『妻は官能小説家』・・・第二十七章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第二十七章
雄士はパソコンの電源を落とした。
画面が暗くなっても、雄士はしばらく椅子から立ち上がれなかった。
情けないことに膝が震えていた。
一週間前、雄士の帰宅が遅いことで諍いがあった夜、美佳は男に会いたいとメールしていた。
そして人妻でありながら、抵抗もなく男とラブホテルへ足を踏み入れたのだ。
(あの大人しい美佳が・・)
しかも雄士の前では相変わらず良妻賢母を装いながら、男に剃毛を許す変態性欲女に馴致されていたのだ。
俄かには信じられなかった。
小説と日記とは別物だ。
動機はわからないが、これは美佳がインターネットの投稿サイトに応募する小説なのだ。
厳然とした事実に基づく必要はない。
だがこの小説は、とても空想の産物とは思えなかった。
潮吹き、口姦、そして絶頂。
雄士との閨房生活からは知る術もない性の描写が、克明に書き込まれていたのが何よりの証拠だ。
雄士以外の男に仕込まれなければ、経験もない美佳に書けるはずもなかった。
沸々と嫉妬が煮えたぎった。
(俺を馬鹿にしやがって)
雄士は二階の子供部屋へ駆け上がった。
美玖に添い寝している美佳が、ぽかんとした表情で雄士を見た。
「ちょっと下へ来てくれ」
美玖を起こさないように、感情を押し殺して雄士は告げた。
つづく・・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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