わず辰二は一歩後退りした。
昼間会った小料理屋の女将だった。
「まあ、昼間の・・お湯屋の三助さんだったのね」
「ど、どうも」
「厭ねえ、恥ずかしいわあ・・神田へ越してきて初めて頼んだ三助さんが、昼間顔を合わせた兄さんだなんて」
辰二の視線を警戒するように、女将はそっと手拭いで乳房を隠した。
だが鏡に映る顔には、男を挑発する妖婦の媚笑を含んでいた。
垢すりに石鹸をつけた辰二は、女将の背中をゆっくりと流し始めた。
一点の染みもない白い背中。
昼間陽射しの中で見た時よりも、乳白色の肌は深みのある青を湛えている。
それが垢すりで擦るたびに、ふわっと薄い紅を注したように色づく。
(こ、これは・・)
艶めかしさに辰二はごくっと生唾を呑み込んだ。
薄く肌理細かい肌から、熱い女の血潮が脈動とともに伝わってくる。
辰二は動揺を隠しながら、背中へざっと熱めの湯を流した。
そしてほんのり薄桃色に上気した肩に手拭いをかけ、上から指の腹でぐいぐいと揉み始めた。
(・・こんな肌があるのか)
軽く押せばとろけるような軟らかさ、そして強く押せばきゅっと引き締まった弾力がある。
その融通無碍な深みが、この世のものとは思えない法悦を肌に潜ませている。
つづく・・・











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