『妻は官能小説家』・・・第十三章
『妻は官能小説家』
~作品紹介~
男と女を卒業してしまった夫婦。
セックスレスの妻から目をそらして、愛人との淫欲に溺れる夫。
だが妻は、密かに慕う男との愛欲を密かに小説に綴っていた。
その小説を読んだ夫は・・
第十三章
かっと全身が熱くなった。
昌尚の大胆さに気が動転して、留美は太腿をまさぐる手を振り解けなかった。
昌尚がそっと耳元で囁いた。
「とてもセクシーな体ですよ」
ぞくぞくと鳥肌が立った。
娘の友達の父親だ。
妻の彩花とはママ友でもある。
このまま昌尚の暴走を許せば、後々の生活に厄災をもたらすかもしれない。
やがて昌尚の手は、スカートの裾を捲って内腿へ滑り込んできた。
「だ、だめ・・」
声を押し殺して留美は、スカートの奥へ伸びようとする手を拒んだ。
「ごめんなさい・・あなたが欲しかったんです」
そう囁いて昌尚は手を引っ込めた。
陳腐な台詞だが、その一言は留美の心と体を一瞬に貫いた。
女として口説かれたのだ。
しかも美しい彩花の夫でありながら、昌尚は留美の女を求めてきたのだ。
(どうせ遊びに違いないだろうけど・・)
だが夫から女として扱われない留美には、失っていた自信を取り戻させるに十分な刺激だった。
映画が終わった。
暗闇から解放された留美は、明るい日差しの下で母親の顔を取り戻した。
はしゃぐ子供達を連れた留美と昌尚は、何ごともなかったように別れた。
ただ別れ際、昌尚は小さなメモを渡した。
「気が向いたらメールを下さい」
携帯のアドレスだった。
留美は何も答えずメモを受け取った。
つづく・・
※ お知らせ ※
2月22日発売の月刊文芸誌『祥伝社・小説NON3月号』に紅殻格子作「あやかしの肌」が掲載されました。
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