『愛憎の流砂』・・・第七章
『愛憎の流砂』
※ 男の愛撫にうねる白い肌・・・
愛人に溺れる母を恨み呪う少女・・・
やがて大人になった少女は、思いもよらぬ運命に手繰られていく。
第七章
やや弾力を失ったが、胸板からくっきりと豊かな乳房が浮き出している。
ウエストの括れは浅くなったものの、熟女らしくむっちりとした下腹部が艶かしい。
そして長身のボティラインから続くヒップは、瑞々しい白桃のように、今も小さくキュッと引き締まっている。
だが正彦にとっては猫に小判だった。
助け舟を出したものの、おそらく正彦は今夜の失敗に傷ついているだろう。
仕事の忙しさを理由に、この先美幸を求めてこなくなるかもしれない。
鏡に写る美幸の口元がわずかに微笑んだ。
(ふふ、これで去勢する手間が省けたわ)
夫とセックスレスでも、美幸には何の差し障りもなかった。
すでに今年小学二年生になる一人娘の愛美もいるし、いまさら夫との性生活に固執する未練もなかった。
正彦の性欲が衰えれば、より美幸の生活は安定するのだ。
性欲が強ければ、他の女にうつつを抜かす危険度が増す。
夫の浮気は、美幸の人生設計図において、真っ先に回避しなければならないリスクだった。
十五年前。
商業高校を卒業した美幸は、東京にある小さな貿易会社の経理課に勤めた。
世間知らずな田舎娘だったが、愛らしい大きな瞳が印象的な顔立ちと、日本人離れしたスリムなスタイルに、都会の男達が雲霞の如く集まってきた。
欲望剥き出しの男達を嘲りつつも、彼等が持参する献上金を利用して、美幸は洗練された女へと変貌を遂げていった。
結婚を迫る男もいたが、美貌と言う誘蛾灯に集まる俗物など、端から人生を託す結婚の対象にはなり得なかった。
つづく・・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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(ふふ、これで去勢する手間が省けたわ)
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すでに今年小学二年生になる一人娘の愛美もいるし、いまさら夫との性生活に固執する未練もなかった。
正彦の性欲が衰えれば、より美幸の生活は安定するのだ。
性欲が強ければ、他の女にうつつを抜かす危険度が増す。
夫の浮気は、美幸の人生設計図において、真っ先に回避しなければならないリスクだった。
十五年前。
商業高校を卒業した美幸は、東京にある小さな貿易会社の経理課に勤めた。
世間知らずな田舎娘だったが、愛らしい大きな瞳が印象的な顔立ちと、日本人離れしたスリムなスタイルに、都会の男達が雲霞の如く集まってきた。
欲望剥き出しの男達を嘲りつつも、彼等が持参する献上金を利用して、美幸は洗練された女へと変貌を遂げていった。
結婚を迫る男もいたが、美貌と言う誘蛾灯に集まる俗物など、端から人生を託す結婚の対象にはなり得なかった。
つづく・・・
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