『喝采』・・・第二十六章
『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第二十六章
その時、身の危険を感じた美咲の女が切れた。
「ふざけないでよ!」
無意識のうちに、美咲は鮫洲の頬を平手で張っていた。
「私は逸見の女よ。あんたなんかに自由にさせないわ」
布団の上で啖呵を切った美咲は、脱がされた浴衣で体を覆い隠した。
鮫洲は叩かれた頬を押さえて不敵にも大笑いした。
「わはは・・その気の強さがまたええ。だが逸見も悪い男だ。女にはきっちりと引導を渡してやらなあかん」
「どういうこと?」
「お前は逸見に売られたんや。会社ごとわしにな」
美咲は耳を疑った。
「そ、そんな馬鹿な・・」
「嘘やない。来月契約が済めばわしが名実共にお前の主や」
鮫洲はエターナル社買収の経緯を話し始めた。
現在、企業の評価は『連結』と呼ばれる企業グループ単位で行われる。
関東製薬と言う個々の会社ではなく、関東製薬グループで世間から業績評価されるのだ。
そのため逸見は関東製薬グループの改革に乗り出した。
グループ企業の収益力を強化するのが目的で、まず赤字企業の整理に手をつけ始めた。
その槍玉に挙がったのがエターナル社だった。
だが赤字の会社を買う物好きなどいない。
そこで柔道部の先輩にあたる鮫洲に頼み込んだのだ。
つづく・・・
『不如帰~永遠の嘘』『色褪せぬ薔薇』 携帯小説サイト配信情報
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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第二十六章
その時、身の危険を感じた美咲の女が切れた。
「ふざけないでよ!」
無意識のうちに、美咲は鮫洲の頬を平手で張っていた。
「私は逸見の女よ。あんたなんかに自由にさせないわ」
布団の上で啖呵を切った美咲は、脱がされた浴衣で体を覆い隠した。
鮫洲は叩かれた頬を押さえて不敵にも大笑いした。
「わはは・・その気の強さがまたええ。だが逸見も悪い男だ。女にはきっちりと引導を渡してやらなあかん」
「どういうこと?」
「お前は逸見に売られたんや。会社ごとわしにな」
美咲は耳を疑った。
「そ、そんな馬鹿な・・」
「嘘やない。来月契約が済めばわしが名実共にお前の主や」
鮫洲はエターナル社買収の経緯を話し始めた。
現在、企業の評価は『連結』と呼ばれる企業グループ単位で行われる。
関東製薬と言う個々の会社ではなく、関東製薬グループで世間から業績評価されるのだ。
そのため逸見は関東製薬グループの改革に乗り出した。
グループ企業の収益力を強化するのが目的で、まず赤字企業の整理に手をつけ始めた。
その槍玉に挙がったのがエターナル社だった。
だが赤字の会社を買う物好きなどいない。
そこで柔道部の先輩にあたる鮫洲に頼み込んだのだ。
つづく・・・
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