『風媒花』・・・第二十二章
『風 媒 花』
第二十二章
知彦の脳に稲妻が走った。
「お願いだから、中に出して!」
絶頂を迎えた美幸の叫びが耳に蘇る。
知彦は妊娠する心配がない日だと早合点した。
だがあの積極的な美幸の態度が、受精を求める雌の本能だったとすれば・・
「ところで・・久喜君の血液型は?」
あの時、何故一馬は知彦の血液型を聞いたのか。
そして知彦が美幸と交わっていた時、あの背後に感じた視線は・・
知彦は顔面蒼白になった。
(まさか・・)
もし一馬が男性の不妊症ならば、旧家の血筋を絶やさないために、病院で人工授精を試みるに違いない。
男性が無精子である場合、医学生など第三者から精子の提供を受ける。
だがその精子の提供者は、生涯決して明かされることがないと言う。
(館内夫婦がそれを望まなかったとすれば)
一馬は、自分が選んだ男の遺伝子で、美幸を妊娠させたかったのだ。
そして白羽の矢が知彦に立った。
あの夜、酒盛りが始まる前、夫婦は知彦について議論を交わしたはずだ。
そして一馬も美幸も、知彦の遺伝子を自分達の子供とする決意をしたのだ。
むろん一馬は酔って寝た振りをして、美幸が受精する瞬間を隣室から見守っていたに違いない。
知彦は箸を持ったまま凍りついた。
昨日より会津の空は青く晴れていたが、知彦の心には、どんよりと黒い雲が一面に低く垂れこんでいた。
つづく・・・
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知彦の脳に稲妻が走った。
「お願いだから、中に出して!」
絶頂を迎えた美幸の叫びが耳に蘇る。
知彦は妊娠する心配がない日だと早合点した。
だがあの積極的な美幸の態度が、受精を求める雌の本能だったとすれば・・
「ところで・・久喜君の血液型は?」
あの時、何故一馬は知彦の血液型を聞いたのか。
そして知彦が美幸と交わっていた時、あの背後に感じた視線は・・
知彦は顔面蒼白になった。
(まさか・・)
もし一馬が男性の不妊症ならば、旧家の血筋を絶やさないために、病院で人工授精を試みるに違いない。
男性が無精子である場合、医学生など第三者から精子の提供を受ける。
だがその精子の提供者は、生涯決して明かされることがないと言う。
(館内夫婦がそれを望まなかったとすれば)
一馬は、自分が選んだ男の遺伝子で、美幸を妊娠させたかったのだ。
そして白羽の矢が知彦に立った。
あの夜、酒盛りが始まる前、夫婦は知彦について議論を交わしたはずだ。
そして一馬も美幸も、知彦の遺伝子を自分達の子供とする決意をしたのだ。
むろん一馬は酔って寝た振りをして、美幸が受精する瞬間を隣室から見守っていたに違いない。
知彦は箸を持ったまま凍りついた。
昨日より会津の空は青く晴れていたが、知彦の心には、どんよりと黒い雲が一面に低く垂れこんでいた。
つづく・・・
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