『喝采』・・・(第八章)
『喝 采』 ・・・作品紹介・・・
「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第八章
口許に小さな含み笑いを浮かべ、美咲は額を逸見の肩に押し当てた。
美咲は逸見の東京妻だった。
二人の不倫関係はもう三年続いている。
大学を出て大手食品メーカーに勤めていた美咲は、二十七歳で同僚だった夫と結婚して寿退社した。
一人息子を産んだ後、じっと家庭にこもる性格でもなく、再び社会に出るべく関東製薬の事務職として再就職した。
すぐに美咲は逸見の目に留まった。三十二歳だった。
いきなり社長秘書を任されると、オーナー会社ならではだが、一年も経たぬうちに秘書室長へ昇格した。
そして三年前、エターナル社の設立に伴い、代表取締役社長に大抜擢されたのだった。
男と女の関係になったのは、社長秘書時代からだった。
さっき訪れた秘書のように、ホテルへ資料を届けるよう命じられ、ワインで酔わされて体を征服された。
美咲はワインをテイスティングしてから口に含んだ。
「いい赤ね」
「まだ若いカリフォルニアのヴィンテージだが、タンニンが豊かでしっかりしたボディをしている」
美咲はワイングラスを掲げて照明に透かしてみた。
ルビーに似た深みのある赤色が、美咲の下腹部に眠る女の欲情を呼び覚ました。
ソファを離れた美咲は、カーテンを開けた大きな窓の前に立った。
「テレビの私とどっちが綺麗?」
甘えた声で逸見を誘うと、バスローブを足元に落とした。
都心の夜景をバックに、一糸まとわぬ美咲の白い裸身が浮かび上がった。
つづく・・・
『不如帰~永遠の嘘』『色褪せぬ薔薇』 携帯小説サイト配信情報
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「ママさん社長」として世間の喝采を浴びる美咲。
だが実態は、大手企業を率いる御曹司に惹かれて愛人となり、夫と子供を裏切って手にした社長の地位だった。
順風満帆な美咲だが、頼りにしていた御曹司から会社への融資を断られ・・・
第八章
口許に小さな含み笑いを浮かべ、美咲は額を逸見の肩に押し当てた。
美咲は逸見の東京妻だった。
二人の不倫関係はもう三年続いている。
大学を出て大手食品メーカーに勤めていた美咲は、二十七歳で同僚だった夫と結婚して寿退社した。
一人息子を産んだ後、じっと家庭にこもる性格でもなく、再び社会に出るべく関東製薬の事務職として再就職した。
すぐに美咲は逸見の目に留まった。三十二歳だった。
いきなり社長秘書を任されると、オーナー会社ならではだが、一年も経たぬうちに秘書室長へ昇格した。
そして三年前、エターナル社の設立に伴い、代表取締役社長に大抜擢されたのだった。
男と女の関係になったのは、社長秘書時代からだった。
さっき訪れた秘書のように、ホテルへ資料を届けるよう命じられ、ワインで酔わされて体を征服された。
美咲はワインをテイスティングしてから口に含んだ。
「いい赤ね」
「まだ若いカリフォルニアのヴィンテージだが、タンニンが豊かでしっかりしたボディをしている」
美咲はワイングラスを掲げて照明に透かしてみた。
ルビーに似た深みのある赤色が、美咲の下腹部に眠る女の欲情を呼び覚ました。
ソファを離れた美咲は、カーテンを開けた大きな窓の前に立った。
「テレビの私とどっちが綺麗?」
甘えた声で逸見を誘うと、バスローブを足元に落とした。
都心の夜景をバックに、一糸まとわぬ美咲の白い裸身が浮かび上がった。
つづく・・・
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