『遠距離夫婦』・・・第十八章
『遠距離夫婦』
※心も体も冷え切ってしまった夫婦。
そんな結婚生活にピリオドを打てとばかりに、夫は会社の転勤で単身赴任生活へ。
愛人か妻か・・・ぽっかりと夫の心に空いた隙間を埋めるのは?
第十八章
閉店後、へべれけの山下をアパートの隣室へ送り届けた和久は、ざっとシャワーを浴びて万年床に潜り込んだ。
隣室との壁から山下が鼻をすする音が聞こえてくる。
(山下さん、泣いているのか)
和久は胸を締めつけられるような思いがした。
山下の惨めな姿は、決して他人事ではなかった。
愛妻家の山下ですら、遠く離れてしまえば妻に安々と裏切られるのだ。
事実、あれほど愛した美穂はもういない。
距離の重さに和久はため息をついた。
(きっと清美も・・)
和久の心中に黒い疑惑がむくむくと湧き起こった。
それは子供が生まれてから見せた清美の豹変だった。
あれほど甘えたがりだった清美が、和久を必要としていなくなった裏には、何か理由がなくてはならない。
清美の背後に男の影がちらついた。
豹変は和久よりも愛する男ができたからに違いない。
だとすれば洋和が生まれた十年以上前から、清美は和久に隠れて不倫していたことになる。
(畜生! 俺は山下さん以下じゃないか)
和久は布団を被って必死に目を瞑った。
だが黒い影の男に抱かれる清美の姿は、なかなか脳裏から消えなかった。
黒い影の男に組み敷かれる清美。
真っ白な両脚を男の肩に担がれ、剥き出しの陰部を巨茎で貫かれている。
押し寄せる悦びに、乳房を激しく揺らし、髪を振り乱して錯乱する清美。
(ああ、清美・・)
確かに夫婦仲は悪い。
だが美穂を失っても、これほどまでに嫉妬の炎に焼かれることはなかった。
一緒に住んでいたら気づかなかった感情を、和久は遠く離れて初めて知らされた。
消えたとばかり思っていた清美への愛情は、熾き火のように静かに燃え続けていたのだ。
その夜、和久は悶々する体を持てあまし、なかなか眠りにつくことができなかった。
つづく・・・
『妄想の囲炉裏端・・・紅殻格子呟き日記』
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隣室との壁から山下が鼻をすする音が聞こえてくる。
(山下さん、泣いているのか)
和久は胸を締めつけられるような思いがした。
山下の惨めな姿は、決して他人事ではなかった。
愛妻家の山下ですら、遠く離れてしまえば妻に安々と裏切られるのだ。
事実、あれほど愛した美穂はもういない。
距離の重さに和久はため息をついた。
(きっと清美も・・)
和久の心中に黒い疑惑がむくむくと湧き起こった。
それは子供が生まれてから見せた清美の豹変だった。
あれほど甘えたがりだった清美が、和久を必要としていなくなった裏には、何か理由がなくてはならない。
清美の背後に男の影がちらついた。
豹変は和久よりも愛する男ができたからに違いない。
だとすれば洋和が生まれた十年以上前から、清美は和久に隠れて不倫していたことになる。
(畜生! 俺は山下さん以下じゃないか)
和久は布団を被って必死に目を瞑った。
だが黒い影の男に抱かれる清美の姿は、なかなか脳裏から消えなかった。
黒い影の男に組み敷かれる清美。
真っ白な両脚を男の肩に担がれ、剥き出しの陰部を巨茎で貫かれている。
押し寄せる悦びに、乳房を激しく揺らし、髪を振り乱して錯乱する清美。
(ああ、清美・・)
確かに夫婦仲は悪い。
だが美穂を失っても、これほどまでに嫉妬の炎に焼かれることはなかった。
一緒に住んでいたら気づかなかった感情を、和久は遠く離れて初めて知らされた。
消えたとばかり思っていた清美への愛情は、熾き火のように静かに燃え続けていたのだ。
その夜、和久は悶々する体を持てあまし、なかなか眠りにつくことができなかった。
つづく・・・
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