『あやかしの肌』・・・第十章
『あやかしの肌』
第十章
ネット小説ランキング>【R18官能部門】>あやかしの肌
子供でありながら、辰二は陶然と母の肌に魅惑された。
「・・母さん、背中に触っていい?」
「いいよ、でも変なことを言う子だこと」
笑いながら母は、体を洗うのを止めて背中を見せた。
そっと掌で撫でてみた。
物心ついて初めて触れた母の肌は、特殊な粘液でも塗っているのか、ねっとりと吸いついてくるような感じがした。
「母さんの背中、すごくも気持ちええ」
まるで皮膚と皮膚が溶け合い、掌が温かい母の体へと滲み入っていくようだった。
不意に母の背中が小刻みに震えた。
「ごめんよ・・幼いお前に不憫をかけてしまうね」
母は泣いているようだった。
母がいなくなってしまう気がして、辰二は白い背中にしがみついた。
「母ちゃん、どうして泣くの?」
涙の意味もわからないまま、辰二は頬を母の背中に押し当てて一緒に泣いた。
翌朝、母は家を出て行った。
以来三十年、二度と母に会うことはなかった。
だがその肌の感触は、その夜から永遠に辰二の掌へ刻まれたのだった。
つづく・・・
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物心ついて初めて触れた母の肌は、特殊な粘液でも塗っているのか、ねっとりと吸いついてくるような感じがした。
「母さんの背中、すごくも気持ちええ」
まるで皮膚と皮膚が溶け合い、掌が温かい母の体へと滲み入っていくようだった。
不意に母の背中が小刻みに震えた。
「ごめんよ・・幼いお前に不憫をかけてしまうね」
母は泣いているようだった。
母がいなくなってしまう気がして、辰二は白い背中にしがみついた。
「母ちゃん、どうして泣くの?」
涙の意味もわからないまま、辰二は頬を母の背中に押し当てて一緒に泣いた。
翌朝、母は家を出て行った。
以来三十年、二度と母に会うことはなかった。
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