『妻は官能小説家』・・・第十八章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第十八章
『クリスマスローズ』 三橋美佳
※小説の中に挿入された小説↓を「作中作」と称します。
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一週間後、夫はまた浮気して夜遅く帰ってきた。
香水の匂いをぷんぷんさせている。
バツが悪いのか、留美に早く寝ろと同じ言葉を繰り返した。
「あ、あなた・・なるべく早く家へ帰ってきて・・体を壊したら大変だし、未来もあなたがいない夜は寂しそうだし・・」
勇気を出して留美は夫の不実を諌めた。
夫は不機嫌そうに留美を怒鳴りつけた。
図星だったのだろう。
間違いなく夫には愛人がいるのだ。
寝息を立てている未来の布団に潜り込んだ留美は、泣きながら携帯を開いてメールを打った。
加納昌尚宛だった。
『会いたい、会いたい・・』
留美は叩きつけるように何度も文字を打った。
壊れかけた留美を救ってくれるのは、女として見てくれる昌尚だけだった。
すぐに返信が来た。
『明日の昼、仕事をサボる共犯者になって下さい』
感情を露にした留美を気遣って、昌尚はわざと冗談めいた文章を書いてきた。
留美はその優しさが嬉しくて、その晩は携帯を抱きながら眠りに落ちた。
つづく・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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