『妻は官能小説家』・・・第十七章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第十七章
あれから一週間、小説の続きが書かれているかもしれない。
「美玖を寝かせるので、私も先に休ませてもらいます」
風呂から上がった美佳が、美玖にパジャマを着させながら言った。
どこか冷たい口調に聞えた。
「ああ、早く寝なさい」
雄士は辛うじて感情を抑えて告げると、美玖と階段を上がって行く美佳の後姿を舐めるように見つめた。
由希ほどスリムではないが、大きめなヒップがむっちりと迫り出している。
太めなタイプが好みの男なら、豊満な肢体にむしゃぶりつきたくなるだろう。
(・・くそ、誰が美佳を)
雄士が独占していた美佳の心と体が、するりと掌中からこぼれ落ちようとしていた。
失ってから初めて真の価値はわかるものだ。
このヒップが誰かに鷲づかみにされていると考えただけで、雄士の心臓はぎゅっと懊悩に締めつけられるのだった。
あの夜、小説を読んで雄士は勃起した。
美佳を抱きたい衝動に駆られた。
他の男に抱かれるのを夢想して、初めて雄士は美佳が女であることを知ったのだった。
嫉妬に身を焼かれながら、雄士はパソコンを立ち上げた。
(あ、あった)
美佳の『クリスマスローズ』は更新されていた。
雄士は深呼吸した。
そして震える指でファイルを開いた。
つづく・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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