『愛憎の流砂』・・・第十四章
『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。
第十四章
まさに青砥は後者の典型だった。
強烈なリーダーシップで陣頭指揮しながらも、内面は無垢で子供のように鮮烈な感情を保っている。
それを大人びて隠そうとせず、開けっ広げのまま、ただただ素直に美幸の心へ伝えようとするのだった。
コホンと川上が咳をした。
「若、佐久田さんにはご主人がいらっしゃるのですよ」
青砥は美幸の手を握ったままにっこりと笑った。
「だから手だけで我慢しているんだよ。もし佐久田さんが独身だったら、このままホテルへ連れさらっているところだよ」
思わず美幸は噴き出した。
「社長、こんなオバサンでもいいんですか?」
「あっはは、とんでもない。実は面接の時、容姿で佐久田さんを採用したんだよ。ところが蓋を開ければ才色兼備だ。青砥建設には一挙両得だよ。これからも俺の片腕としてこの会社を助けて欲しい」
「・・は、はい」
底知れぬ青砥の魅力に美幸は心が揺れた。
できるだけ感情を押し殺し、頑なに計算づくで生きてきた美幸だった。
だが青砥と言う男の大きさに触れるたび、美幸の心に思いもよらない感情が忍び込んでくる。
はっと美幸は我に返った。
気づかぬうちに、美幸は青砥の世界に惹き込まれていた。
青砥を助けたい。
青砥を立派な男にしたい。
そして青砥に・・・
(いけないわ)
押し寄せる熱い感情の波を掻き消すため、美幸は九十九里浜にいた頃の母を思い返した。
男にすがって生きる愚かな母。
その屈辱的な女の惨めさを反面教師にすることで、かろうじて美幸は、青砥への想いに揺れる心を抑えるのだった。
つづく・・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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「だから手だけで我慢しているんだよ。もし佐久田さんが独身だったら、このままホテルへ連れさらっているところだよ」
思わず美幸は噴き出した。
「社長、こんなオバサンでもいいんですか?」
「あっはは、とんでもない。実は面接の時、容姿で佐久田さんを採用したんだよ。ところが蓋を開ければ才色兼備だ。青砥建設には一挙両得だよ。これからも俺の片腕としてこの会社を助けて欲しい」
「・・は、はい」
底知れぬ青砥の魅力に美幸は心が揺れた。
できるだけ感情を押し殺し、頑なに計算づくで生きてきた美幸だった。
だが青砥と言う男の大きさに触れるたび、美幸の心に思いもよらない感情が忍び込んでくる。
はっと美幸は我に返った。
気づかぬうちに、美幸は青砥の世界に惹き込まれていた。
青砥を助けたい。
青砥を立派な男にしたい。
そして青砥に・・・
(いけないわ)
押し寄せる熱い感情の波を掻き消すため、美幸は九十九里浜にいた頃の母を思い返した。
男にすがって生きる愚かな母。
その屈辱的な女の惨めさを反面教師にすることで、かろうじて美幸は、青砥への想いに揺れる心を抑えるのだった。
つづく・・・
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