『喝采』・・・第二十一章
『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第二十一章
裾を掻き分けて内腿に伸びる手を気遣いつつも、美咲は大笑する鮫洲に深々と頭を下げるしかなかった。
会食の前、美咲は逸見にこっそり耳打ちされていた。
「他の役員に反対されて増資はできないことになった。化粧品事業に将来性はないと批判された」
「こ、困るわ・・馬場の辞任で社内が動揺しているのに」
「申し訳ないと思って、今夜お前を箱根へ呼んだんだ。鮫洲のドラッグストアを取り込めば、エターナルの経営も万全なものになるはずだ」
「・・それはそうだけど」
「いいか、経営者として生き残れるかどうかは、今夜お前の鮫洲への接待にかかっている」
美咲は頼る術を失って茫然とした。
関東製薬はエターナル社を見放した。
逸見も美咲を突き放したのだった。
「鮫洲を・・手玉に取ればいいってこと?」
「あのスケベ爺は、テレビに映る三浦美咲に恋焦がれている。実は遠回りに宴席へ来させるよう命じてきたんだ」
美咲は逸見の目を見つめた。
「でも・・あなたはそれでいいの?」
「あの男を怒らせれば、関東製薬の土台も揺らぎかねない。お前のためにも多少のことは目を瞑るしかない。」
珍しく逸見は愁いを含んだ表情で俯いた。
美咲はそれ以上何も聞かず、エターナルを発展させるため、愛する逸見を守るため、スケベ爺の待つ宴席に乗り込んだのだった。
つづく・・・
『不如帰~永遠の嘘』『色褪せぬ薔薇』 携帯小説サイト配信情報
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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第二十一章
裾を掻き分けて内腿に伸びる手を気遣いつつも、美咲は大笑する鮫洲に深々と頭を下げるしかなかった。
会食の前、美咲は逸見にこっそり耳打ちされていた。
「他の役員に反対されて増資はできないことになった。化粧品事業に将来性はないと批判された」
「こ、困るわ・・馬場の辞任で社内が動揺しているのに」
「申し訳ないと思って、今夜お前を箱根へ呼んだんだ。鮫洲のドラッグストアを取り込めば、エターナルの経営も万全なものになるはずだ」
「・・それはそうだけど」
「いいか、経営者として生き残れるかどうかは、今夜お前の鮫洲への接待にかかっている」
美咲は頼る術を失って茫然とした。
関東製薬はエターナル社を見放した。
逸見も美咲を突き放したのだった。
「鮫洲を・・手玉に取ればいいってこと?」
「あのスケベ爺は、テレビに映る三浦美咲に恋焦がれている。実は遠回りに宴席へ来させるよう命じてきたんだ」
美咲は逸見の目を見つめた。
「でも・・あなたはそれでいいの?」
「あの男を怒らせれば、関東製薬の土台も揺らぎかねない。お前のためにも多少のことは目を瞑るしかない。」
珍しく逸見は愁いを含んだ表情で俯いた。
美咲はそれ以上何も聞かず、エターナルを発展させるため、愛する逸見を守るため、スケベ爺の待つ宴席に乗り込んだのだった。
つづく・・・
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