『遠距離夫婦』・・・第十四章
『遠距離夫婦』
※心も体も冷え切ってしまった夫婦。
そんな結婚生活にピリオドを打てとばかりに、夫は会社の転勤で単身赴任生活へ。
愛人か妻か・・・ぽっかりと夫の心に空いた隙間を埋めるのは?
第十四章
その時、玄関のドアを叩く音がした。
「新井さん、いる?」
和久がドアを開けると、隣室の山下秀樹が立っていた。
「今日は帰りが早いね。久しぶりに飲みに行かないか?」
「え、ええ」
買ってきたコンビニ弁当が気になったが、和久は会津でただ一人しかいない友達の誘いを断れなかった。
山下は、和久より五つ年上の四十五歳で、関東食糧という食品会社の会津支店に勤務している。
家は大宮にあり、子供はいないが、奥さんが小学校で教鞭をとっているため、和久と同じ単身生活を強いられている。
会津暮らしはすでに六年に及び、一人暮らしのイロハを教えてくれる先生でもあった。
居酒屋に着くと、二人は安いつまみで熱燗を飲み始めた。
「新井さん、単身生活には慣れたかい?」
「四月は無我夢中で気づかなかったんですが、ちょっと余裕ができると、一人暮らしの虚しさばかり感じてしまって・・」
「独りぼっちの自分と向き合う時期か」
山下は、単身赴任のわりにぶくぶくと太った体を丸め、小さなお猪口の縁を舐めるように口を窄めた。
「山下さんは単身が長いですけど、一人暮らしの寂しさも慣れてしまうものですか?」
「う~ん、慣れると言うより、六年も家を離れていると、この会津にしか居場所がなくなってしまうんだな」
「・・・・」
つづく・・・
『妄想の囲炉裏端・・・紅殻格子呟き日記』
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「新井さん、いる?」
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「今日は帰りが早いね。久しぶりに飲みに行かないか?」
「え、ええ」
買ってきたコンビニ弁当が気になったが、和久は会津でただ一人しかいない友達の誘いを断れなかった。
山下は、和久より五つ年上の四十五歳で、関東食糧という食品会社の会津支店に勤務している。
家は大宮にあり、子供はいないが、奥さんが小学校で教鞭をとっているため、和久と同じ単身生活を強いられている。
会津暮らしはすでに六年に及び、一人暮らしのイロハを教えてくれる先生でもあった。
居酒屋に着くと、二人は安いつまみで熱燗を飲み始めた。
「新井さん、単身生活には慣れたかい?」
「四月は無我夢中で気づかなかったんですが、ちょっと余裕ができると、一人暮らしの虚しさばかり感じてしまって・・」
「独りぼっちの自分と向き合う時期か」
山下は、単身赴任のわりにぶくぶくと太った体を丸め、小さなお猪口の縁を舐めるように口を窄めた。
「山下さんは単身が長いですけど、一人暮らしの寂しさも慣れてしまうものですか?」
「う~ん、慣れると言うより、六年も家を離れていると、この会津にしか居場所がなくなってしまうんだな」
「・・・・」
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