『愛憎の流砂」・・・第十八章
『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。
第十八章
青砥建設。
梅雨空が垂れ込める土曜日の午前、美幸は事務所で仕事に追われていた。
「独りぼっちの休日出勤なんて味気ないわね」
誰もいない事務所で、伝票を整理しながら美幸はぶつぶつ文句を言った。
月末で経理の仕事が溜まっていた。
愛美は小学校の行事で登校、正彦も接待ゴルフ、美幸は家事の合間を見つけて事務所へやってきた。
最近、経理の仕事だけでなく、青砥は美幸に社長秘書を兼務させていた。
スケジュール管理から資料の作成、昼であれば商用の同行まで依頼されるようになっていた。
もちろん給料は上げてもらったが、本来の経理業務が遅れ気味で、土日も暇を見つけては出勤しなければならなかった。
(我慢、我慢・・)
あと一年も働けば、過去の貯金も合わせて五百万円になる。
頭金さえできれば、大手銀行の出世街道を歩く正彦の給料で、四千万円のローンぐらい返していけるはずだった。
仕事が終わりかけた昼頃、ぶらりと青砥が事務所を訪れた。
「お疲れ様です」
「・・ああ」
元気よく挨拶する美幸に、不機嫌そうな顔で青砥は答えた。
「社長、昨日の二次会は遅かったんですか?」
「ふん・・」
昨夜、青砥は大手建設会社の部長を接待していた。
青砥建設にとって、大手建設会社からの下請け工事は重要な収入源である。
昨夜接待した部長は、青砥建設にとって会社の命運を握る大切な人脈だった。
つづく・・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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もちろん給料は上げてもらったが、本来の経理業務が遅れ気味で、土日も暇を見つけては出勤しなければならなかった。
(我慢、我慢・・)
あと一年も働けば、過去の貯金も合わせて五百万円になる。
頭金さえできれば、大手銀行の出世街道を歩く正彦の給料で、四千万円のローンぐらい返していけるはずだった。
仕事が終わりかけた昼頃、ぶらりと青砥が事務所を訪れた。
「お疲れ様です」
「・・ああ」
元気よく挨拶する美幸に、不機嫌そうな顔で青砥は答えた。
「社長、昨日の二次会は遅かったんですか?」
「ふん・・」
昨夜、青砥は大手建設会社の部長を接待していた。
青砥建設にとって、大手建設会社からの下請け工事は重要な収入源である。
昨夜接待した部長は、青砥建設にとって会社の命運を握る大切な人脈だった。
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