小説 「妄想の仮面」 第九章・・・
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『妄想の仮面』 紅殻格子
九.夫の独白(五)
コンサートの日。
慌しく私は、夕食の支度や風呂の掃除に追われていた。
「パパが家事をするなんて珍しい」
小学校四年生になる愛美が、意外そうな表情で私を手伝ってくれた。娘の心配りは嬉しかったが、由美子と清川のことを考えると、私は気もそぞろなあり様だった。
(今頃、由美子は・・)
想像しただけで、早鐘のように鼓動が早まり、口がカラカラに渇いてくる。そして情けないほど指が小刻みに震える反面、邪な妄想が肉茎を痛いほど怒張させる。
夜、私は愛美を寝かしつけ、テレビもつけずに由美子の帰宅を待った。
(自分で望んだことだが・・)
私は三本目の缶ビールを空けた。酒の力にすがらなければ、妄想にとり憑かれて悶え死にしそうだった。
十一時半。
「ただいま」
由美子が帰ってきた。
酔っているのか、薄桃色に顔を上気させて足元が少しふらついている。
「どうだった?」
リビングのソファにもたれた由美子に、私は平静を装って声をかけた。
「うん、楽しかったわ」
由美子はふうっと大きく息を吐くと、コンサートの模様を、不自然なほど饒舌に語り始めた。 私は冗談めかして核心に迫る質問をぶつけてみた。
「清川と食事をしたんだろう? 酔わされて襲われなかったか?」
「馬鹿ねえ、そんなことがあるわけないじゃない。こんなオバサンと・・」
由美子は腹を抱えて笑った。だがその態度はどこかぎくしゃくして見えた。 私は顔から血の気が引くのを感じた。
由美子が私を裏切った瞬間だった。
実は由美子の帰宅直前、清川からメールが届いていた。そこには、タクシーの中で奥さんにキスしたと書かれていた。 私は激しい嫉妬に駆られた。 清川との痴戯そのものより、由美子が私に嘘をついたことがショックだった。
「あの子、酔っ払って私にキスしたのよ」
そうあっけらかんと言ってくれたら、私の黒い愉悦は雲散霧消していたかもしれない。 私はソファに由美子を押し倒した。
「あ、あなた、何をするの?」
抗う由美子を組み敷くと、私は荒々しくスカートを捲り上げた。そしてストッキングとショーツを剥ぎ取り、すでに硬くなっている肉茎を陰部に宛がった。
「あ、いやっ・・」
私は愛撫もせず、一気に由美子の秘芯を貫いた。
「ど、どうして・・あ、ああっ、無理よ・・いきなりなんて・・」
ところが由美子の花芯はすでに綻び、いつでも男を迎えられるように濡れていた。
久しぶりに嗅ぐ女の匂い。 私は夢中で由美子を犯した。
「ゆ、由美子・・」
だがすぐに堪え切れなくなった私は、十数回腰を動かしただけで、あっけなく射精してしまったのだった。
つづく・・・
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